人類メグムが語る
私の人生はイージーモードだった。
上流階級の下っ端で生まれ、特に人生に不自由なく生きてきた。
それでいてバカデカイ企業家の息子でもなく、むしろ次男だった私は何も要求されず、ただ甘やかされてばかりだった。
家業なら兄が継いでくれるし、私もなんだかんだて持たないものはあんまりなかった。
顔立ちは兄と違い母に似ていて、男をそう呼ぶのもアレだが、美人の部類だろう。
学業にまったく興味なかったわけだが、授業をサボるわけにもいかずきちんと出ていれば、なぜかテストで95点より下の点数とったことなかったりする
英語だけはどうも理解できなくていつも60点台だけどな。
身体能力方面は特に高いわけじゃないけど、100点満点なら75点という感じで、どんな運動も難なく上達してしまう
顔のおかげで男女問わずモテていて、自分ではまだ恋愛には乗り気でないから、さらにクールってレッテル貼られてギャーギャー騒がれてた。
認めたくないが、少ない友達からいつもリアルチートと呼ばれるわけだ。
ただ普通の人間よりちょっと金持ってて、顔が綺麗で、学業ができて、モテて、すこし運動ができるだけ。
その他は大して違わないのに、幼馴染のやつら以外からは天上人のような扱い
全然幸せじゃない。
むしろ辛い。
きっとイージーモードがダメだと思う。
だから私は引かがった。
商店街のくじ引き。私は真っ黒なやつを引いた。
店員がそんな賞あったっけって顔してたら、奥から「黒は隠し特賞だよ」って声が出てきた
ようやく店員が思い出したかのように、華麗すぎて引くようなプレゼントの箱を渡してきた
中身は店員も知らない時点で怪しさ限界突破だが、まあ、運もいい方なので割と慣れている私は特に疑わずに持って帰った。
帰って開けてみたら、一回り小さい箱が入ってた。
ネタか。
呆れ顔で一つ一つ箱を解体して(ご丁寧に10個の箱の色と装飾が全部違う)、最後のミニサイズ箱を開ける
USBメモリーだった。
なんでやねん。
一応パソコンにいれて確かめてみると、どうやらVR専門のメガネが必要らしい
私はVRメガネをかけて、その内容をチェックした。
「フレシア大陸冒険のご案内。」
VRゲームか。まぁ、アリかな。
「このシステムはまだ未公開のものです。あなたはテスト要員に選ばれました。」
ふむふむ。新しいゲームのテストか。
私はゲームは好き。日常と違い、ここじゃ全員同じスタート地点から始めるからだ。
新しいゲームと聞いてゲーマーの血が疼くというもの。
「利用規約、ガイドラインを必ずお読みください」
「利用規約に同意する イェス ノー 」
うん?手込んでるな……テストだとそういうもんかな?
別にその長そうなのを読む気になれず、そのままイェスを押す私
その不用心さは幸運なのか不幸なのか、今でもよくわからない。
「あなたのアバターを制作いたします。」
アバター?ネトゲ?
あ、いや、そうとも限らないかな。
とりあえずスキャンをクリックし、自分の体そのままアバターにしてみる
「アバターは、一度決定すると再び変更出来なくなります。これでよろしいのでしょうか?」
あ、変更できんの?じゃもうすこし弄ってみるかな
年齢はそのままと。え?性別変更可能なん?
そうだな、私結構興味が乙女っぽいから、いっそのことネカマも一興か……
そうと決まって、ポチッとな。
うん、外見まったく変わらんな!!
アバターの服を脱がし、確認。
おっぱいすごく大きくなった。デフォルトでこれか。弄ったら負けな気がするので放っとく
元々細い腰がさらに、しかしお尻が無駄にデカくなった。うわ、AVは昔幼馴染と一回しか観てなかったんだからよく覚えてないが、女の子ってそういう感じなんだ。
すこし感動してみたり。
細く生えたヒゲが消えて、目尻もすこし下がって、男の時の鋭さが消えて儚さが増えた。
局部のアソコも結構というか、凄いリアリティで再現されている。すげぇ……
それから身長。私の身長が167センチ。もう少し高くしちゃう?ま、男ならともかく、女のコするならそれくらいいいかな。
そして私の髪、長く伸ばしとこう。女のコするんならロングでしょう。
髪色は、と。
ピンクは、ダメだな、それはない。
銀髪とかどうだろうか!結構憧れ、ないな。それも
色々試して結局最後は元の黒に落ち着いた。
仕方なかったんだ!金髪もダメだったんだ!これじゃないって感じだったんだ!
あれ。結局私性別以外あんま変わらなくない?
髪の毛の長さかぁー、ってそれだけ?私どんだけ女顔なわけ?
自分ながら引くわ……ナンパ男のこと責めていられんわ
今度ナンパ遭ったらなるべく優しくしてやろう。無論断るけどな。
「アバターは、一度決定すると再び変更出来なくなります。これでよろしいのでしょうか?」
イェス。
「次は名前をお決めください。」
む、そうだな。私の名前は恵だから、メグムでいいか
「名前は一度決定すると再び変更できなくなります。これでよろしいのでしょうか?」
イェス
「最後にもう一度くじ引きをいたします。これでアバターのスキルが決まります。」
え、結構大切な所を結局くじ引きで決めんの?ま、運はいい方だからいいけど
どれどれ?
虹色。ドアタリの予感
「おめでとうございます、Rスキル自動マッピング、SSRスキル“天眼”、SSRスキル“武術の才能(特大)”、SSRスキル“魔法の才能(特大)”、URスキル“レベル限界突破”を獲得しました。」
スキル質高っ!Rスキルが優秀そうな上、SRがなく全部SSR以上!
最後にウルトラレアまであるとかチートだろう!
まだイージーモードなのか!!
「これで全ての設定が完了いたしました。」
あ、そ。もういいよ、やってみて面白くないならクソゲーって文句言ってやる
「これからの冒険は厳しいものとなるでしょう。本当にシステムを起動させてよろしいでしょうか。」
あ?なんでもう一度念を押すんだろう。
いいってもう。イェス。
「かしこまりました。これからフレシア大陸での人生を、心から祝福させていただきます。」
こうして。私は一度意識を失った。
このコ、本当の意味でチートだけどね。他の作品じゃ主人公で無双しそうだ




