VS智也2
「《地獄の業火》」
智也が《獄炎砲》よりも高威力な魔法を放ってくるも俺はそれを避ける、俺はほとんどの攻撃を避けていた
「そんなもんなのか?智也」
「うるせぇ!」
智也が突っ込んでくる、俺は智也の腕を掴み投げ飛ばした
「ぐわっ!」
智也は壁に激突した、だが大してダメージを受けていないだろう
「おいおい、弱過ぎだぞお前」
「うる……せぇ、まだまだこっからだ!」
「降参する気はないのか?」
「そんな気はない!俺は敵を全て殺すまで諦めるつもりはない!」
そうか、ここで降参してくれるならありがたかったのだがする気がないなら仕方ない……圧倒的な実力差を見せつけてお前を殺してやる
「降参する気がないなら、死ね」
そして俺は詠唱を開始する
「時と空間を統べる力を持つ剣よ、我が前に顕現し我に力を与えよ」
「時空剣ラウムツァイト・模造剣」
その瞬間俺の目の前に一本の剣が現れた、片手で扱えるサイズの剣だ、俺はそれを手に取った
「おい、何だその剣は」
「俺の武器だよ……さぁ始めようか」
「へっ、そんな剣一本で俺に敵うと思うなよ」
「《獄炎拳》」
智也は真っ黒い炎を拳に纏わせて俺に突撃してくる、
「《時間停止》」
俺は時を止め智也の背後に回り、時間停止を解除する
「お前の攻撃が当たることはもう無い」
「なめんな!」
智也は連続で殴りかかってきた
「何度攻撃しても結果は一緒だよ」
俺は空間転移、時間停止、時間遅延を駆使して全ての攻撃を回避した
「今度はこっちの番だ」
俺は自分が持つ時空剣を掲げ魔法を発動させる
「《空間射出:流星雨》」
その瞬間上空に巨大なゲートが出現し中から複数隕石が現れ智也に襲い掛かる
「おいおい、お前はこんなこともできんのかよ」
「そんな事言ってないで早く避けないと死ぬぞ〜」
「分かってる!」
智也は必死になって避けている、流石にこの魔法じゃダメか。俺が使った《流星雨》は5発の隕石を相手にぶつける魔法だが、敵の数が多いときに使う魔法で一対一ではあまり役に立たないのだ
「どうだ、全部避け切ってやったぜ」
「よく避けたな智也、それじゃあ次はこれだ」
そして俺は再び剣を掲げる
「《空間射出:神速の槍》」
「ぐわぁぁぁぁ」
唱えた瞬間智也が悲鳴を上げた、俺が放った《神速の槍》は智也の左腕を消し飛ばしていた。この技は圧倒的な速度で槍を発射する、相手が槍を確認したときには既に槍が命中している
「いてぇ、いてぇよ」
片腕消えたのだ、尋常じゃない痛みを感じているだろう
「お前じゃ俺には勝てない、まだやるか?」
「あぁ……俺はもう…戻れないからな」
「あっそ、じゃあ予定通り殺してやるよ」
「やれるものならやってみろ!」
智也は残った右腕に真っ黒な魔力を纏わせて俺を攻撃しようとする
だが、見えない壁によって智也は弾かれた
「言っただろ、お前の攻撃が当たることはない」
時空剣ラウムツァイトの持つ能力の一つでこの剣を持つ者は相手の攻撃を受けない、まぁ強すぎる攻撃なら受けちゃうけど智也程度の攻撃なら俺には届かない
「くそっ、くそっ、くそー!」
何度も何度も右腕で殴ってくるが俺には届かない、そしてそろそろかな
そう俺が思った瞬間
「ぐはっ!」
智也の体から血が大量に流れ智也は倒れた
「お前の負けだ、智也」
「なぜ……だ」
「魔人の力を行使しまくった結果だ。なんの代償もなしに強力な力が手に入ることなんて、あまり無いんだよ」
そして智也は死んだ
「さて、もう結界はいらないかな」
そう言って俺は《隔離結界》を解除した、外には星光とカミラの姿があった
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彼が現れて皆あの場を去っていった、俺も去ろうとしたがやはり彼や智也のことが心配になってしまい広場に戻ろうとしていた
「星光さん!」
声のする方を向くとカミラさんがいた
「カミラさん!?何故ここに、智也の狙いはあなたです早く逃げてください」
「嫌です!確かに私は狙われているかもしれません、でも私を守ってくださる方を最後まで見守りたいのです!」
「……分かりました、俺と一緒に行きましょう」
「はい!」
そして俺たちは広場へと向かった、広場に着くと彼の姿があったその側には血塗れになった智也の姿も
「智也はどうなったんですか?」
俺は彼に問いかける
「見てわからない?死んだよこいつは」
「そう……ですか」
俺は智也の死体を見て涙が出ていた、俺の攻撃で死んだ智也が生き返った時絶望感より嬉しいと言う気持ちが勝っていた、俺は大切な友を殺していなかったと言う嬉しい気持ちでいっぱいだった。でも今の俺は目から涙が出て止まらない
「大丈夫ですか?星光さん」
カミラさんが心配そうに話しかけてくる
「はい……大丈夫です」
そう答えるが実際は大丈夫じゃない、既に心がボロボロだ
そう思っていた時彼がため息混じりに話しかけてきた
「生き返らせてやろうか?」
「そんなことができるのか?」
「今の俺なら可能だが」
そう聞いた時俺は嬉しくなった、また友に会えると思ったからだ
「じゃあお願いします、智也を生き返らせてください」
「あいよ、ただししっかり面倒見てくれよ」
「分かってる、もう同じ事はさせない」
そして彼は剣を掲げ魔法を唱えた
「《時間逆行》」
その瞬間智也の体が光に包まれ傷が無くなっていく、そして完全に傷がなくなった
「さて、俺の仕事は終わりだ」
そして彼は去ろうとする
「待ってください!貴方は一体何者なのですか?」
俺はそう聞く、ずっと気になっていたことだ
「いずれ知る時が来る、その時まで待ってろ」
そして彼は居なくなってしまった
「星光さん、智也さんを運びましょう」
「そうですね」
そして俺たちは智也を部屋へと運ぶ、智也は気絶しているようで目を覚さない、呼吸はしているので生き返っているのだろう
「いずれ知るときが来る……か」
それがいつなのか分からない、でも彼とはもう一度会えそうな気がする
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「《空間転移》」
俺は星光達と別れエルのいる空間へと向かった
「お疲れ様〜明彦君」
「凄い疲れましたよ」
「ふふっ、まぁお茶でも飲みなさい」
そう言うとエルはお茶を取り出し俺に渡してくれた
「ありがとうございます」
「さて、聞きたい事があるんだけど良いかな?」
「大丈夫ですよ、むしろそれが目的ですから」
「それじゃあ早速、貴方が《偽装》で変身した時何故あの姿になったの?しかも私が教えてない魔法まで使ってたし、一体いつから?」
「あなたなら、分かってるんじゃないですか?」
そう俺は答える
「できればあなたの口から聞きたかったんだけどな〜」
「まぁ、別にいっか。オッケー私の考え通りってことで良いのね」
「そうだよ」
「それじゃあ一旦この話はおしまい、もう少し休んでく?」
「いや、もう戻ります。用事は済んだので」
「そっ、また遊びに来てね」
「はい!」
そして俺はエルのいる空間を後にした
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明彦君が去ってすぐ私は呟く
「まさか、こうなっちゃうなんて嬉しいよ、明彦くん」
これから貴方がどう生きていくのか、私は見守ってるからね
「頑張って」