勇者パーティーのその後と狂気の聖女の誕生
世界を二つにするという前代未聞の方法で長きにわたる魔族と人間の戦いは幕を閉じた。
静まりかえった魔王城の中で3人は血眼になってある自分を探していた。
「おいっルナ!アリアの魔力反応はまだみつからねぇーのかっ?」
筋肉隆々の見るからに戦士と言った格好の男は焦りと苛立ちがみえる。
「うるさいわねっ!ライル!さっきの大きな地震ざおさまると同時に反応が消えてたのよっ!それから一度も反応はないわ…」
赤い髪を腰まで伸ばした気の強そうな女は不安を、隠しきれない様子だ。
「アリア様はきっと見つかりますわ。だって今朝約束しましたもの!どこにもいないと!必ず帰ってくると!ニーナを1人にしないといってくださいました!だからきっ…と……みつかりますわ…ぅぅ」
黒い髪の誰もが振り向くような、守ってあげたくなるような容姿の女は涙を堪えながら自分に言い聞かせるように呟いた。
「ここが魔王と戦った部屋だな。雰囲気が違いやがるっ」
その部屋の扉は前に立つもの全てに、重いプレッシャーを放っているかのようだ
「当たり前でしょ、中からすごい量の魔力の残骸が溢れてきてるもの。こんなことなるのは、魔王とアリアの戦いしかないわ」
「きっと中にアリア様はいますわっ!疲れて眠ってしまっているのかもしれませんわ」
「開けるぞ」
「「ええ(はい)」」
ギィギー…バンッッ
「「「アリアッ(様)」」」
「どこだアリア!ん?これは魔王か?」
「そう見たいね、死んでるみたいだけど」
「アリア様はやっぱり魔王に勝ったんですね!さすがです」
ニーナの表情は見るからに明るくなった。魔王が倒れているということはアリアは生きているということだと。
「でもアリアがいねぇーぞ」
「どこいったのよ!もう!勝ったんだったらさっさと戻ってきなさいよ!いつも心配かけるんだからっ」
「まったくだな!アリアの事だから他の魔族を止めに行った
のかもな!ともあれ、今日の酒代はアリア持ちだな!」
「まぁでも、よかったわね。アリアが無事そ「いやっ!なんでぇっ!アリア様」
ニーナの大きな声が魔王の部屋に響いた。
「おいおい!?どうしたんだ?」
「なにかあったの?」
「これ……こんな事って…ひどいよぉありあさまぁ」
2人はニーナの指差す方に目を向けた
「「これって」」
「ったく、アリアのやつ勝手が過ぎるだろ!最後ぐらいちゃんとしろよ!まだお前に言いてぇこともあるのによ!」
「はぁー、ほんといつも勝手よね。別れの挨拶ぐらいして行きなさいよ。アンタにはまだ感謝の言葉も言えてないのに」
「アリア様ーーっ!どうして、どうして私を置いていかれたのですかぁー、ぅぅぅひっく………ぅ」
ライルは冷たい床を殴りつけ、いなくなった友に苛立ちを募らせた。
ルナは最後まで意地を張ってアリアに素直なれなかったことを後悔した。
ニーナは子供のように泣きじゃくった。
悲しみと苛立ちと後悔が支配するのこの部屋でライルが決意したかのように口を開いた。
「よしっ、1発ぶん殴りいくか!」
「はぁ!?どうやって向こうの世界にいくのよ?」
「あいつは向こうの世界からこっち側にきたんだろ?来れたってこと、行けるってこった!道は繋がってるはずだ!」
「道っていったってどうやって探すのよっ!?」
「なんとかなるって!全力で探せば!俺たちは勇者パーティーだぜ!無理難題を乗り越えるなんて日常茶飯事じゃねぇか」
「ふんっ、馬鹿はこれだから困るわね」
「な、なんだとぉ!」
「まぁでも、いい目標ができたわね!ここで後悔してても無意味だし今は全力で探しましょうか」
「おう!ぜってぇーぶん殴ってやるからな!アリア!!」
ニーナはアリアの残したメッセージを光を失った瞳でみつめていた。
「アリア様許さないわ、私を置いて行ったこと。今会いに行きますから少しの間お待ちになっていてください。ふふっふふふふっアリアさま……アリアさま…アリアさま……ふふっ」
「に、にーな?にーなさーん?おーい?」
「こ、これはやばいわね、完璧に行っちゃってるわよあの子」
「どうすよ、これ!」
「知らないわよ、アンタがなんとかしなさいよ!」
「いやいや無理だろ絶対!」
「あれ〜〜?何をこそこそとお話しなさっているのですか〜?早くアリア様に会いにいく方法が探さないといけませんのに〜〜〜ねっ?そうでしょお二人さん?」
「「は、はい!そ、そ、そ、そうであります!ニーナ様!」」
「なら、早く行きますわよ」
こうして残された勇者パーティーはアリアの元へ行くという新たな目標のもと再出発したのであった。
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