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半吸血人間  作者: 華穂
50/58

連鎖

本編最終章開始です。

この章が終了後、エピローグを入れて完結とさせていただきます。


 そこは、黒くて狭い場所だった。

 前後左右上下、どこもかしこも黒くて暗い。いつか見た夢の場所。

 けれど今回は、黒く暗い空間にも関わらず薄っすらと周囲の様子が見回せた。

 黒い空間の中で、自身の輪郭だけが白く光っている。


 そこは、広くない四角の部屋だった。扉も窓もない、ただの直方体の空間。

 そのなにも無い中心に、トオルは立ち尽くしている。

 黒く同化しているはずなのに、なぜかそこにあると分かる壁に触れてみようと一歩踏み出す。すると、足元でじゃりっと音がした。

 なにも無いはずの空間内で鳴った音に、無意識に視線を落とす。


 床は、なにかの破片が足の踏み場もないほどに散らばっていた。

 どうして気付かなかったのか不思議に思うほどの量。反射する光が無いはずなのに、破片が輝く。

 そして、トオルの足から流れる血だまり。血。血?


 これは、本当にトオルの足から流れているものだろうか?


 以前の夢と違い、痛みもない。それに足から流れたにしては、明らかに量が多かった。

 破片が浸り、浮き上がる程の量。足の小指が液体に埋まるほどの量。

 姿を消した、以前の夢で見かけたはずのゴブレット。その代わりのように散らばった破片。

 あの中に入っていたのは、果たして何だったのか。


 どろりとした、冷たい闇に体が沈む。黒い影。同化して、融解して、混ざって、溶けて。

 そうしてなにも無くなれば、少しは変わっていたのだろうか?


 もう、どうでもいいことだけれども。





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