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15.奴隷達との交流

車の中で小町とシゲ爺の新潟での話を聞いた。


「何を買ったんですか?」

「中古のトラクターと畦塗り機を買い、知り合いからすぐに使えそうな土を安く譲ってもらったわ」

「あと苗をいっぱいもらってきたよ」

「最初から苗作りは大変だからな。とりあえずは田んぼ作りと田植えだ」

「なるほど。楽しみだなー。てかお金足りました?」

「知り合いに易くしてもらったから全然足りたぞ」

「お土産もたくさん!」

話していると、家に到着した。


僕達は変換部屋に入り、マジックバッグごと変換機に入れて緑のボタンを押した。

貯金残高が¥9,410,000になった。


「えー!だいぶ持ってかれた」

「ほんとだ!」

僕も小町もだいぶ驚いた。


「まあ機械みたいなものを変換したのも初めてだし、マジックバッグに入れて変換すると割高になるってノートに書いてあったしな」

「オクトンに頑張ってもらおうね」

「そうだな。オクトンに頼りっぱなしだ」

僕達3人はドアを通って別荘へ行った。


▽ ▽ ▽


リビングには誰もいなかった。

「あれ?外かな?」

「早く会いたいなー」

外に出てみると、みんなが食事をしていた。


僕に気付いたドグドくんが口を開いた。

「テツジ様、おかえりなさい!」

みんなが僕の方を見た。


「あーみんな。そのまま食べてていいよ。昨日話した僕の妻と義祖父を紹介します」

「哲ちゃんの妻の小町です。話は聞きました。今日から家族なんでよろしくね」

「それと…」

「茂雄じゃ。小町のおじいちゃんじゃ。気軽にシゲ爺と呼んでくれ!」

2人の思ったよりも軽い挨拶が終わり、奴隷10人にも自己紹介をしてもらった。


自己紹介が終わり、小町とシゲ爺がみんなと雑談をしていた。

さすが『人気者』だ。すぐに仲良くなっている。


「哲ちゃん!トラクターだけ外に置いておいていい?」

「ん?どうしたの?」

「みんなの服を買ってこないと」

「あっ!」

僕は今まで気付いてなかった自分が恥ずかしくなった。


「そうだよね。ちょっと待って。ドグドくん小さくなって」

ドグドくんは目をつぶって小さくなった。

「まだ大きいけど、このサイズのドグドくんが着れる服もお願い」

「はーい」

小町は家に戻って行った。


クリフが話しかけてきた。

「テツジ様。シゲ爺様は何かの達人ですか?」

「ん?なんで?」

「物凄い魔力を感じますし、武術の心得もあるように見受けられます」

「そうなの?普通の農家のおじいちゃんだよ」

「そ、そうなんですか?テツジ様の世界はすごいところなんですね」

クリフはだいぶ驚いていた。


僕は小町が置いて行ったトラクターと畦塗り機をサングラスを付けて見た。


○マジックトラクター

強度上昇(高)・機能力上昇(高)・操作アシスト(高)・事故防止・アタッチメント収納・動力不要


○畦塗り機

強度上昇(中)・動力不要


「シゲ爺!」

「おーなんじゃ」

「すごいことになりましたよ、見てみてください」

シゲ爺にサングラスを渡す。


「おー能力がすごいのー。あれ?ロータリーがなくなってるのー。」

「アタッチメント収納ってなんですかね?」

「畦塗り機はトラクターで引っ張って使うんじゃ、まあそれが収納できるってことかの?そしたらロータリーも収納されてる?」

「一度付けてみましょう」

僕とシゲ爺が何かやろうとしているのを察したのか、みんなが集まってきた。


「じゃあドグドくん、これをトラクターの後ろに運んでくれる?」

「うん!」

ドグドくんは軽々持ち上げて運んだ。


「おードグドくんは力持ちじゃの」

「へへへ」

ドグドくんは嬉しそうだ。


シゲ爺がトラクターに接続させようとしていると、みんな集中してみている。

それに気付いたシゲ爺は丁寧に説明をしながら教えてあげていた。

『指導力』がものすごく発揮されている。

僕も一緒に聞くことにした。


▽ ▽ ▽


シゲ爺の講義は物凄くわかりやすかった。


畦塗り機は接続され、乗りながら念じるだけで出し入れができるようになった。

シゲ爺が言っていたロータリーも収納されていたようだ。

その確認が終わった後はトラクターの運転の仕方を教えようとしてくれた。

トラクターは車と同じように足も使うので、背の問題で小人族やドワーフは運転が出来なそうだ。


そんなことを思っているとアデスちゃんが話しかけてきた。

「テツジ様。乗ってみたい」

「え?」

「あの凄いの乗りたい!」

「わかったよ。シゲ爺!アデスちゃんが乗りたいみたいで、エンジン掛けずに乗せてあげてくれます?」

「おう。構わんぞ」

アデスちゃんはシゲ爺の方へ行き、シゲ爺が掴んで乗せてあげた。

