~三章~ 「どんなスキルでも頑張ります!」
……翌日、前日に説明が合った様に新入生の『能力鑑定』が始まりました。まずは学園長と司祭様の挨拶が始まり、その後に『能力鑑定』と『スキル』の話が続きました。
ちょっと説明は私には難しかったけど、自分のスキルや能力がどんな物かと、わくわくし胸が高鳴り待ちきれなくなってきました。……それは他の生徒も皆、同じらしく。皆さんそわそわしてます。
……しかも、私勇者ですよ?勇者!きっと凄いスキルや能力に違いありませんよ!
あ、スキルと能力は何かと言うとですね……。まあ、今まさに司祭様が説明してる通りなのだけど……。
私達は10才の時に、『属性鑑定』と『クラス鑑定』を受けました。
そして15才になった後、今日受けるのが『能力鑑定』です。
『能力鑑定』で、その人の『クラススキル』が分かるそうです、別名ジョブスキルとも言うらしいです。そのクラスのスキルなので、皆さん一つずつみたいです。
『スキル鑑定』で、そのクラススキルの内容が分かるそうです。基本複数あり、スキルや個人スキル等と呼ばれています。
んー。分かりやすく説明するとー。例えば、
クラス『鍛治師』クラススキル『鍛治職人』スキル『錬成、鑑定、生成、強化、作成、進化』個人差もあるけど。こんな感じらしいです。うん、難しいね。
さらに司祭様の話は続き、『クラススキル』のランクのお話になりました。
難しいので、だんだん頭がこんがらがってきました。はい。もうちょっと頑張ろう。
クラススキルには、ランクがあり。そのほとんどが『クラス』によってだいたい決まっているらしいです。……ただ、最高ランクである『勇者』や『聖女』等は稀に特別なクラススキル付く事があるんだって。凄い!
こんな感じらしいです。
『ゴッドスキル』『レジェンドスキル』『レアスキル』『ノーマルスキル』計4つで、上級クラス程、良いクラススキルが付きやすく。さらに勇者や聖女だと、レジェンドスキルが付く可能性があるとか……。あ、ゴッドスキルは千年前に一人いたらしいです。
……長くなりましたが、こんな感じです。ちょっと私には難しかったみたいです。あまり気にせず、わくわくしとこう。うん。
司祭様の長い説明が終わり、やっと『能力鑑定』が始まりました、ほんと長かったよ。
能力鑑定の順は、位が高い貴族から順番に受けます。私は『子爵』なので、割りと前の方でした。お義父さんありがとう。
……わくわくして、見てると一番最初に受けた王子が……『レジェンドスキル』だったらしく、瞬く間に大歓声になりました。おー。皆さん拍手してます。私も釣られてぱちぱちします。
次に……あっ。セレナちゃんだ。
セレナちゃんもなんと『レジェンドスキル』またもや大歓声、その後拍手……。凄いね。
そして次の侯爵令嬢さんも『レジェンドスキル』同じく大歓声。そして次の伯爵勇者四人組も……四人共『レジェンドスキル』またもや大歓声に包まれ拍手喝采です。凄い凄い!7人続けてのレジェンドスキルで、皆さん大盛り上がりです。学園長も司祭様も、この学園始まって以来の大快挙!と、喜んでおられました。
……え?次私?ハードル上がりきってません??……いやいや、皆様ご安心を。私も一応勇者のはしくれですよ?7連続レジェンドスキルですよ?大丈夫に決まってます。私もレジェンドスキルですよ、何だったらゴッドスキルの可能性まであったりしちゃいますよ?……ゴッドスキルだったらどうしよう……。どきどき……。
はい、私にもそう思ってた時期がありました。
司祭様の鑑定結果は、果たして……。
………………。
…………あれ?司祭様?
司祭様はなんか険しい顔になってます、えーと……うん?もしかして……レアスキルとか?まさか、ノーマルなんて事は無いよね?……私仮にも勇者だよね?
「ふ、不吉な……なんだこれは……?」
司祭様だけでなく、学園長や他の生徒もざわめき始めました……。えっ、一体なんなの?
「デビルスキル……『厄災の魔女の呪い』 」
「スキル『成長率減少(極大)』『経験値減少(極大)』『スケープゴート』『逃れられない死の呪い』『鑑定』」
……え?デビ……え?
「なんなのだ?この呪われたスキルは……前代未聞だぞ……しかも、厄災の魔女だと……なんたる不吉!」
……え?厄災の魔女ってあの、おとぎ話の……?あれだよね?なんか、二千年前に魔王産み出した魔女だよね、確か。
「『スケープゴート』は、自身の受ける筈のダメージを、半分味方に肩代わりさせるスキル。」
「『逃れられない死の呪い』…………これに至っては鑑定不能だ…………。厄災の魔女による呪い、としか出ぬぞ……。」
司祭様の話が終わり、他の生徒もざわめき出す……。
……ざわざわ。
「え……なんだよ、デビルスキル?」
「初めて聞いたぞ?クラススキルって四種類だけじゃないのか?」
「スキルに、呪いなんてあるのか?マイナスなんてスキル何の役にも立たないスキルなんて不用だろう?」
……ざわざわ。
「厄災の魔女なんて……怖いわ……魔王より恐ろしいじゃない……。」
「てかさ……もうあの子とパーティー組もうなんて人、いないんじゃ……。」
─もうあの子とパーティー組もうなんて人、いないんじゃ……。
……え。私誰ともパーティー組んでもらえないの?……そうか、私のダメージが半分、同じパーティーの人に行っちゃうんだ……。そりゃあ誰だってイヤだよね……。
……私は悲しくなり、泣きそうになりました。ぐすん。
まさか、ノーマルスキルの下があるなんて……誰も予想さえ、出来なかっただろう。
「私これから、どうなっちゃうの?」