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ひき逃げ

「直ちに停車しなさい!!」二台のパトカーが激しいサイレンを鳴らしながら追ってきた。

「早い!追いつかれちゃう!」鈴鹿はどんどん距離を詰めてくるパトカーを見ながら言った。

「もっとスピードでないの!?」星羅は聞いた。

「これが限界だ!タクシーはガソリンではなく安いガスを燃料に使用しているんだ!最大約130キロしかでない!」セロは怒鳴った。

(まあ、狭い道路だからPITマニューバ〔(車をぶつけて強制停止させる警察テクニック)〕はやらないとは思うが・・・)セロは思った。

「銃で威嚇射撃するわ!」鈴鹿は笑顔で言った。

「リアルグラセフの開始だ!!」星羅は叫んだ。

鈴鹿は体を出し、ピストルを後ろに向けて、構えた。

鈴鹿は運転手に狙いを定め、トリガーを引いた。

乾いた音が出た同時に、後ろのタクシーの後ろ窓ガラスは割れた。

(外したか!やっぱり、本物は違うな!)鈴鹿は三点バーストに切り替えてトリガーを引いた。

警察の追う速度が減少したように見えた。

「おお!引いて行った!やるね!!」星羅は笑顔で言った。

「死ね!!撃てるもんなら撃ってみろ!こっちには人質がいるんだ!」鈴鹿は笑い叫びながら撃った。

「・・・鈴鹿ちゃんてトリガーハッピーだったんだね!」星羅は驚いた。

「いいぞ!もっとやれー!」静は鈴鹿を応援した。

鈴鹿は使い切った弾倉を捨て、ポケットに入っていた新しい弾倉を装填して再び発砲した。

「慣れているね!」星羅はつぶやいた。

「そうだよ!鈴鹿ちゃんは昔から銃大好きだったし!実際に撃ったことあるからね!」静は言った。

「え?それってモデルガンだよね?」

「違うよ!レミントンM750ウッズマスター、本物だよ!」

「え?正式名所言われてもミリオタじゃないから分からないよ。」

「ライフル猟銃か・・・」セロはつぶやいた。

「そう!」

「それを撃ったの!?」

「うん!確か盗んだ猟銃で森の動物を撃っていたら、人に当たってしまったて言ってたよ!」

「盗んだ猟銃で走り出しちゃったか・・・その人は死んだ?」

「うん、死んだらしいよ。」

(そろそろか・・・)セロは減速して病院の前の交差点を曲がった同時に、自転車に乗った女子高校生が走ってくた。

「!?」思わずブレーキを踏みかけたが、何とか踏まずに逆にアクセルを強く踏んだ。

金属がへちゃげる音がした瞬間に、ボンネットに女子高校生が転がり、フロントガラスに後頭部を叩き付けられ、そして転がり落ち、車は一瞬乗りあげた。

「Oh、shit!(約:くそ!)」セロは叫んだ。

「頭が潰れているから多分死んだね。」静は後ろの方を見ながら言った。

「大丈夫だって、今更一人二人殺しても罪は変わらないって!」星羅はセロに向けて笑顔で言った。

「あんな所に、ちんたらちんたら歩いているのが悪いんだよ!!」鈴鹿は不気味に微笑みながら言った。

(・・・鈴鹿ってこういうキャラだったけ?)静は思った。

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