やっぱり身体の小さいアデスちゃんはハンドルにもペダルにも届いていなかった。


「え?」

アデスちゃんを見ていたら、トラクターの運転席が動いていた。

乗っているアデスちゃんにちょうどいい位置にすべてが動いている。


「え?トラクターってこんな機能ありました?」

「あるわけなかろう!たぶん操作アシストじゃないか?」

「こんなにアシストしてくれるの?」

操作アシストのおかげで、小人族もドワーフも乗れることが判明した。


そこからはみんな参加でトラクターの運転講座だ。

シゲ爺が言うにはマジックアイテム化して、いろいろ操作がシンプルにされているらしい。

10人は熱心にシゲ爺の話を聞いて覚えようとしていた。


▽ ▽ ▽


3時間ほど経つとみんなが軽々トラクターを運転できるようになっていた。


「すごいなみんな。僕は覚えるのに必死ですよ」

「こんなことならハローとか草刈り機とかアタッチメントも買っておけばよかったのう」

「そんなのがあるんですか?」

「次帰った時に買っておくよ」

「ありがとうございます」

シゲ爺と話していると別荘のドアが開いた。


ドアから出てきたのは小町だった。

「みんな!服買ってきたよ!」

みんなは小町のもとに集まって行った。


「みんなに似合いそうなやつ買ってきたから。まずは身体と髪をきれいにしないと。お風呂はさすがに入ってないよね?」

「はい。オクトン様の池の水や水魔法で水浴びをさせてもらいました」

「よーし。ちょっと待ってて!」

小町は居なくなったと思ったら、シャンプーやボディーソープやタオルやスポンジを持ってきていた。


「まずは男性から!哲ちゃんとおじいちゃんは手伝ってあげて。女性陣は別荘で待つよー」

小町の指示でみんな動き出した。


「哲ちゃん!」

「ん?」

「これ袋に名前書いてあるから、シャワーが済んだら着させて」

「わかった」


小町の指示に従い、シゲ爺と一緒にみんなにシャンプーやボディーソープの使い方を教えた。

オクトンがシャワーのように水を吐き出してくれた。

みんなものすごくきれいに綺麗になった。


「これ、小町が買ってきた服が入ってるから。着方が分かんなかったら言って」

「「「「はい」」」」

みんなは渡された袋から服を取りだして着替え始めた。


小町のセンスはすごかった。

クリフとザンはシンプルなシャツとズボンなのに顔とスタイルのせいで超絶オシャレになっていた。

ザンのズボンにはしっかり尻尾用の穴をあけていた。トランクスにも穴を空けていたのを僕は見逃さなかった。

ダルン達はおそろいのオーバーオールに色違いのTシャツ。

プンは子供服みたいだが子供っぽさを感じない服だった。

そしてドグドくんは丈が長いTシャツに、紐でサイズ調整ができるダボダボのズボンだった。

なぜかぴったり切ることが出来ていた。


「みんな似合ってるよ」

「「「「ありがとうございます!」」」」

「じゃあ女性陣に見せに行こう」

みんなを連れて別荘に入ると、女性陣が声を上げた。


「あなた!素敵ですよ」

「プン!かっこいい見違えたよ」

奥さんに褒められてクリフとプンはニヤニヤしていた。

「みんな、最高だね!」

他の男性陣をアデスちゃんがまとめて褒めてくれたので均衡が保てた。


「さあ3人共、次はあなた達だからね。男性は外禁止だから」

小町は3人を連れて池に向かった。


「テツジ様。この家すごいね」

ドグドくんはそういうと辺りを見回していた。

「そうか。初めて入るのか」

「うん」

「スキルのレベルを上げてもう少し小さくなれるようになったら、もっといろんなことができるよ」

「うん。頑張るよ」

ドグドくんは笑顔だった。


▽ ▽ ▽


小町が別荘に入ってきた。

「さあ、愛する奥様とみんなのアイドルを褒める準備は出来てる?」

「おー!あっ!みんなも」

「「「「「おー!」」」」」

小町のテンションに男性陣はまだついて行けないようだ。


「さあ3人共、入って!」

そういうと着替え終わった3人が入ってきた。


「「「「「おおおおおおおおお」」」」」」

プロールはロングのワンピース。しかも靴までかわいくなっていた。

ペペンは子供服だが、プンと同じく子供感があまりない服だった。

そしてアデスちゃんは小町の趣味が全開だった。

子供服だがどう見ても地雷系の女の子の服だった。一体どうやって見つけてきたんだ。


クリフとプンは自分の奥さんの元に行き、褒め倒している。

他の男性陣はアデスちゃんのところに行き、褒め倒してる。

3人共、本当に嬉しそうだ。


「哲ちゃんとおじいちゃんにも買ったからね」

小町にそう言われてニヤニヤしてしまった。

本当に僕の妻は出来た妻だった。


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