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~一章~ 「孤児だけど頑張ります!」

「……信じて……くれるんですか??」

おずおずと、訪ねるイズミ。

「……うーん。半分程度わね。」

そう言いながらも、半信半疑な……。うん、半信半疑だ。あってる。

……イズミは、とりあえず今までの経由を説明した。自分はこの学園生活の三年間を過ごし、そして魔王軍との戦いに敗れ、そして死んだ事を……。

「うーん。」

あれこれ考えては、首を傾げるユミリア。を心配そうに見つめるイズミ。

「うーん……まあ、貴方のスキルが『かなり』謎なのと。……あと、レベルね。」

……やはり、私のスキルの『特異』さもあり、多少なりとも信じてもらえた様です。で、レベル。

「貴方昨日の時点では、レベル1だったものね。」

その通り。私は入学当初は、たしかに勇者レベル1だった。で、今はなんと……『レベル17』

「恐らく私達、一年生の中では一番高いわ」

そう、確か入学時点で一番レベルが高いのがユミリアさんだったはず。レベルは確か……14だったかな?

────────────。

しばしの沈黙の後。

「それにしても、そんなに魔王は強かったの?」

「学園生徒、王国軍。全てでも敵わなかったなんて……。」

私は今までの経由をざっくりと説明しただけであって。学園生活の事や、魔王軍との戦いをそこまで詳しく説明していなかった。正しくは、魔王に辿り着けもしなかった。

「これから先の事を、ある程度分かるなら何か対策が出来るかもしれないわね。」

「詳しく聞かせてもらえるかしら?」

……。

──────────。

私は、ハッとなった。た、確かに。このまま何もしなければ、同じ未来を辿るかも知れない。でも、前の知識があれば何とか未来を変えることが出来るかもしれない……。

「わっ、わかりましたぁ!」

「それではえーと、えーと。あれはまだ私が10才の頃……。」

「そこからなの!?」

ユミリアは、びっくりしながらも微笑んだ……。


───────────。

時は遡り、5年前……。いや、正確には3年間の学園生活を含め、8年前なのですが……。

─それは、置いといて─

私が10才の頃のお話。私がまだ孤児院で生活していた時に遡ります、はい。

結構いい孤児院でした。院長先生は優しいし、友達も沢山。ご飯も美味しいし。特に不自由なく生活出来ました。今ではいい思いでです。私は物心つく以前から孤児にいましたので。それ以前の事は全く分かりません。気にならないと言えば嘘にになるけど……。まあ、そこはまた後ほど……。

孤児院ではお勉強の時間もありました。この世界の事、この国の事、他国の事。……そして、魔族の事。

この国……いえ、この大陸の魔族はとても強く、そしてとても恐ろしく。この大陸の全ての国の人々は、人間同士で争わずに皆で協力して、魔族と戦う事を決めた事。

その為に色々、各王国は頑張ったらしいのですが。10才の私には難しくて、分かりません。はい。

うーん。私達に関係ある話だけでいいかな。

まあ要するに、魔族と戦う為に優秀な人材を確保して、貴族や王族の養子に迎えたりするらしいのです。

魔族との戦いは、主に貴族や騎士のお仕事みたいです。

と、言うわけで、明日。私達も10才になり、教会から偉い司祭様がやって来て、「属性」と「クラス適性」を調べてもらえるらしいです。

おー。……楽しみ。

私はわくわくして、ちょっとしか……。はい、ぐっすり寝てました。

──翌日。

孤児院に司祭様や教会の人達が沢山がやって来て、今年で10才を迎える(私含め)子供達が一室にあつめられました。約25人くらい。

最初に司祭様の挨拶があり。その後、お付きの人の説明が始まりました。ちょっと難しい内容のお話でしたが……。

人間には、それぞれ「守護属性」があるみたいなんです。守護属性……?

ふーむ。よく分からないや。

──難しいお話は続きます。

「『火』属性。……火の攻撃魔法と火の補助魔法が使用出来ます。一番多くの人が宿す属性で、約4割の人はこの火属性になります。」

……火の攻撃魔法だって!かっこいいかも!

「『土』属性。……土の攻撃魔法と土の補助魔法が使用出来ます。火属性と比べ、攻撃より補助魔法寄りで、約3割の人はこの土属性になります。」

……土?土って地面の土?うーん。

「『風』属性。……風の攻撃魔法と風の補助魔法。そして風の回復魔法が使えます。約2割の人はこの属性になります。回復魔法を使用出来る優秀な属性になります。」

……優秀なんだって。おー。

「『水』属性。……水の攻撃魔法と水の補助魔法。そして水の回復魔法が使えます。約1割の人しかいない貴重な属性になります。攻撃魔法は他の属性より劣りますが、回復魔法寄りでとても優秀な属性になります。」

……とても優秀なんだって。凄いね。

「『光』属性。……攻撃魔法、補助魔法、回復魔法。全て使用出来、さらに全て高水準な上位互換の属性になります。1万人に1人しかいないとても貴重な属性になります。」

……なんか凄そう。

「『闇』属性。……。攻撃魔法と補助魔法が使用出来ます。回復魔法は使えませんが、魔法の性能は他の属性よりも高く、10万人に1人しかいない大変貴重な属性になります。」

……えーと、一、十、百、……えーと。

「以上が、守護属性。……六属性になります。」

……話はまだ続きましたが、難しかったので簡単にまとめると…………。光、闇はもちろんの事。回復魔法が使える水と風は貴重みたいで、貴族から養子の話が来たりして、貴族になれるかも?だそうです。……クラス適正にもよるそうですが。

