17歳美少女剣士から見て、小説家になろうって別に気持ち悪くないわよ?
私の名前はエリーゼ・エクシーズ。
カーガイルという世界にあるルータス王国って所で、女王のお仕事をしているわ。
チビッ子? 失礼ね。私はもう17歳。
このルータス王国では成人よ?
背はひっくいけど、出る所は結構出てるのよ?
17歳なのに女王なのよ? 大変なのよ? みんなもっと私を労って。
仕事もうホントにめんどくさい!
やる気なんてゾウリムシほども無いわ。
今日も執務室の机の上に書類の束がデデーンと積み上がっていて、「早く決裁しろ~」と、私を見下ろしながらプレッシャーをかけてくるの。
得意の剣で縦にぶった斬ってやったら、さぞかしスッキリするでしょうね。
そんな風に忙しい日常の中で、癒しになっている時間。
お手洗いに行くついでに、こっそりサボって見ているのが、ウチの「ゴーレム使い」が開発した魔道具、スマートフォンの画面。
それを使って地球のインターネットに接続し、「WEB小説」っていうのを読んでいるの。
最近1番お気に入りのサイトは、「小説家になろう」ね。
私、最近ある人の影響で、「ボーイズラブ」っていうジャンルに目覚めたの。
いいわよね! BL!
こういうのを、ネットスラングで「尊い」って言うんでしょ?
「ボーイズラブ」のキーワードで検索しているばかりじゃないわ。
他のジャンルも読んでいるわよ。
でね、こないだランキングをダーってスクロールさせている時に、ちょっと目に付いた言葉があったの。
「小説家になろう」、「気持ち悪い」。
え? なんで?
「小説家になろう」いいじゃない。最高じゃない。
こんなに色々なジャンルの物語を読む事ができるのよ?
しかもタダなのよ?
気になったんで、そのエッセイを覗いてみたの。
ははぁ~、なるほど、なるほど。
ハーレムが気持ち悪いのね。
こういう考え方、珍しくはないわ。
私の治めるルータス王国は、一夫多妻、多夫一妻OKの国。
だけどお隣のリースディア帝国は皇帝以外、厳格な一夫一妻制なの。
帝国の人からは、「ルータス王国民の考え方は理解できない、気持ち悪い」って言われた事もあるわ。
それじゃ、おたくの皇帝陛下は何なのよ?
結局の所、育ってきた環境ね。
長い事積み上げてきた価値観と違うものを突き付けられたら、気持ち悪いと感じるのが人ってもんよ。
ウチの「ゴーレム使い」も、日本っていう一夫一妻制の国に生まれたから、ハーレムには抵抗があるみたいね。
もっともアイツの場合は、「複数の女の子と付き合ったりしたら、趣味につぎ込む時間が無くなる」って思っている節があるわ。
アイツみたいに、男だって全員がハーレム好きなわけじゃないのよ?
「あなたしか見えない!」みたいな物語の主人公が好きって野郎もいるわ。
それにハーレムって一括りにされているけど、いろんなハーレムがあるからね。
この「小説家になろう」では、複数のヒロインと同時に結ばれる物語が多いみたいね。
お父様と同じパターン。
私の母を含めて、妃が4人もいたの。
でもそれで、お父様の事を気持ち悪いとは思わなかったわ。
だってそれが、この王国では当たり前の事だったから。
地球でも、一夫多妻制の国ってあるらしいじゃない?
きっとそんな国の女性から見たら、日本の男は1人の女性しか養えない、甲斐性なしに見えるんでしょうね。「ゴーレム使い」の甲斐性なし!
男主人公が複数のヒロインにモテるけど、最終的には1人の女の子を選ぶっていうのも、ハーレムものの1種でしょうね。
私達の作者は、このパターンが好きみたい。
中途半端な男ね。
作者は読者に回る時、ハーレム大好きでもハーレム絶対許せないマンでもなく、「ハーレムにうるさい男」なの。
注文がやたら多いのよ。
やれ、人数が多過ぎるとキャラを把握できないから嫌だとか、ヒロインそれぞれとの恋愛が緻密に描かれていないと燃えないだとか……。
「グ●イラット家みたいなハーレムが理想です!」
なんて、意味のわからない事を力説していたわ。
かと思えば、
「ス●ルはエ●リアたん一筋じゃなきゃ嫌だー!」
なんてほざいて、スバ●ハーレム推進派の奥さん、妹さん達から総攻撃を食らっていたわね。
そう、ポイントはここよ。
女だって、無条件でハーレム嫌いなわけじゃないの。
私達女の子が「小説家になろう」のハーレム作品で違和感を感じるのは、「なんでそれで主人公に好意を抱くの?」って所。
そりゃあチート能力とか持ってて、もの凄く強くって、ピンチの時に助けてくれたら、それなりに好感度は上がるわよ?
