第二百五十四章 陽子、博士の策略に填まる
次第にコスモスも地球へ来る事が少なくなっていました。そんなある日、フジコから菊枝や陽子達全員に、緊急連絡がありました。
「暗黒星雲の謎の帝国が、塩を大量に入手する為に、多くの星雲の惑星を襲っています。地球も攻撃対象になっていますが、襲われている惑星が多過ぎます。地球まで応援に行けません。地球は菊枝さん達にお願いします。」と連絡がありました。
影の大ボスから、「強力な不良グループと交戦状態になりました。実戦は表のボスの縄張りなので、今後アヤメが指揮を取り対応するように。」とアヤメに連絡があり、コスモス達も巻き込み交戦状態にあった為に、アヤメは地球に危機が迫っている事に気付きませんでした。
地球ではフジコから連絡を受けた陽子が、戦闘艦で調査した結果、三方向から、謎の艦隊が地球に接近している事に気付きました。
テレジア星人の能力が強い、菊枝・陽子・渚で太陽系の外で対抗し、他の者は太陽系内部で戦闘態勢をとり待機する事になりました。戦力は不明でしたので、今回は乗り切れても、今後再び攻撃される可能性もある為に、陽子は、実戦経験豊富なアヤメの特訓を受けている菊枝には、今後も地球を守って貰わなければならないし、娘の渚にも危険な事はさせたくなかった為に、その中で一番強力だと思われる艦隊を陽子が担当して、このことは菊枝と渚には内緒にして三人で夫々、戦闘艦に乗り込み、発進して行きました。
敵と遭遇して、激しい交戦状態になりましたが、矢張り一番強力な艦隊は陽子一人では無理で、やがて、陽子の戦闘艦は破損して、コンピューターから、「ワープエンジン破損!只今、爆発回避作業中!」と音声が流れてきました。
この状態で敵はさらに攻撃して来た為に、操作盤が小爆発して、陽子は吹き飛ばされ、床に叩き付けられました。その時に服が破れて左腕が露出しました。
以前、修と結婚する前に、病室で狙撃されて、その銃弾を修が陽子の腕をギザギザに切り弾丸を取り出した時の傷跡が見えて、その傷跡を触りながら、陽子は修の事を思い出しながら、死を覚悟しました。
「修ちゃん、今からあなたの所へ行きますからね。昔は楽しかったわね。修ちゃんは刑事の仕事をいつもお姉さまに頼っていましたね。仲の良い姉弟でしたよね。私が間に入り、二人がギクシャクし出したので、私の心は痛み、私が二人の父親を殺した事が解れば、どうなるか心配で、結局二人には何も言えませんでした。何故私はやくざの娘なのかと運命を呪った事もありました。それに私と一緒に海坊主と戦った、マリさんは佳子さんの親友でしたね。マリさんは一度操縦桿を握ると恐い鬼教官になりましたけれども、地上では優しい女性でしたね。とても同一人物とは思えませんでした。そう言えば、私も名医とやくざの組長を兼任していたので、人の事は言えないかもしれませんね。天国で佳子さんやマリさんとも一緒に、楽しく暮らしましょうね。修ちゃん、やくざの家に生まれた、こんなやくざ者の私を愛してくれて、本当に有難う。修ちゃんと結婚できて本当に嬉しかった。結婚できなかったら、まるでロミオとジュリエットになっていましたね。一次期は、本当にロミオとジュリエットの主役になった気分でした。修ちゃん、結婚してくれて有難う。修ちゃん、今でも愛してる。」と昔の事を思い出していました。
コンピューターが、「補助エンジン破損、ワープエンジン・補助エンジン爆発回避不可能!至急退避して下さい。」と音声が流れて来ました。
陽子は、「今更脱出しても、この状態では助からないわ。いよいよ私も、修ちゃんの所へ行きます。私は、もう疲れました。皆、今から行きますから、待っていてね。お母さん、渚、御免ね、先に行きます。後の事はお願いします。さようなら。」と死を覚悟して一筋の涙が頬を伝いました。
その後直ぐに、補助エンジンが爆発し、続いてワープエンジンが爆発して、陽子の戦闘艦は粉々に吹き飛びました。
陽子が攻撃を受けて戦闘艦が破損した時に、通信回路がショートして通信状態になっていた為に、不良グループと戦闘状態のアヤメもその通信を聞きましたが、不良グループと交戦中で駆け付ける事ができず、全力で総攻撃して、撃破後、直ぐに駆け付けましたが、間に合いませんでした。
陽子と交戦していた艦隊をアヤメが、「陽子の仇!」と泣きながら全力で攻撃して全滅させました。
その後、アヤメは渚や菊枝の応援に行き、今回は全て撃破しました。
