第二百七十三章 泉から開放される
磁極点観測は、UFOでないと着陸不可能で、子供達を連れて行けない為に、皆でぞろぞろ行っても仕方ないし、誰が行くのか話し合っていると、コスモスが来ました。
アヤメが、「コスモス、泉さんの店の手伝いはどうしたの?」と不思議そうでした。
コスモスは、「今日は休みよ。誰かさんに填められたお陰で休みは少ないのよ。今の地獄点に行くのはどういう事なの?」と興味がある様子でした。
アヤメは、「お前、そんな事も知らないのか?地獄の閻魔様に会いに行くのではないぞ。地獄点ではなく磁極点だ。」とコスモスに説明していた為に、陽子は笑いを堪えながら、アヤメが正確に理解できているのか聞いていました。
磁極点にはコスモスも興味があり、一緒に行くと言っていると、泉から着信がありました。
アヤメは、「コスモス、お呼びよ。早く行きなさいよ。」と行ってしまいコスモスは置いていかれました。
コスモスが携帯に出ると泉が、「コスモス、店員で従兄弟の孫の加奈が合コンで知り合った人と付き合っているようなのよ。どんな人かも解らないし、大丈夫かしら。コスモス、あなた、私の孫で加奈の友達という事になっているから、佳奈に聞いてよ。今日はコスモスが何処に出掛けるのか興味があるらしく後をつけて行ったから近くにいると思うわよ。透視力があれば直ぐに見付けられるでしょう。」と頼まれました。
コスモスは、“誰と付き合おうが、本人の勝手だろう。しょーもない事で電話しやがって、お陰で地獄の閻魔様に会えなくなったじゃないか。”と思いながら、「解ったわよ。今、確認すれば私を見失ったようで近くをうろうろしているから、態と見付かるように出て行くわよ。」と不満そうでした。
コスモスは加奈と偶然に会ったようにして、喫茶店で雑談しながら話を聞いて加奈と別れて泉に電話しました。
「大丈夫だと思います。相手は公務員だと言っていましたから。」と報告しました。
泉は、「最近、公務員も色々と問題を起こしているし、公務員もピンからキリまであって、どんな仕事をしているか解らないでしょう?市役所の事務員も、警察官も公務員よ。」とまだ心配していました。
コスモスは、「何か運転手らしいよ。でも時間は不規則だって言っていたわよ。」と彼の職業を教えました。
泉は、「それ、ひょっとして、電車の運転手じゃないの?一番列車もあれば、夜行列車もあるでしょう?そりゃ、時間は不規則になるのじゃない?でも心配だから加奈の様子を見ていて。」と加奈の事を心配してコスモスに護衛を依頼しました。
コスモスは泉に、「今は民営化されている為に、電車の運転手は公務員じゃないわよ。国鉄からJRに変わっているわよ。その昔は省線と言っていた時代もあるけれども、今はJRよ。」と何故地球人の泉より私が詳しいのと加奈の事ばかり考えて何も見えてないと感じました。
コスモスはアヤメに置いて行かれた為に、する事もなく、先程別れた加奈を追い駆けて後をつけて行くと不良に絡まれたので、コスモスが助けようとした時、パトカーがサイレンを鳴らし、不良を追い払い、パトカー警官が加奈に、「加奈、大丈夫?」と声を掛けました。
加奈は、パトカー警官を見ると合コンで知合い今付き合っている彼氏だった為に驚いて、「あっ!あなた運転手って言っていませんでしたか?」と確認しました。
彼氏は、「そうだよ。僕はパトカーの運転手ですよ。また彼奴らに襲われるといけないので、家まで送るよ。」と加奈をパトカーで送り、彼氏は警察官として泉に会い、不良に襲われていた為に、送って来た旨を伝え、帰りました。
数年後、加奈は大学を卒業して、「家業は美子さんがいるので私はOLになっても良いよね。」と商社に就職して、パトカー警官から刑事になった彼とも恋愛していました。
そんなある日、同僚の顔色が悪いので事情を聞くと、「変な契約書にアンケートだと騙されて、サインさせられて二千万払えと脅迫されている。」と説明しました。
加奈が、「今から彼とデートだけれども、私の彼、そういう時に頼りになるから一緒に来て」と彼に会わし、彼に相談しました。
「大丈夫、それでしたら、解約できるから。だって、ここ良く読んで。都合が悪いので、小さな字で、解約できる事を書いているでしょう。これを書いていれば、裁判になっても、“本人が解約を申し出なかったから。”と説明すれば詐欺にならない正式な契約書って事です。解約できる期間があり、まだ間に合いますから、解約すれば良いよ。」と助言しました。
加奈の同僚は直ぐに電話しましたが、「脅迫された。」と泣き出しました。
加奈が彼に、「一緒に行って話をつけてくれない?」と頼みました。
彼は、「一緒に行って、助言できますけれども、解約の意思は本人がはっきり伝えないと解約できません。あなたの替わりに言う事ができるのは、弁護士の資格を持っている人だけですから。」と念を押して、加奈の同僚に加奈と彼が付き添って、解約に行きました。
