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やはりエロゲー仕様ですな


これからの人生、いやオーク生は古代(前世)現代両方記憶もっている俺にとっても未知なる領域


起きかけの記憶混乱もだいぶ治ってきている


そうだ、俺は天地と同化していたら転生させられたんだ


そういう場合なんかマニュアルがあってもいいと思うが


情報が足りない、その一言に尽きるが、情報収集手段はないわけではない


ゴブリンだ


さっきからずっと俺についてきているので、語りかけてみた


グギャとしか鳴かないからどうなるかと思ったら、すんなりグギャ語を理解できた


ご都合仕様か


リーダーゴブリンは中々知識豊富のようで、こいつに大体の知識を教わった


「なら俺たちはどんな獲物を探して食うんだ?」


「大体は一角うさぎか、キラーディア辺ですな。キラーディアは捕まえるの面倒かつ危険なので、今までやったことありませんが」


キラーディア…鹿か。


物騒な名前をしている。が、今更うさぎ狩りしてもな


多分大した大きさではないから、効率いいとは言えない。


ここは鹿一択だろう。前世(古代)ではよく素手でやっていた


「人間を襲うのもいいかもしれませんな!人間は食えませんが、大体美味しいものもっています。そして人間のメスも魔王さまには必要でしょうな」


いきなりハードル高くなったぞ!!!


とは言ってみたものの、俺は別に人間を殺すのに抵抗がない。


前世ではよく素手でヤっていたしな。


しかしやはり魔物は人間とは敵対関係だな。というか


「なぜメス?」


「魔王さまオーク族です。オーク族はオスしかいないんで、どの道他種族のメスがいないと子供が出来ませんぜ?」


「そうデス。人間のメスは気持ちいいデス」


…そうだったのか。この世界、オークにメスがいないんだ。


道理でおれは卵生だったなと、納得してしまう


いや、無理はあるか


「しかしよくも人間の女を襲う気になれるな。」


「当然です、動きが鈍いですからな!」


ようは襲いやすいから人気あると。


メスゴブリンもいるにはいるが、十体のゴブリンには二体しかメスがいない。


そしてその二体もわずかお腹がふっくらと


確かに同種族だけってのは効率悪いかもしれない


つうか、俺だとサイズ的にはそもそもメスゴブリンは無理だ


と、そこにきてふっと思う


俺はどうも魔物視角で物事を考えるようになっているようだ


未だ心の中に人類としての魂の欠片はある


でも大分はオークに染まってしまっている


おそらく、このままだと、俺は人類にとっての災いになってしまう


魔王種としての身体能力、人類だった頃の知能、知識、そして武技


そのまま本能のままいけば、人類は俺が滅ぼしてしまうかもしれない


それは、本当に正しい俺の生き方なのか?