その後、フジコも駆け付けて、「陽子さんからの通信を聞いて驚きました。何か敵の手掛かりはないかと、データーを吸い取りました。そのデーターは、今後解析して行きますが、どうやら陽子さんは地球を発進する前から死ぬ覚悟を決めていたようですよ。」と陽子が一番強力な艦隊を担当した理由をデーターに残していた為に、それを皆に説明しました。
菊枝はそれを聞いて、「陽子!何故黙っていたの!テレジア星人の能力は弱いかもしれませんが、渚の子供だっているのよ!人海戦術という方法もあったのに!」と泣きながら悔しがっていました。
フジコは、「陽子さんが爆発した付近を調査して手掛かりを捜します。」と大型探査艦で発進しようとしました。
アヤメが、「待て!博士!お前には、心がないのか!陽子の通信を聞いた時に何故助けに行こうとは思わずに、データーの吸い取りだとかそんな詰まらない事しか考えられないのだ!今だって、手掛かりがどうだとか言いやがって!お前の頭の構造はどうなっているのだ!コンピューターが詰まっているのか?天才でも一番大事な心がなければ宝の持ち腐れになるだろうが!」と泣きながら怒りました。
フジコは、「私は女神ちゃんと同じように、頭脳戦で交戦していた為に、これしかできませんでした。そのデーターから助言して、爆発を少し遅くできました。もう少し遅くできれば、女神ちゃんが間に合ったのにね。残念です。女神ちゃんは別の敵と交戦している時に、なにか陽子さんの力になるような事をしましたか?それに女神ちゃんは先程陽子さんの仇と言っていましたが、私は本当の仇は、敵の本体を叩き潰す事だと思っています。敵の手掛かりを捜して、本体を叩き潰す事が、私の敵討ちです。」とフジコは発進して行きました。
それを聞いたアヤメは菊枝と渚に、「この調査はこちらでするので、あなた方は、地球をお願いします。」とアヤメも直ぐに発進しました。
アヤメはフジコと敵の手掛かりを捜していましたが、何故かフジコは、敵の残骸以外を調べているようでした。
不信に感じたアヤメは、「おい!博士!敵を調べるのだったら、敵艦隊の残骸を調べるベキじゃないのか?」と不思議そうでした。
フジコは、「女神ちゃん、敵の手掛かりは艦隊以外にもありますよ。破壊力だとか攻撃を受けた部分を調べるのも重要な事よ。」と返答したので、アヤメも納得しました。
フジコは心の中で、“可笑しい、陽子さんが見付からない。テレジア星人の組織を増殖させたので、補助エンジンの爆発程度では死なないと思い、故意に補助エンジンを爆発させて吹き飛ばしワープエンジンの爆発に巻き込まれないようにしたのに。”と思いながら、フジコは調査していました。
アヤメはモミジから、博士に注意するようにと助言されていた為に、調査しながらフジコを見ていると、生命探知機で調査していた為に、先程の博士の説明と違うと思い、「博士、敵の攻撃力を調査するのに、何故生命探知機を使うのだ?」と不思議そうでした。
フジコは、「女神ちゃん、何故そんな事を気にするの?」とまさか、あの女神ちゃんが何か気付いたのかしら?と思っていました。
アヤメは、「いや、天才の博士を見習おうと思い、どのような調査をするのか見ていたのよ。それで生命探知機とどういう関係があるのか教えて貰おうと思ったのよ。」と返答しました。
フジコは、「実は不安になると思い黙っていましたが、以前陽子さんが船の沈没に巻き込まれて意識不明になったとき、私も病院で陽子さんを診察して、テレジア星人の組織が異常増殖している事に気付きました。しかしワープエンジンの爆発に巻き込まれると、陽子さんも即死すると思い、何とか回避しようと助言しましたが不可能でした。私が故意に補助エンジンを爆発させて陽子さんを吹き飛ばし、ワープエンジンの爆発に巻き込まれないようにしたのよ。補助エンジンの爆発だと、テレジア星人の組織が増殖している陽子さんは死なないと思ったからそうしたのよ。それで陽子さんを捜していたのだけれども、ワープエンジンの爆発に巻き込まれたらしく見付からないのよ。仕方ないので今から敵の残骸を調べるわ。」と返答しました。
その調査中、モミジからアヤメに通信があり、「大事な話があるので、至急ハリアット号まで来てほしい。」と要請されました。
アヤメは、「厄介な調査は博士に任す。」とハリアット号まで急ぎながら、“近くにいたのなら、何故助けなかったのだ!理由次第では只では済まさない。”と思っていました。
次回投稿予定日は、3月15日です。




