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日々の想い(日記?)  作者: otu
小説って、アニメ化される30ぐらいがちょうどいい?
45/49

国債・利子・市場依存という構造の要点まとめ

① 国債に利子がある時点で「非対称な痛み」が内蔵されている


国債は時間をまたぐ約束であり、利子はその時間コスト


価格が下がっても上がっても、調整は社会内部で行われる


調整の担い手は常に交渉力の弱い層


結論

国債+利子は、安定を目指すほど誰かを削る構造を持つ




② 古い財政観が「弱者集中型の調整」を呼びやすい理由


「信認」「財政規律」「返済絶対」という前提


市場を最優先すると、短期で効く政策しか選べない


結果:


社会保障削減


逆進的増税


雇用の不安定化


結論

理論的に正しく見える判断ほど、実務では弱者に寄る




③ なぜ止めようとすると必ず犠牲が出るのか


国債価格安定=市場都合の尊重


市場が嫌う政策は排除される


長期改革は「今は無理」で先送り


結果


国家は延命


国民の一部が削られる


これは意図ではなく設計上の帰結




④ これは悪意ではなく「制度の性質」


政治家・官僚・国民の善悪の問題ではない


危機時に「弱い部分を切る」ようにできている


善意の人ほど「仕方がない」を選ぶ


結論

繰り返されるのは、人ではなく構造




⑤ なぜこの仕組みは終わらず「1000年続きそう」なのか


代替制度が即座に存在しない


変更コストが巨大


既得権と深く結びついている


急変すると社会が壊れる


実際の歴史


壊れるのではなく


限界を更新しながら延命してきた


「破滅しない程度に壊れ続ける」




⑥ インフレ時に一部が富裕層になるのは必然


得をする層


実物資産保有


債務側


情報・制度に早く触れる人


削られる層


現金依存


固定収入


制度依存


これは倫理ではなく物理現象




⑦ なぜ人はそれでも希望を見るのか


インフレ期には必ず成功例が生まれる


それが「まだ続けられる」という幻想を供給する


制度は壊れ切る前に夢を差し込まれる


希望は制度の潤滑油

あとがき


――資本主義・福利・生存本能について


資本主義において、

利子(福利)を生む資本が社会保障を要求するという構図は、

どこか倒錯的で、しかし極めて人間的でもある。


富を持つ者は、

制度の安定を望み、秩序を求め、

結果として「弱者を支える仕組み」を必要とする。


一方で、

税制や制度設計は往々にして

富裕層に有利に働く。


これは矛盾というより、

弱肉強食の世界における倫理、

あるいは

人間の生存本能が制度化された姿なのかもしれない。


弱者は、常に「救われる側」として存在してきたわけではない。

弱者には弱者の生き方があり、

それぞれがその立場の中で、すでに実践している。


問題は、

弱者を見捨てても社会が回った時代が、

歴史的には例外だった可能性だ。


人口が増え続け、

労働力が余り、

多少の切り捨てが全体を揺るがさなかった

――いわば「人口ボーナスタイム」。


その特権が、

今も続いているかのような前提で

制度を設計していること自体が、

すでに危うい。


日本ではいま、

「子どもを産む費用を国が負担する」という制度を掲げながら、

同時に

弱者を切り捨てなければ維持できない社会構造を

強めつつある。


それは、


産める人だけを支援し


産めない人、支えられない人を黙って削り


数字上の持続可能性を優先する


という、新しい選別の形でもある。


この矛盾は、

制度が善意で作られているからこそ、

より静かに、より深く進行する。


それはもしかすると、

**現代版の「優等社会」**なのかもしれない。


露骨な排除はしない。

ただ、条件を満たせない者が

自然に脱落するよう設計されている。


誰が何人犠牲になるのかは、

あらかじめ数えられない。

だが、犠牲が出ること自体は

ほぼ確実に織り込まれている。


これは

「良い」「悪い」の話ではない。


そう評価するには、

あまりにも構造的で、

あまりにも人間的だ。


ただ一つ言えるのは、

この社会は今、

選別を意識しないまま、選別を始めている

ということだけである。


そしてそれを

「仕方がない」と感じてしまう感覚こそが、

この時代の本質なのだろう。

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