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



エヴォリア大森林の生活もこれで五日目。


生活してみてわかったが、この森の獣や魔物は結構弱い。


「あっちですぜ!魔王さま。キラーディアが十頭も!」


「うむ。いつものの戦術でいくぞ。」


「おうです!」


俺らは王道通り、川の近くに小さな拠点を設置した。


野生動物も、魔物にも水の確保は必要不可欠。


だから、こうしてよく食事が自分からやってくる。


ゴブリンリーダーと会話を交わして、俺は内力を上げて飛び出した。


キラーディア共は水を飲んでいる時でも結構警戒心が高く、すぐに反応した


キラーディアは鋭い角と強健な足が特徴な草食動物。


普通のゴブリンが襲撃をしかけると、あいつらは大体すぐさま蹴りで反撃する。


ゴブリンは魔物の中でも最弱、キラーディアの蹴擊をまともに食らうと最悪死ぬこともある


でも相手は俺のようなオークだと、キラーディアは一転して逃げに徹する。


なぜならオークは硬く攻撃が通りづらい上、足が遅いからだ


そして定石だとここからゴブリンが挟み撃ちしても、キラーディアは反撃しない


オークから逃げることが最優先とされるのだ。


普通こういう場合、十頭の中では八頭くらいは逃げられるだろう。


なんせゴブリンの攻撃力だと足止めしかできない、ダメージほどんどはオーク頼りだからだ。


でも、今度は違う。


「ピー!!!」


俺はキラーディアが速度を出す前に、その一頭の尻尾を掴め、そのまま投げ出した


普通走ろうとしても、すぐに最高スピードに達するわけではない。


内力を利用した俺の瞬間爆発力で一気に距離を詰めれば、奴らが逃げ出すことができなくなる。


投げ出された一頭に巻き込まれ、あと二頭が転んでしまった。


ここだとばかりにゴブリンたちが突撃した。


リーダーを始め、ゴブリン達は半分石で作られたハンマーをもってキラーディアの足を狙って殴る


後方には大量な小石をもっているゴブリン子供やメスゴブリンが援護射撃をしている。


どの道殺しきるのは難しいなら、足止め特化すればいい、という方針だ。


そして俺は軽く鹿の下腹部に手をやり、内力を放出した


大した力を入れていなくとも、鹿は面白いように空に飛んでしまう


もう一発と、空中の鹿の尻に手を当て、内力をぶっぱなす。


鹿はいろんな穴から血を噴き出しながら、回転して逃げてるやつらの尻に爆撃した


キラーディアの群れは状況が理解できず混乱している。


あと三頭逃げている途中だが、心なしかまっすぐには走ってない。


もちろん逃がすつもりは皆無なので、内力を足に集めて俺はもう一度飛んだ。


ドンと、地面にクレーターを作る俺


ジーンと、俺を絶望な眼差しで見つめる鹿共。


悪いな、これも生きるためだ。死んでくれ。


内力満載の拳を握って、俺は最後の三頭を送った


「お疲れ様です!魔王さま!」


「やっぱり魔王さまがいると楽ですグギャ!」


ゴブリン共がグギャグギャと騒ぐ。


最初は10体しかいないが、今は4体の子ゴブリンと3体のはぐれが加入しているので、戦力的にはアップかもしれない


しかし、オークかつ武技や内力を持つ自分と違い、彼らの攻撃力不足は結構深刻な問題だ。


聞けば敵性生物を殺し続ければ存在進化できるとかそういう話はリーダーゴブリンも言っていたが、今のメンバーではまだ進化できた個体がいない


そもそも鹿しか殺してないので、ゲームのようだとまともに経験値入っているかどうかも怪しい


このまま鹿だけを狩っていれば別に大した問題ではないが、相手が他の魔物だと結構きついのではと俺は思っている


俺がいれば大体の敵には負けないとはいえ、味方がやられてしまったらいい気がしない。


こいつらの強化鍛錬は続いているが、効果が薄い。


やはりちゃんとした武器があれば、手っ取り早いかもしれない。


いつも石の簡易ハンマーではな……


「魔王さま!!魔王さま!!」


考え事していると、一番小さい子ゴブリンが慌てて走ってきた


「なんだ?」


「あのね!向こう!すごく大きいゴブリン見つけたの!他の小さなゴブリンをいじめてた!きっと危ないゴブリンだよ!」


大きいゴブリン?聞いたことないな


「ゴブリンに大きい種っていたっけ?」


「魔王さま、ホブゴブリンだと少々大きくはなりますが、すごく大きいとなるとゴブリンジェネラルかゴブリンキングだけですな」


「そうか、やはりそいつらだと強いのか?」


「俺らとレベルが違いますな。しかしこの辺だとホブゴブリンもそうは出てきませんし、そうですな…坊主」


「うん?」


リーダーゴブリンはしばらく考えると、そう言った


「その大きいゴブリンって、皮膚の色は緑なのかね?」


「ううん、見たことない色だよ!」


「やはり…」


「どういうことだ?」


俺の質問に対して、ゴブリンリーダーは恐る恐ると答えた


「おそらく、あいつらは人間ではないかと思います。他のゴブリンをいじめてたってことは、俺らを討伐することが目的かもしれませんな。どうします?魔王さま」


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