第25章『魔剣』
僕は男の持っていた魔剣を掴み取って構えた。これを使えば僕は無敵に……
「それをよこすんだのぅ!」
「わかりました」
僕がダリアタルに魔剣を渡そうとしたその時。
この魔剣は……生きているッ!
この剣の記憶が見えた。
それは何千何万年も前のことから始まった。
魔剣は初代魔王(現在の魔王の127代前)が生まれたのと同時に生まれた。
初代魔王はこの星ではなく、別の星で生まれて、この星を作った。
この魔剣は……星と同じエネルギーを持っている……。
最初に使ったのは初代魔王を倒した後に『金の刃』と呼ばれる勇者だった。
金の刃は途轍もない魔力を使い、一度世界を滅ぼしたという。ただその後、滅びた世界、魔界とはもう一つ別の世界を作ろうとする。それは龍神と呼ばれる四天王『龍』の中で最も力がある龍が行った。
初代魔王がやられた直後の世界を再編した。その世界は魔人やモンスターが住み着く世界となり、現段階ではその道は開かれていない。
魔王二世は魔界から生まれた。新しい世界を作る際に必要となった無限に限りなく近いエネルギーによって、初代魔王ほどではなくとも、途方もなく強い魔王が生まれた。
その魔王を退治したのは金の刃の子孫だった。金の刃の子孫は、魔剣を巧みに操り、何と1人で魔王二世を倒したという。
その後も金の刃の子孫が魔王を倒し続け、遂に数あった魔王の卵は最後の1つとなった。とは言っても、この卵は魔王が死んだときのエネルギーをかき集めて作ったもの。今までの魔王とは比べ物にならないほど弱い魔王が生まれた。
それが今の魔王。
その魔王を退治しようとした少年はやはり金の刃の子孫だった。タクと言うその少年は2人の仲間と共に、最後の魔王を倒そうと努力し、旅をしていた。
そんな中、出会ったのは魔王の手下、四天王『魔王』のうちの1人、ダリアタルだった。
少年の仲間のうちの1人はダリアタルに乗っ取られ、最強で最悪のモンスター、狂気になりはててしまった。
少年はその狂気に、殺された。
これって……僕らの事……⁉ そうだ……僕はダリアタル様を倒すために……ここに来たんだ……!
ダリアタルッ!
「ダリアタル! この剣を渡すわけには行かない」
「な……生意気なんだのぅ! 死ねだのぅ! 殺すのぅ!」
「今のあなたに僕を殺せるわけがない」
「うかつだったのぅ……そもそもなぜ正気に戻っているのぅ⁉」
「正気じゃない。今もまだ、狂気の狂ってるよッ!」
「な……」
「殺されたくなければタクとハユを生き返らせろ!」
「それは無理なお願い、だのぅ……」
「じゃあ殺す!」
「違うんだのぅ……私の魔力では人を生き返らせることなんてとてもできないんだのぅ……! その魔剣があればまだ……」
「わかった。この魔剣はしばらく貸そう。ただ少しでも逃げたり剣を奪おうとしたらすぐに殺す」
僕はダリアタルの首に剣を当てた。
「わかってるのぅ! では行くのぅ!」
ダリアタルは僕にはよくわからない術式を唱え始める。
もちろん最初はダリアタルにこの剣を使わせる事はためらったさ。ただ、この剣は絶対に悪いことはしない。剣を信じている。金の刃、そしてタクたちと共に魔王を退治してきたこの剣は、決して間違った使い方はできない事を、確信したから。
こればっかしは君も魔剣の記憶を見なきゃわからないね。ただ見れば必ず、僕のこの気持ちを理解することができる。
ダリアタルは術式を唱え終わったよう。大きくいきを吸って、
「よみがえれ! 死者たちよ! 不意にも命を落とした悲しき魂よ! 今、ここにて魔剣が体に戻り、生命を再開することを許可するッ!」
と、今までで最も大きい声で言った。
辺りは白い光に包まれる。
そしてタクとハユの傷は癒やされた。
「ガト……なんで俺が生き返ってんだ」
「まさかダリアタルが⁉」
「そうだよ。さあダリアタル。その剣を返して」
「誰がそんなことするかバカ! だのぅ。これはもう私のものだのぅ!」
「はぁ……こうなる事は予想してたし、さっさと片付けよっか」
「だな!」
「そうね!」
「今日は一旦逃げるんだのぅ!」
「逃さないよッ!」
僕は音速でダリアタルの腕を切り落とした。
魔剣に青い血がつく。
「よしっと。取り敢えず魔剣は奪えたね!」
「貴様ら……!」
「じゃあ、殺すとしようか!」
「「「これが最後の……ダリアタルとの戦いだッ!」」」
今回はとても長いお話でしたね。
ハイ! もう最終的にご都合主義に頼るしかありませんでした! ごめんさい!
ですが内容はかなり濃かったのではないでしょうか?
トラゴンボール(?)とかと違って進むのは早いんです。
前作に章数は大分追いついてきましたがお話はまだ全然ですね。今回はかなり長いですッ! まあいいじゃないですか。
本文も長かったのでせっかく出し、あとがきも長くしましょうと思いましたが、もうそろそろ投稿しないと時間がまずいので今日はこの辺で! さようなら!




