第二百七十四章 アヤメ、襲われて負傷する
コスモスが準備をしてテレジア星に帰ろうとすればアヤメが、「博士が暗黒星雲の謎の敵と呼んでいた不良グループに襲われるぞ。私のスケバングループも約半分は銀河系に来て太陽系の近くで待機している。テレジア星は手薄になっている。コスモスが襲われても助けに行けるかどうか解らない。テレジア星で安らかに眠って下さい。」と脅しました。
コスモスは、「一寸、私が死ぬような事を言わないでよ。テレジア星にはヴィーナスお婆さんもいるのよ。いざとなったら、政治家のお爺ちゃんが警察を動かして助けてくれるわよ。心配しなくても大丈夫よ。」と帰ろうとしていました。
アヤメは、「コスモス、結局地球へは何をしに来たのだ?悪戯ばかりして、争いが始まりそうになると、直ぐにテレジア星へ逃げ帰るのか?」と逃げないように説得していました。
コスモスは、「母ちゃんこそ今回は、何故テレジア星に帰らないのよ。先日お爺ちゃんが帰って来て、母ちゃんを捜しながら、“アヤメは何処へ行ったのだ?”と聞いていたらしいけれども、何か父親と会いたくない理由でもあるの?」と不思議そうでした。
サクラが、「コスモスちゃんにしては鋭い質問ね。その話は私も聞きました。確か女神ちゃんのお父さんは、女神ちゃんが呪縛から開放された後、地球に来て、それで逮捕されるわ、地球人を争いに巻き込むわと色々あったので怒っていると聞いたわよ。テレジア星に帰り謝って助けを求めたらどうなの?あの怒りようだと、この上また何かあったら、只じゃ済まないわよ。」と一旦テレジア星に帰るように説得しました。
アヤメは、「今回は軍隊も警察も動いているので大丈夫よ。」と問題ないと主張しました。
コスモスが、「それじゃ、私と一緒にテレジア星に帰ろうよ。」と本当は帰りたくないのだろうと感じました。
アヤメが、「それだと陽子達が不安になるだろうが。」と帰ろうとしませんでした。
サクラが、「女神ちゃんがいる方が心配じゃないかしら?先日磁極点観測に行った時も陽子さんが、“滑るから気を付けて!“と注意したにも関わらず、大丈夫だと飛び出して、滑って転んだのは誰だったかしら。陽子さんの気苦労が増えるだけのような気がするわ。争いが始まってから応援に来ても充分間に合うわよ。」と一旦テレジア星に帰るように説得しました。
結局アヤメは渋々テレジア星にコスモスと帰りました。
アヤメは、てっきり政治家の父親に怒られるかと思っていると、「アヤメ、フジコさんの策略に填り大変だったようだな。私の出張が多く、お前の事を良く見ていられなかったので苦労を掛けたな。許してくれ。」と謝られて拍子抜けしました。
コスモスが、「えっ?お爺ちゃん、怒っていたのではないの?」と不思議そうでした。
アヤメの父は、「確かに怒っていたが、アヤメに怒っていたのではない。こんな状態になるまで気が付かなかった私自身に怒っていたんだ。アヤメがスケバングループのリーダーだと知っていたが、アヤメは、他の不良グループに脅されたりして困っている人を助ける為に、他の不良グループと争っていた事ぐらいはお見通しだ。私の目は節穴ではないぞ。」と説明しました。
コスモスは、「節穴でなかったら何故今回は気付かなかったの?」と突っ込みました。
アヤメの父は、「だから、今謝っただろうが。お前相変わらず一言多いな。」と不愉快そうでした。
コスモスが、「それじゃ、今回の争いについて力を貸してくれるの?」と期待しました。
アヤメの父は、「警察を動かしたのは私だ。争いが始まる前に不良グループを検挙させる。勿論、警察だけに任せるつもりもない。私もこれから地球に行き直接私が謝り、陽子さん達と話し合い今後どうすべきか考える事にする。」と返答しました。
アヤメは、「お父さんが直接動いてくれるのは有難いけれども、不良グループを検挙したあと、今後の事って何を相談するの?」と不思議そうでした。
アヤメの父は、「陽子さんの体はテレジア星人の組織に変わってしまったようだが、今後地球に住めば寿命の関係上、悲しい別れを何度も経験する事になる。テレジア星に住む方法もあるし、その他専門家と相談しなければ解らないが、地球人に戻せるかもしれない。寿命も地球人並になるので、数十年で亡くなる事になる。どうするのかは、本人の意思次第だ。そのような事を相談したい。フジコさんも刑務所で充分反省しているようで、協力すると言っている。アヤメ、私が変に影響を与える前に、陽子さん達に連絡して考えておいて貰ってくれ。もっと詳しい話を聞きたいのであれば、私はいつでも地球へ行き、直接説明します。」と返答しました。
アヤメは、「こういう事は直接説明した方が良いので、地球へ行き説明して来ます。」と地球へ向かいました。