───続いて、「クラス適正」のお話。

クラスは全部で4クラスあるみたいです。

Sクラス「勇者、聖女」

Aクラス「剣聖、賢者等」

Bクラス「戦士、魔法使い等」

Cクラス「錬金術師、鑑定士等」

……で、同じく。SやAクラスだと、貴族になれるかも?だそうです。

……。

話が終わり、周りの子供達がわいわいと騒ぎだし始めました。

……私もですが、周りの他の子達も、自分がどんな適性か?どんな属性か?わくわくみたいです。


───準備が出来たようなので、名前を呼ばれた人から順番に適性検査を受けます。なんかキレイな水晶玉置いてある……。あれで分かるのかな?……凄くキレイ。

……適性検査で結果が出る度に、子供達がはしゃいだり「おー!」と、声が上がったり、また落胆の声が……。落胆?ってほどでもないか。皆だいたい一緒だし、そこまで差は無いので。ただAランクのクラス適性や風や水といった属性の子達はニコニコです。

───────そんな中。

──「クラス適性『聖女』!『光属性』!!」

そう告げられた少女は可愛く飛び上がって喜んでます。司祭様や、他の教会の人もかなり驚いている様子……。

「至急、国王陛下に連絡を!!」

……うーん。思ったより大事?何万人に1人だったっけ?うーん。

大きなどよめき、教会の人達もかなり大慌ての様子……。……の中、次私。うん。ハードル上がってない?上がってないかな?次は荷が重いよ。だって司祭様が、

「光の聖女様!!」

─────────って言ってるヨ。光の聖女様の次、私。うん、大変。これで変なのだったらどうしよう……?まあ、変なのなんて無いんだけど…………。

「無!?」

─────────。

なんか……。なにやら司祭様達が皆、首をかしげてポカンとしてます。え?何……どしたの?皆様。

「無……ってあれか?……いや。」

「『無』なのか……それとも『なし』なのか……。」

なんか、ざわざわしてます。はい。なんだかよくわからない。どういう事?もしかしてハズレ?

「無等、今まで全く前例が無いぞ?……いや、もしかしたら前例が無いだけで貴重な属性なのかも知れぬ。……そして。」

……そして、何?

「クラス適性『勇者』!!」

先ほどと同様、大きなどよめき。と、司祭様や教会の人達も驚いてます。

「光の聖女様。次は勇者!なんたる行幸、いや神の奇跡!……いや!!」

なんだか大騒ぎです。……私が勇者?なんだか凄くない!?司祭様達だけではなく、子供達も大はしゃぎです。皆、私に凄いって言ってくれて……。私はとっても嬉しかったです。これから私は勇者として、希望に満ちた明るい未来が待っている!そう確信しました!はい。いや、そうに違いない!!


─────────────。

はい。そう思ってた時期が私にもありました。ありがとうございました。いえいえ。


─────数日後。

まだ、この時期は希望に満ち溢れた私達の前に沢山の貴族の人達が集まりました。

なんか、沢山キラキラした服の人がいます。初めて見ました。うん。

──先日、話にもあった。貴族の養子の件。らしいです。

貴族の人達が沢山集まり、こちらをずっと見てます……。うん?なんだろ?この時の私達には分かりませんでしたが。なんか順番があるそうです。貴族の序列の順番。うん、よくわからない。

そしてしばらくすると、貴族の人。一人ひとり挨拶が始まりました。ながーい挨拶が終わると……。

「光の聖女様はどちらですかな?」

すると1人の女の子が、そろりと手を上げます。光の聖女様。私の友達でもある、セレナちゃん。

どうやらセレナちゃんは、貴族の仲間入りが決まったみたいです。まあ……光の聖女様だしねっ。凄いね、セレナちゃん。

しかし、沢山貴族がいるのに何故かセレナちゃんの前に来たのは三人だけでした。なんだろ?他の貴族の人は??

「私の屋敷に来る気はないかね?」

「いや、いや。私の所に!」

「いや、来るならもちろん私の所が一番だよ?」

セレナちゃんは困った顔をしながらも、しばらくすると1人の貴族の手を取りました。どうやらセレナちゃんは、その人に決めたようです。

選ばれなかった他の二人の貴族はかなりガッカリ。後で知りましたが。セレナちゃんが選んだ人は公爵様。三人の中で一番位が高い貴族の人でした。セレナちゃんやりますな。

──その後、次。貴族の人達は私の所に来ました。うん。今度は沢山。……なんで?

後で知りましたが。貴族の序列がなんやかんやで……。難しいね。

公爵様や侯爵様がいたら遠慮しないといけないみたいです。うん、難しいね。

私の所に沢山の人が来したが。私はあまりよくわからないので、とりあえず一番いい人そうな貴族の人を選びました……。


───────────と、言うわけで。明日から私も貴族の「お嬢様ですが頑張ります!」

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レベル17は高レベルなんですね。 属性ごとに希少度がある程度決まっているのは、世知辛い気もします。けど、努力で挽回出来るのかな? その辺りの世界観も楽しみ。 いきなりの超レア属性とクラス適正。 これは…
魔神様 改めて作者名を確認しました。 間違いありませんでした。 やっぱり五十嵐さんシリーズとは作風が違うように思いました(^_^; 作品のジャンルがホラーと違うから? でも文章の流れがさすが魔神様…
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