決着
ちょっと短めです。
「あああああああああ!!!」
小娘が苦しいそうに叫び、剣士共はやってられないと四散して逃げ始めた
しかし、それでは明らかに間に合わない。
その娘がいつ支えきれず光剣を落としてしまってもおかしくはない。そしてその場合、周囲への被害は計り知れない
俺は内力全部防御に回せばどうにかなる。でもゴブリンはダメだ
キラーディアの蹴りとは次元が違う衝撃、ゴブリンでは跡形なく消し飛ばされかねん
光剣はゆらりと揺れ始め、見るには小娘は限界に達しようとしている
迷う場合ではない。俺がやるんだ
覚悟が決めて、俺は全身の内力を限界まで引き上げる
内力にも種類はある。
少林内功、金剛内功、道家心法……数え切れないほど、内功心法の種類があった。
どっちも元は同じだが、表現手法が違うとでも理解してくれればいい
そして俺が修行しているものは、
「無相混元気!」
元々薄く見える内力のオーラが、さらに透明に見えてくる
陽炎に包まれながら、混元気の力がますます強まり、周りの大地も震えだした。
そして混元気は全て両手に集まり、強烈な爆風が荒れ狂うように吹き上げた
どっかの漫画だとそのままぶっぱなすシーンが出てきそうだが、俺はそれでは止めきれないと判断した
転生してわかったことだが、俺の内力は古代おろか、現代の頃よりも薄い。
それは無相という性質上見えにくいという薄いではなく、エネルギーの量として薄いのだ。
飛ばすことには安全性があるが、飛んでいる途中にエネルギーが消耗される恐れがある
ならば直接ぶつかるしか、俺に選択肢がない。
「アアアァァァァアアア!!!!!!」
ようやく小娘の気が枯渇したのか、啼きながら後ろへ倒れ、そのまま光剣は支えをなくし、俺の方向へ落ちてくる
勝負は一瞬、向こう側のエネルギー量こそ勝っているものの、使い方がなっていない
そして中国では弱対強の技はそれこそ星の数ほどある
「ぬおおおおおおおおおお!!!!無相混元気!!!!」
俺は両手をかざし、混元気をバリアとして、その光剣を素手で捕まった
「グギャ!グギャ!」
後ろにゴブリン共が喚いてる気がするが、今は構っている暇はない
ピリピリと、皮膚と肉が焼ける音がする
さすが俺の混元気でも、ダメージを相殺しきれないようだ
でもそれだけで十分
「四両破千斤の技、受けてみやがれ!!!!!!!」
そう吠えながら、俺は力いっぱいでその光剣を後方の湖へと全力投げ出した
少しは遠いが、届かない距離ではない。
結局のところ、俺は今程度の内力量では、全力の混元気でもその光剣を消し飛ばすことが不可能と判断した。
でも落ちてしまったらこの一帯が吹っ飛ぶ。
ならば何もないところに飛ばせばいい、というわけだ。
無論湖の辺にいる生物は全滅するだろうが、そこは仕方ない。
あっちに飛ばすことで、俺の混元気もいくらと光剣にダメージは与えているはずだから、本来の威力の半分くらいしか被害が出ないはずだ
ドーンと、飛ばされた光剣が爆発した。
「うおお!!!なぜこっちに!!!!」
「ギャアあああああ!!!」
残念ながら湖へ走り出した二人の剣士は巻き添えを食らってしまったようだが、そこは想定内。
こっちも爆発の余波でゴブリン共が爆風に吹き飛ばされてるわけだから、おそらくあっちは無事ではすまない。
「お前達、仕事だ、向こうに逃げてた人類の様子見に行ってこい。生きているようならば止めを刺しておけ。」
「グギャ!了解でありますだ!グギャ!」
「グギャグギャ!」
「お前達メスは生き残りのゴブリン達の世話を頼む。後に俺らの仲間となるだろう。しっかりな」
「はいです!嬢ちゃんたち!ついてきな!」
「グギャ~!」
そして俺は逆方向へと睨むと、ゴブリンリーダーが話しかけてきた
「逃げてったやつ、追いますかい?」
「無論だが、そうだな。一つ頼んでいいか?」
「へい!なんなりと。」
「お前はあっち方向を追え、そして……」
「ふむふむ、なるほどですな。分かり申した。ではそのように……あっちのメスはどういたします?」
「縛っておけ。杖を取り上げて、口を塞いでおけ。二体のゴブリンを監視に付ければいい。俺が帰ったあとどうするか決める。」
「あいよ!野郎共、聞こえたな!いけ!魔王さまが戻ってくるまで手出したやつ即ぶっ殺すからな!」
「「グギャグギャ!」」
ゴブリン達に任せてちょっとは荷が重いのではと思ったが
まあ、足の早さだけならば人間にも引けを取らないのがゴブリンだ。
そしてゴブリンは基礎体力も人間より多め、やつらに人間共の武器を持たせているから多分任務遂行くらい問題ない。
さて、一人はゴブリンリーダー達に任せるとして、俺はもう一人始末しにいくか。
ちなみに混元気を全力てぶっぱなせば、どっかの野菜星人のXX波もどぎも出ます。今考えればエネルギーって本当にこういう風に出せるんでしょうかね。出せれば素敵です、妄想が捗りまするな!