第1話 シューミル=カルラット
初投稿です。ゆっくりやっていきますかな。たぶん。
カミル713年10月8日。
それが、僕の生まれた日だ。
僕はシューミル家次男として生まれた。僕の父シューミル=ジェインは街の警備隊の隊長として働いていた。隊長というだけはあり、剣の腕は上々で、ある程度は部下からも尊敬されているとか、いないとか。そして、母シューミル=ケニスはとても優しい母である。僕の知っている中では一番なのではないだろうか。そして、兄シューミル=フェリタとは3つ離れた尊敬すべき兄である。いつも僕の困っているときには、率先してたすけてくれたものである。
僕は幼少時は近所の子どもと仲良くすごし、父には剣を、母からは魔法を教えてもらい、兄に追いつかんとしながら、日々兄と共に切磋琢磨していた。
僕が16歳となり、成年してからは、剣、魔法ともに街の中でも上位を争うほどの腕前ではあったが、頂点に立てるほどではなかった。僕は、冒険者になりたかったのだが、父母2人の強い反発にあい、その夢を断念せざるを得なかった。
そこで、自分の力をあり余している所に目をつけた父からは王都での学校の先生を勧められた。僕は、自分の力を活かすことができる場所があるのなら、とそこで働くことに決めた。それから、教鞭をとったあと、くる日もくる日も生徒に主に魔法について教え、40を過ぎた頃には、その腕前を認められ、若いながらも校長となることができたのである。しかし、その後も僕の腕前の良さを聞きつけ、この学校にくる者もいたので、変わらず生徒達に魔法を教えていた。60歳で、退職してからも、名誉教員として、週に1、2回ほど学校を訪れ、この老害の生きる糧としていた。
そして、カミル791年3月7日、シューミル=カルラットは死去した。
.....はずだった。
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僕は目が覚めた。死んでしまったはずなのだが、、、。
まだ、生きていたのだろうか。
ここはどこだろう。
首を回して周りを確認しようと思ったが、そんなことはできない。周りがぼやけてはっきりと見えない。目を凝らしてみる。何だろう?あのとてつもなく明るい光は。じっとみていると、だんだんと目が慣れてくる。ようやく、まわりが見渡せるようになると(とはいっても、未だに何故か頭を動かすことはできないのだが)、僕は何か透明な箱(?)のようなものの中に入っていることがわかった。しかも、その回りには多くの人がいて、その内の1人の女性はこちらを心配そうに眺めている。うーん、よくわからない。どうやら僕は寝かせられているらしい。そうこう考えているうちに突然眠気が襲ってきた。あー、眠い。目をこれ以上開けていられない。もう、寝よう。そうして、僕は眠りについた。