18.巨大化と銃
だいぶ森の奥に来た。
ここに来るまでに、ハンドガンを試したいというダルン達に撃たせてあげた。
今日はもうすでにゴブリン3匹とスライム1匹を倒していた。
みんなに聞いて知ったのだが、モンスターは魔石というものが身体にあってそれを回収するのが基本らしい。
冒険者はそれを売ったり、マジックアイテムにしたりするそうだ。
変換機に入れるために一応回収した。ただスライムの魔石はハンドガンの弾で破壊されてしまったらしい。
「ここら辺の木もダメそう?」
「はい。残念ながら」
「じゃあどうにか僕の世界で調達するかな」
「お願いします」
木材調達の方法を考えなくては。
「じゃあ今日はモンスター狩りをしよう」
「「「「「「はい!」」」」」
「目標がドグドくんのスキルのレベルアップ!なので、ドグドくんが倒せるようにして」
「「「「「はい」」」」」
「みんなよろしく」
僕達はモンスターを探した。
▽ ▽ ▽
ドグドくんがゴブリンと戦っていた。
だが全然攻撃が当たっていない。
「ドグドくんもうちょっと狙いを定めて」
「うん」
剣に慣れていないせいか、子供の遊びのような剣筋だった。
「あーもう!」
ドグドくんは目をつぶり、身体が大きくなっていく。
「ドグドくん!ダメ!服が切れるよ!」
ドグドくんの耳に届いていない。
10m以上の大きさなったドグドくんはゴブリンを踏み潰した。
そしてそのことよりびっくりしたのは、服がちぎれていなかったことだった。
もしかしたら特別な能力が付いたマジックアイテムになっているのかもしれない。
「ドグドくん!元に戻って!」
僕の声が聞こえないのでザンが飛んで耳元まで行って伝えてくれた。
「う、うん」
ドグドくんはどんどんサイズが小さくなった。
ドグドくんは申し訳なさそうに僕の元に来た。
「ご、ごめんなさい」
「心配したよ。今度は勝手に大きくなっちゃだめだよ」
「はい」
「でもゴブリンは倒せた、よくやったね。今度は剣で倒せるようにザンとかデルンに教わろうね」
「うん!」
ドグドくんはまだ子供なんだ。あまり怒り過ぎてもね。
怒るの苦手だし。こんな時小町が居たら的確に注意できるんだろうな。
僕は自分のふがいなさを責めた。
「じゃあ、またモンスターを探そう。次にゴブリンが出たらクリフが脚を撃ち抜いて、トドメをドグドくんが。巨大化は禁止だよ」
「うん。頑張るよ」
僕達は移動を始めた。ドグドくんは積極的に剣についてザンやデルンに聞いていた。
1時間後。
「ゴブリンがいました」
やっとモンスターを見つけることができた。
「クリフ、これを」
「はい!」
スナイパーライフルをクリフに渡した。
「テツジ様!これはなんなんですか」
「オイラにも撃たせてください!」
「オイラも―」
ダルン達は見たことない銃に興奮していた。
「まあ見てて」
ガチャ
パシュン
ガチャ
パシュン
クリフが撃った弾はゴブリンの両ひざを的確に貫いた。
グギャーーー!
「ドグドくん、今だ!」
「うん!」
ドグドくんは剣を振り降ろした。
今回は相手が動かなくなっているので、1撃で倒すことができた。
「ドグドくん。よかったよー」
「ありがとう」
ドグドくんは嬉しそうだ。
「「「テツジ様!!!!」」」
僕はダルン達に捕まり、スナイパーライフルの説明をすることになった。
▽ ▽ ▽
ドグドくんの巨大化後は2体しかモンスターを見つけられず、僕達は別荘に戻ってきた。
「じゃあ、武器は回収するね。斧とかは持っていていいよ」
「「「「はい」」」」」
「じゃあ、今回の探索で手に入れたものを渡していきます」
「「「「「え?」」」」」
「まずクリフ。マジックバッグ2つと見つけたお金。使う機会ないかもだけどみんなのお金だと思って管理して。マジックバッグは必要な人にクリフから渡すこと」
「はい!承知しました」
「次はダルン。マジックボックス3つ。これは建築した家に置きたいかな。それまでは建築の為に自由に使って」
「ありがとうございます」
「じゃあ今日の探索は終了!お疲れ様!」
「「「「「お疲れ様でした」」」」」
僕はみんなと解散して別荘に入ると、シゲ爺による田んぼの座学をプンと女性陣が受けていた。
小町の膝の上ではアデスちゃんが眠っていた。
僕も座学に途中参加した。
▽ ▽ ▽
座学が終わった。
明日はシゲ爺の指揮で川など水路を作ったりしてみることになった。
ドグドくんのパワーとザンの土を操る力を試したいとのことだった。
僕と小町は久々に2人でデートだ。
明日のデート先は、下平ミリタリーショップ。
僕用のエアガンと昨日電話で話した内容を詰めに行く予定だ。
それにプンに本が欲しいと言われた。
日本語を学べるものがいいと言われた。
プンの意欲は本当に素晴らしい。
同い年として鼻が高い。
気になっていたドグドくんの服についてだが、サングラスで見てみたら[サイズ自動調整]が付いていた。
他の人の服を見てみたら何個かついていたので、服を変換したら全部確認することに決めた。
▽ ▽ ▽
家に戻ってきた。
「哲ちゃーん。日中一緒に居れないからさみしいね」
「そうだね」
うちの妻は本当にかわいいな。
「子供もできたし、もっと仲良くしてないとね」
「そうだね。ん?」
「ん?」
僕の思考は一瞬止まった。
「子供出来たの?」
「できたじゃん」
「え?」
「母親になってって言われたよ。哲ちゃんにも言ったって言ってたよ」
「ん?ん?」
「アデスちゃんだよ。まあ私的にはドグドくんも息子にしたいと思ってるんだよね」
「あー理解。いいの?」
「うん。ちゃんと愛情を注ぐつもりだよ」
「小町がいいなら僕も2人を子供と思うことにする」
「だからいつかできる私達の子供のお兄ちゃんとお姉ちゃんだね」
あー妻がかわいすぎる。
ドグドくんには小町から聞くそうだ。
僕はこの段階で小町の計画に気付けていなかった。




