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はだかの王様。1  作者: むん。
1/1

名倉浩一

出会いとは虚しいものである。

何故ならばその前には別れが潜んでいるからだ。

誰かと別れてしまうくらいなら、誰とも出会わない方が良い。

何かを失うぐらいなら、はじめから何も手に入れたくない。

そうやって男は冷たさを感じながら、公園の並木道をとぼとぼと歩いていた。

くしゃくしゃにした紙をポケットに詰め込み、急に歩みをはやくしたかと思うと、白い息を切らす。

「ったく…俺も老いたものだ。ストレス発散のために走る体力もねえってか…。」

ため息をつき胸ポケットを左手で探るが、タバコが見当たらない。

「とことんどん底だな…。」

彼は、くたびれた革靴で落ち葉を踏み歩いて家に帰るしかなかった。





名倉浩一、30歳。生まれは大阪であり、学生時代は進学校に進んでいた。成績はそれなりに良く、運動神経も悪くはなかった。当時は彼女も居たし、洋服作りに夢中になっていた。夢は、「世界をかけるデザイナー」であった。

だが、人間の人生、いつ不幸が訪れるかわからない。それは「あの時努力していたら、もう少し頑張っていれば」というようなタラレバ事だとしてもだ。

まとめてしまうと、彼は「努力」ができなかった。

そのため、親に勘当されてまで受験のために上京したのはいいものの結果は不合格。

それでもなんとか入った大学でそれなりには勉強したが、就職の際、彼が受けた会社のどこからも、彼に採用のお知らせを告げてくれる所はなかった。

大学で知り合って片想いをしていた女性とは何度かデートまでは漕ぎ着けたので思い切って男らしく告白したが、昨日振られてしまった。しかも洋服店でアルバイトをしようと思って受けた面接も、先程不採用の紙をもらってきたところだ。



「まあ、落とされるわな。そりゃ」

彼は都内で1番安いランクの賃貸に住んでいたが、家賃すら払えなかった。また、10日前からガスと電気と水が止められていた。そのため、お風呂に全く入っていなかった。



家に着くと、隣の部屋の住人が男に向かって手招きをしていた。

60代ほどの爺さんなのだが、面倒見がよく、ご飯を賄ってくれた。

お酒も入り、男は爺さんに愚痴をこぼす。

「俺だってねぇ爺さん!こんな人生になるなら地元の大学へ行ってましたよ…えぇ!…クッソ!俺はもうこの世界じゃ生きていけないんだ!…あー…別の世界へ行きてえ…」

いつも寡黙な爺さんだが、今日は珍しく口を開いた。

「…別の世界へ行きたいのかい?」

男は少し驚きながらも、

「ええ。こんな世界じゃ、俺は死んでしまう。」

と答えた。

少し考えるような素振りを見せた爺さんだが、何かを決めたかと思うとおかしかなことを言い出した。

「ならば、別の世界へいかせてあげよう。」

男は爺さん、酔ったな。と思い、

「ええ、お願いしますよぉ〜…」

と話に乗ると、酔いが回った男は眠りについてしまった。

はじめまして。musicaと申します。

初めての小説で、基礎知識も皆無なのですが、素人なりに書いてみました…。

はだかの王様。私はあまり好きでありません。

はだかなんて!!はれんちっ!!

……やばい人ではありません。

さて、人生のどん底だった名倉っちですが、はだかの王様の世界ではどんな人生を歩むのでしょうか?

人間、それなりに生きると後悔することが出てくるのでしょうかね…と疑問を抱きつつ名倉っちの物語を考えました。

彼なりの人生とは、努力とは。

1人の人生を描きます。よろしくお願いします。

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