でもそれだけじゃねえ……。
優しさとか戦闘力以外の頼もしさとか、そういうのも大事よ?
あと、主人公に惚れる過程。
「そりゃ惚れるわ!」
っていうようなエピソードがあると、ハーレムでもそれなりに納得できるもんよ。
「気持ち悪い」って言う人は、こういうのをすっ飛ばしてベタ惚れするヒロイン達に、違和感を感じるからじゃないかしら?
だからってこういう惚れるまでの過程や、じれじれ展開をやたら濃厚に書いちゃうと、男性読者は「かったり~」と思って離脱しちゃうかもしれないわね。
男って本当に単純で、バカな生き物なのよ。
仕方ないわ。
そのくせナイーブな所もあるもんだから「気持ち悪い」とか「甲斐性なし」とか「豚野郎」とか言われたら、落ち込んだり、逆上しちゃったりするの。
え? そこまで言ってないって?
と……、とにかく、もうちょっと優しくしてあげてね。
でもね、結構な頻度でハーレム作品が目に付くこの現状に、嫌気が差している人の気分も、ちょっとわかる。
見たくないものを、むりやり見せられたくないって思いはできるだけ尊重したいわね。
自分の性癖は、誰かの地雷って言葉もあるぐらいだしね。
昔、作者も、お友達からマニアックな性癖のビデオを勧められて、困った事があるらしいわ。
地球の有名な独裁者と、同じ性癖のヤツだと言えば分かるかしら?
私もBL好きだけど、苦手な人もいるわよね?
もちろん面と向かって「腐女子マジきめぇ」とか言われた日にゃ、そいつを原形留めなくなるまで魔剣で切り刻んで、電磁加速砲に詰め込んで大陸外に射出してやる。
苦手な人がいるからって、そういうジャンルを別ランキングに隔離してしまったりするのは、何か違うと思うの。
隔離されちゃった人からすると、自分の人格まで否定されちゃった気がして寂しいわよね?
なろうを捨てて、別のサイトに移っちゃうかもしれないわ。
人が減れば、サイト閉鎖だってあり得る。
運営さんだって、慈善事業でやってるわけじゃないの。
「ボーイズラブ」、「ガールズラブ」みたいに、必須キーワード化ぐらいならいいかもね。
好きな人はその作品に辿り着きやすくなるし、見たくない人は検索除外にできるわ。
いい? ハーレム好きな人も嫌いな人もよく聞いて。
このサイトの名前は、「小説家になろう」よ。
私はこの名前って、「プロの小説家になるために、研鑽を積むサイト」って意味じゃないと思う。
「誰でも簡単に小説家として、作品を世に出せるサイトですよ」って解釈してる。
小説って作者の性癖……っていうと、聞こえが悪いわね。
作者の「好き」を凝縮して、他の人が触れられるよう、形にしたものだと思ってる。
ハーレムが好き、一途な純愛が好き、悲恋が好き、俺TUEEEが好き、努力して強くなる話が好き、弱くても機転で勝ち抜く話が好き、薔薇が好き、百合が好き、ファンタジーが好き、ロボが好き。
数え切れない沢山の「好き」が、ここには集まっている。
そしてそれは別の誰かの「好き」と出会って、広まり、また新しい「好き」が生まれる。
どう? このサイトって気持ち悪い? ステキな場所じゃない?
だから今日も私は、女王の仕事をサボってなろうにアクセスするの。
……あ、誰か文官が呼びに来た。
いつまでトイレに籠ってるのかって?
もうちょっと、もうちょっとだけ……。
このエッセイに共感した人は、下のボタンから評価ボタンをポチっと……なんかしなくていいわ。
そんな事より自分の好きな作品を評価したり、感想書いてあげたりしなさい。
作者連中はとっとと執筆に戻るのよ。
私が活躍する「解放のゴーレム使い~ロボはゴーレムに入りますか?~」のリンクを下に貼っておくわ。
作者の性癖が凝縮されている変態作よ。