堕
依頼者:カーショ村落 共同体
“われらの住むジフン山に巨大 総合ダムが建設されることになり、期日までに山から立ち退くように と、領府から一方的な通達があった。このまま行けば、われらの村は わずかな立ち退き料と引き換えにダムの底に沈むこと となる。
当初の計画では、自然 破壊を避けるため、要所 要所に砂防ダムや貯水地・遊水池を設け、また、それらが水害で壊れても、容易に復旧 可能という話だった。
逆に言えば、手間がかかる割りに 建設費や維持費が低予算で済む為、派手な中抜きが出来ず、旨味がない。
それを面白く思わない者達が計画を強引に変更、様々な機能を合わせ持つ総合ダムを建設することにしたようだ。
現在、強制立ち退きに抵抗するため、村の若い者たちがバリケードを設置しているが、治安 部隊の手にかかれば ひとたまり も ないだろう。
たいした報酬は出せないが、あなた方を置いて頼れる相手も いない。
治安 部隊を撃退してくれ。”
前金 0圓
後金 8,000圓
作戦 領域 ジフン山 村落 入口広場
作戦 予定 時刻 2日後 10:00
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「治安 部隊のメカを確認…… 広場から数十メートル」
『見えた』
『警棒と盾ばっかだな……』
見た限り、重火器を携行したメカはいない。
向こうも こちらを発見したのか、盾と警棒を構えるのが見える。
「今こそ!」
『トリ足の力!』
『見せる時!』
腰を屈め、足に装着した補助ホバー起動。
『『「ジェット ストリーム、クラ~ッシュ!!!」』』
「ウイング パンチ!」
『バード キック!』
『キツツキ アタック!』
ホバー走行と鳥足ジャンプを織り交ぜ翻弄。
ただし、パイロットのいる操縦席や、破壊すると撤退に支障を来たす脚部は狙わない。
狙うのは、あくまで頭・肩・腕だ。
(依頼は あくまで撃退……)
ヘタに重傷者を出せば、あの反 体制派がやられた時と同様、ガチの殺し合いだ。戦って負けることはないだろうが、手加減して勝てる相手でもない。
(罪のない公僕を 手に かけたくは ないしなぁ……)
治安 部隊とて、こんな時は我々ヴィータが出てくると分かっていた だろうに……。知らぬふりで軽装で来させるあたり、上に話の分かるタヌキがいるらしい。
ほどほどに やり合って、損害が無視できなくなった頃合いに撤退するつもりだろう。このまま 何もなければ、あとは政治の問題だ。
そう、何もなければ──
《こちら カラス、軍のメカを確認。狙撃型だ》
(やはり、おいでなすったか……)
利権のある所、暴力ありだ。
「了解。カラス、処理は任せる。あとで魚拓を頼む」
《分かっている。なかなか ない機会だからな……》
侯爵領から仕入れた最新のレーザー兵器、今回も投入してくると見込んでいたが……。
(ビンゴだな)
カラスたちが得意の近接戦で軍のメカを処理し銀 古印を接収。こちらは、それをジョーカー コインに魚拓させてもらう。
今回、損するのは軍だけだ。
(結果的にだが、おいしい仕事になったな……)
山と言ったら、富士山!
富士山と言ったら、静岡県!……と、山梨県。
静岡
→シズオカ
→カ・シズオ
→カーショ