その業者に、加奈の同僚が契約書に記載されている通り、解約の意思を告げると、その業者は応じられないと一歩もひかず、どうしても二千万払えと強要しました。
加奈の彼は、「それは契約違反になりますよ。」と助言しました。
業者は、「五月蝿い!なめとんのか!」と殴りかかって来ました。
加奈の彼が殴りかかって来た業者を取り押さえ、「解約できると記載しておきながら、解約しないのは、立派な詐欺です。」と警察手帳を提示し、「警視庁機動捜査隊です。詐欺の現行犯で逮捕します。」と業者に手錠を掛け、本署に電話しました。
数分後、パトカー数台で刑事数名が乗り込んで来て、「他にも余罪があるのじゃないのか?ゆっくりと話を聞かせて貰うよ。」と業者数人を連行しました。
次の日、加奈は同僚からお礼を言われ、噂が会社内に広まり、事件に巻込まれそうになった時や不良に絡まれた時などは、加奈に相談するようになりました。
ある日、外出している泉から、「加奈がやくざに因縁を付けられている。今から私も飛び出すから助けに来て。」と電話が切れました。
コスモスは慌ててUFOで泉から聞いた場所に向かうと、泉と加奈が、やくざ風の数名の男女に車で拉致されて連れて行かれようとしていました。
コスモスは、そのまま透明シールドを張って、追跡して暫く様子を見ていると、二人は流星会の事務所に連れ込まれたました。
コスモスが助けに行くと加奈に宇宙人だとばれるかもしれないし、いつも扱き使われている為に、偶には使う側になりたいと思って、喧嘩の好きな丸東組組員に連絡しました。
「最近、運動不足で体が鈍ってきたと言っていたが、流星会相手に一暴れしないか?流星会に女性二人が連れ込まれた。一人は、お前達の好きな若い女性よ。その二人を救い出して、丸東組まで連れてきて。」と依頼しました。
喧嘩の好きな丸東組の組員は、「野郎ども、喧嘩だ!」とその理由も聞かずに事務所を飛び出して行きました。
数時間後、泉達は助け出されましたが、丸東組に連れ込まれた為に脅えていました。
組員が、「そんなに脅えなくても大丈夫だぜ。もうすぐ姉さんが来るので、リラックスしていろよ。」と軽く肩を叩きましたが、二人共、とてもそんな気になれませんでした。
泉が、“コスモス遅いな”と加奈と脅えていると事務所の奥から、「人の忠告は素直に聞くものよ。リラックスすれば良いのに。」とコスモスが出て来ました。
泉達は驚いてどういう事なのかコスモスに確認しました。
「兎に角、奥へ入って!話はそれからゆっくりするよ。」と奥へ入りました。
そこで磁極点観測から戻って来た陽子達が子供達相手に勉強会をしていた為に、「えっ?やくざが勉強会?」と驚いていました。
コスモスは、「子供達は、ここが丸東組の敷地内だとは知らないので、黙っていてね。時間があれば子供達の相手をしてみる?子供は可愛いわよ。無料で、質問形式で教えているので、無理しなくても解らない事は、”解らない”とはっきり言えば良いからね。」と説明しました。
勉強会終了後、コスモスは泉に、「どうだった?子供達の相手をするのも楽しいでしょう。無料で教えている為にアルバイト代は勿論、交通費も出ないボランティアだけれども、週に一度だけ子供達の相手をするのも悪くないと思うわよ。」と勧めました。
アヤメが、「とか何とか言って、その時は仕事から解放されると思っているのでしょう。コスモスの考えている事ぐらい解るわよ。」とコスモスを横目でチラッと見ました。
泉は、「たとえそうであっても、子供の相手をするのは楽しいわ。でも世間から恐れられているやくざが何故こんな事をしているのか解らないので、もう少し詳しく教えて。」と興味がある様子でした。
コスモスは、泉がテレジア星人の事を知っている為に、ここの組長はその血筋である事や人身売買は人命救助である事やハーケン特別隊の事や勉強会を始めた切欠などを説明して泉も納得し、週に一度コスモスと子供達の勉強会に協力する事になりました。
加奈はコスモスが宇宙人だとは知らなかった為に驚いている様子でした。
泉はそんな加奈を見て、「美子が宇宙人だと説明しなくてごめんね。私が美子と友達のように話している事に気付いていたかもしれませんが、以前ここで働いていた私の友達のコスモスよ。」と補足説明しました。
加奈は、「突然そんな事を言われても混乱しています。しかし、治安の悪い海外ではそんな事が行われているの?私も含めて殆どの人は、その話を聞けば、何とか助けてあげたいと思うけれども、思うだけなのよね。実際助けに行こうとする人はいないのよ。実際に行動している人は尊敬するわね。」と感心していました。
その後、加奈も結婚し、会社も結婚退職して幸せな結婚生活を送りました。
やがて泉も年老いて老衰で亡くなった為に、コスモスはテレジア星に帰る事にしました。
次回投稿予定日は、5月27日です。