アヤメと敵対している不良グループが、スケバングループのリーダーがテレジア星と地球を往復した為に、何かあると判断して、アヤメが一人で地球へ向かっている所を不良グループの艦隊が襲いました。
アヤメを密かに護衛していたモミジが陽子と軍に緊急連絡して、モミジがアヤメを援助しました。
アヤメが実戦経験豊富だった為に、不良グループは、「たった一隻の宇宙戦艦も撃墜できない。リーダーは実戦経験豊富だと聞いていたが、まさかこれほどだとは思わなかった。」と驚いていました。
不良グループは、「このまま争えばこちらが全滅する。今確認するとリーダーは実戦に自信があるらしく、スクリーンを最大にしていない。転送で乗り込めるぞ。」とメンバーをアヤメの戦艦に転送させて、接近戦で襲い掛かりました。
アヤメの応援に来ていた陽子が気付いて、陽子もアヤメの戦艦に転送で乗り移り、アヤメを助けました。
不良グループは、陽子に全く敵わなかった為に、「こんなに強いテレジア星人に会った事がない。」と驚いていると、モミジから緊急連絡を受けた軍の一個連隊が出動した為に、「何故軍隊が出動するのだ?お前軍人か?だから強いのか。」と驚いて逃げて行きました。
アヤメが襲われた事を聞いた父親は政治家の力で警察を動かして、他の星の警察とも連携して不良グループの一斉検挙を実施しました。
不良グループは、「まさか、あのスケバングループのバックに軍隊がいるとは知らなかった。」と諦めて検挙されました。
この争いで負傷したアヤメを陽子は地球へ連れて行った為に、心配した父親は出所したフジコを連れて地球へ向かいました。
アヤメは、「何しに来たのよ。私には地球人の血が流れていないので、怪我はタイムマシンで直ぐに治るわよ。」と迷惑そうでした。
アヤメの父は、「人が心配して来たのに、そんな言い方をしなくても良いだろう。所で例の話は陽子さんにしたのか?」と聞きました。
アヤメは、「地球へ移動中にしたわよ。考えさせてほしいそうです。」と返答しました。
フジコが、「陽子さんも丸東組と縁を切るのは辛いでしょうから、暫く地球とテレジア星の両方に住み、ゆっくりと考えればどうですか?地球とテレジア星とでは色々と違うので、実際に住んで生活しないと解らない事もありますよ。」と提案しました。
陽子は、「例えば、何処が違うのですか?」とテレジア星の事を知ろうとしていました。
フジコは、「陽子さんは医者ですので、例えば医者の場合は、地球の医者とテレジア星の医者とは役割が全く異なるのよ。テレジア星人には透視力がある為に、レントゲンもMRも必要ありません。怪我や病気は自分で治します。地球でもかすり傷程度でしたら医者に行かず、バンドエイドを貼るでしょう?どんな大怪我でもタイムマシンがある為に、誰にでも簡単に治せます。テレジア星の医者は、出産と呪縛関係と老衰で亡くなる時の対応程度しかしません。従って内科医や外科医もいません。いるのは産科医と呪縛医と老衰医だけです。それと陽子さんはやくざでもあるので、スケバングループも、女神ちゃんのスケバングループの組織の大きさは、地球程度の大きさです。すなわち地球のどの国家よりも大きく強力です。従ってやくざと不良グループの区別はありません。それに私が子供の頃に飯事遊びをしていた研究所や病院も、地球の大病院や研究所よりも大きく、設備も整っていて、検査も可能です。それと、幼児が拳銃ごっこしているおもちゃの拳銃は、地球の本物の拳銃と同程度の威力で、小学生が町中で拳銃ごっこしている拳銃はそれ以上の威力があります。」と説明しました。
陽子は、「確かに、テレジア星には、スケバンや医者や飯事遊びやおもちゃの拳銃など、地球と同じ物が多くありますが、どれも内容は地球のものとは全く異なるので、戸惑いそうですね。」と驚いていました。
フジコは、「そうですね。でもその前に、陽子さんがテレジア星で生きて行けるかの確認が最優先だと思います。すなわち衣食住ですが、衣については、テレジア星人は体の色や形を自由に変えられる為に、服は着ていません。陽子さんも自由に変えられるようになったと思いますが、今まで地球で暮らして来た陽子さんが素っ裸で生活、特に外出する事は抵抗があると思います。重力の関係上、地球で着ていた服は直ぐに破れると思います。食については、テレジア星人は肉食です。肉食生物用の食料しかありません。これは家庭菜園でもすれば解決できます。住についてですが、先程も言ったように、重力が地球とは全く異なります。しかし慣れれば大丈夫だと思います。最初はテレジア星とその衛星との両方に住み、体を慣らしていく必要があります。」と説明しました。
陽子は、「解りました。暫く数ヶ月単位で両方に住み考えさせて下さい。」と即答は避けました。
菊枝が、「渚はどうするのよ。」と確認しました。
アヤメが、「先程渚にも確認しましたが、陽子と同意見でした。」と返答しました。
次回投稿予定日は、5月31日です。




