File4 【小説】ほんまにオレはアホやろか
【情報】
著者:水木しげる
刊行:1978年9月/ポプラ社
【あらすじ】(講談社文庫より)
子供の頃から勉強嫌い。就職してもすぐにクビ。戦争で片腕を失い、九死に一生を得るも赤貧時代が待っていた。
だけどクヨクヨする必要はない。それはそれなり、救いがあるものなのだ。激動の昭和史と重ねつつ、『テレビくん』で講談社児童まんが賞受賞までを綴ったおとぼけ自伝。読めば元気がわくこと必死!
【コメント】
読み終わった時に、「水木しげる」さんってこういう方だったんだと衝撃が走りました。
「戦争体験者、それを踏まえてそこで見た地獄を妖怪に例えて書いた」みたいな説明を小学生の頃にされた覚えはあるんですよ(うろ覚えなので内容が違うかもしれません。実際地味に違ってますし)
元から、水木しげるさん妖怪好きなんですね。
どうりでですよ。妖怪愛炸裂してますもの(笑)
そんな戯言は置いておき。
戦争体験者という言葉から、すごく悲惨な人生を送ってきたのだろうとか、大変な人生だったんだろうという感想を持たれるかもしれません。
たしかに、自分たちの尺度から考えたら戦争中も戦後も大変ですし、水木しげるさん自身の語りでも大変さがにじみ出てます。
ですが、なぜかユーモアある楽しく読めるエッセイなんです。
戦争で片腕を失われてしまった、戦後も赤貧時代。明らかに大変な状況であるに関わらず、明るいお方なんだなと感じました。
その大変さは書いてありますが、何とかなる、のような思考が水木しげるさん自身にあって、何故か不安にならない。
解説の方も言っていた通り、「水木しげるさんはユーモアある面白い方だ」と。
全くその通りだと思います。
私は何一つわかりませんが、このエッセイを読んだ時に、今までのイメージが覆され、「面白くて愛される方だな」と思いましたもの。
そんな水木しげるさんの書く文章はどこか元気をいただけるものがあります。
ぜひ皆様も元気もらってきてください。
(多分すでに読んでいる方が多いと思いますが好きなので紹介させていただきました)
今まで何一つ鬼太郎に興味なかった人間が水木しげるさんのエッセイを読み漁り、原作まで借り、墓場鬼太郎を観る。鬼太郎の世界観に徐々に浸かってきている感じがします。
これからもずーっと浸っていきたいです。
ゲゲゲの鬼太郎に、ゲゲゲの謎に、水木しげるさんの本に、出会えて良かったです。
お読みいただきありがとうございました。