20.スイーツ
僕達は本屋に寄ってから帰宅した。
「あー今日は哲ちゃんとすっと一緒だったから楽しかった―」
小町はまじでかわいい。
「そうだね。楽しかったね」
「じゃあみんなのところに行こうか」
「うん」
僕達は別荘に向かった。
別荘の外にみんなが集まっていた。
「え?まじ?」
オクトンの池に繋がっている細い川が出来ていた。
川は家の前の草むらを大きく回って海に繋がっていた。
「なんか少し斜面になってる?」
「ダルンとザンとドグドくんががんばってくれましたよ」
話を聞くとドグドくんが大きくなって土を掘り、ザンが土を操って形を作り、ダルンのスキルに地盤強化というものがあってそれを使って固めたそうだ。
キューキュー!
オクトンもなぜか喜んでいる。
僕と小町はみんなが作業している間に、今日購入したものを確認することに。
僕はサングラスを掛けて、マジックアイテムになっているかを確認した。
みんな用のエアガンには強度上昇(高)・威力上昇(高)・反動軽減(高)の能力が付いていたが、命中率上昇の効果は高・中・低がバラバラに付いていた。
そしてリボルバーの1つがリロード不要が付いていなかった。
「うーん。このランダム性が怖いな。ちゃんと武器にはなるみたいだけど」
僕用のアサルトライフルと2丁拳銃を確認すると悲劇が起こっていた。
○クッキー(ハンドガン)
強度上昇(高)・威力上昇(高)・命中率上昇(低)・反動軽減(高)・リロード不要・召喚可
○クリーム(ハンドガン)
強度上昇(高)・威力上昇(高)・命中率上昇(低)・反動軽減(高)・リロード不要・召喚可
○キャラメル(アサルトライフル)
強度上昇(高)・威力上昇(高)・命中率上昇(中)・反動軽減(高)・リロード不要・召喚可
能力はちゃんと付いていた。
[召喚可]という謎の能力もついている。
しかし名前がこれになっているなんて。
「あーかわいくなっちゃったよ。漆黒の片翼と純白の片翼って書いてダークウィングとホワイトウィングにするつもりだったのに」
「哲ちゃん。それダサいよ。そういうのはほんとにダサい」
小町の言葉にダメージを受けながら、僕は小町の銃の確認をした。
小町の銃は塗装でファンシーになっていた。
ハンドガンはパステルピンク。サブマシンガンはパステルブルー。
こんな塗装を文句も言わずにやってくれた下平店長には感謝しかなかった。
○ふわふわキャンディ(ハンドガン)
強度上昇(高)・威力上昇(高)・命中率上昇(中)・反動軽減(高)・リロード不要・召喚可
○しゅわしゅわラムネ(サブマシンガン)
強度上昇(高)・威力上昇(高)・命中率上昇(中)・反動軽減(高)・リロード不要・召喚可
「え?これ名前?」
「うん。かわいいでしょ?スイーツで哲ちゃんとお揃いだよ」
「そ、そうだね」
今度銃を追加するときは早めに名前を付けよう。
「召喚可って気になるな」
「うーん。アニメとかなら名前を呼んだら手に持ってるとかだよ」
「それ便利!」
小町は何も持たずに構えた。
「ふわふわキャンディ!」
するとパステルピンクのハンドガンが手に現れた。
「ほら!やっぱりそうだ!哲ちゃんもやってみて」
「う、うん」
僕は構えた。
「クッキー&クリーム!」
手にクッキーとクリームが現れた。
「ねーこれ恥ずかしいんだけど」
「そんなこと言って、&って言わなくていいところを&にしてるじゃん!」
「クッキーとクリームを連続して言うときは、どうしても&になっちゃうじゃん」
「まあかわいくていいと思う。私とお揃いは嫌?」
「嫌じゃないです」
僕はスイーツ銃を受け入れることにした。
▽ ▽ ▽
僕達はみんなを集めた。
「みんなに護身用の武器を渡します。この武器はとても強力だから、使い方を間違えない様に。基本はモンスターを倒しに行くとき以外は家に置いておくこと。まだ家が出来てないから、クリフに渡したマジックバックに入れるように」
「「「「「「「はい!」」」」」」」」
僕は銃とホルスターをみんなに渡していった。
プンとペペンとアデスちゃんにはSFっぽいハンドガンを
クリフとザンとドグドくんにリボルバーを
プロールとダルンとデルンとドルンに大怪盗モデルを渡した。
「使い方は今から小町が教えるので、しっかり聞いて覚えて」
みんなは小町のもとに集まって行った。
「しげ爺用のリボルバーもあるんですが、リロードが必要なので本当になんかあった時用として使ってください」
「はっはっは。わしにもあるのか」
「はい。ここにいるときに、僕達の想像してないことが起きる可能性もありますから」
「わかったよ。ありがとう」
しげ爺はリボルバーを受け取った。
▽ ▽ ▽
パシュパシュ
パシュパシュ
みんなが小町の指導で試し撃ちをしている。
いろいろ効果が付いているので、みんなそれなりに使えていた。
ドグドくんは指が入らないみたいで、今回はお休みだ。
早めにスキルを上げてあげたい。
「プン!ちょっといい?」
順番待ちをしているプンを呼んだ。
「これ。こっちの世界の6~15歳の子供が勉強で使う本を適当持ってきたよ」
「本当ですか?」
「本当は少しずつ買おうと思ったんだけど、プンならすぐに覚えちゃいそうだから」
「うれしいです!ありがとうございます」
プンは本をもって別荘に入っていった。
僕は一度家に戻った。
▽ ▽ ▽
パソコンを確認すると、メールが来ていた。
下平店長からだ。
さっきアドレスを交換して、木材を売ってくれる人の仲介を頼んでいた。
[五十嵐様。下平です。友人に確認取れましたので、連絡先を添付しておきます]
僕は添付されていたアドレスにメールを送った。
「木材を購入して、島に持ち込むにはだいぶ貯金を持って行かれるな」
僕は四宮さんのノートを開いた。
○お金の稼ぎ方(中級)
ここを見てるということは、異世界ライフ楽しんでるみたいだな。
ボミットオクトパスの酒だけじゃ足りなくなって来たのなら、山の麓に行け。
家から見て山の反対側に洞窟がある。火山の熱と魔力が少し濃いおかげで、ときどきそこに大きめの宝石みたいな石が生まれる。それが高額で売れるぞ。
俺はだいたい3か月に1回ペースで行っていたぞ。
君がこのページを見た時は、俺が最後に行ってからどれくらいたってるだろうな。
因みにそこはゴブリンとスライムが大量にいる。洞窟は居心地がいいのか、なぜか外に出て来ない。
それに毎回行くたびに同じくらいの量のモンスターがいるから、洞窟で生まれているんだと思う。
狭いしモンスターが多いから充分に気をつけて行くように!
「木材を買う前に洞窟に行かないとな」
四宮さんが家電とかを買ったと思われるのが8~6年前。
どれだけの宝石が溜まっているのだろうか。
「よし。銃の実演も兼ねて、みんなで洞窟探索でも行くか」
僕は新たな計画を立てて、別荘に戻った。