第二百六十七章 泉一家を襲った犯人逮捕
スキー親睦旅行当日、案の定、車で雪山を移動中、サクラより意思波を使ってコスモスに連絡がありました。
「雪山の上でダイナマイトを仕掛けている男の人がいる。」との事でした。
コスモスは、「その連中を早く捕まえて!そんな所でダイナマイトが爆発したら雪崩が発生するでしょう!」と慌てていました
。
サクラは、「コスモス落ち着いて、彼らがあなた方を狙っているかどうか解らないでしょう。大丈夫よ、雪崩が発生したら私が
雪崩を凍らせて止めますから安心して。でも念の為に、あなたの戦闘艦を上空に待機させ、いざという時には、車ごと牽引光線
で戦闘艦に着艦しなさい。宇宙人ってばれるのが困るのだったら、戦闘艦を透明にし、あなたが悪戯した中の誰か、そうね魔女
にでも化けて誤魔化す事ね。先日襲われた時には、魔女に化けて皆を助けたのでしょう?」と助言しました。
コスモスは、「解ったわ。雪に似合っているものに化けるわ。へっへっへ~」とニヤニヤしていました。
サクラは心配になり、「一寸コスモス、その笑いは何?何か変な事を考えていない?もうこれ以上ややこしくしないでね。先日
も、やくざが借りたトラックを踏み潰して、そのままにしていたでしょう。私が地球に来て元に戻したんだから。」と心配して
いました。
コスモスは、「大丈夫よ。私に任せて!」と自信を持っている様子でした。
サクラは、「よかれ、と思ってしても裏目に出る事もあるのよ。良く考えて行動してね。あなたドジな所は女神ちゃんから引き
継いでいるのだから。」と心配そうでした。
コスモスは、「トラックの事など色々と心配してくれて有難う。変な事にならないように気を付けます。」と反省していました
。
サクラは、「もう、そろそろよ、気を付けて!」と忠告しました。
その数分後、山の上で何か物音がしたのが泉一家にも聞こえて、上を見ると、雪崩が発生して、ハンドルを握っている泉の主人
が慌てた瞬間、白い光が雪崩に射したかと思うと、雪崩が凍り付いて止まりました。
泉一家とダイナマイトを爆発させた男達は驚いて、白い光が射した方を見ると、雪女が木の枝に立っていました。
泉一家とダイナマイトを爆発させた男達は、「あれは昔、新聞に載っていた雪女だ!」と驚いた次の瞬間、雪女が飛び上がり、
ダイナマイトを爆発させた男達の近くに降り立ちました。
男達は、「前回は魔女で、今回は雪女か!何処まで俺達の邪魔をすれば気が済むのだ!」と拳銃を数発発射させました。
雪女に化けたサクラは、「そんなものは私には通用しませんよ。」と両手両足を凍らせて固定した上で、警察に通報しました。
警察の捜査の結果、“黒幕は泉の主人が所属する業界の元締めで、詐欺にも近い方法で、利益を増やそうとした事に、職人気質
の泉の主人に反対され、邪魔になり殺そうとしましたが、新聞を賑わせた魔女や雪女に邪魔されて、殺害に失敗しました。殺害
しようとしたやくざと、業界の元締めを逮捕しました。”と発表しました。
泉一家を襲って警察に逮捕された男達は、「両手両足が凍傷になったじゃないか!」と不満そうでした。
警察は、「雪女を告訴するか?人間じゃないようなので法律は適用されないぞ。下手に告訴すれば反省が足りないと警告されて
凍死させられるぞ。」と諦めるように促しました。
男達は、「何故法律が適用されないのだ。不公平だ。」と怒っていました。
警察は、「お前達の口から不公平という言葉が出て来るとは思わなかったよ。法律は人間にしか適用されない。考えても見ろ、
犬が信号無視して道路に飛び出せば、道交法違反で逮捕するのか?人間以外に適用はしない。」と説明しました。
男達は、「人間が飛び出しても道交法違反で逮捕されないぜ。車やバイクだけだぜ。」と笑っていました。
警察は、「屁理屈言うな!のら猫が魚を咥えて逃亡しても窃盗罪で逮捕しないだろう。兎に角、凍傷の件については、警察は関
与しない。自業自得だ、諦めろ。」と説明しました。
マスコミは魔女と雪女が助けたので、“神様が正義の為に魔女と雪女を遣わした。”と報道して、職人気質である泉の主人は人
気者になり、店は大繁盛して、業界の元締めも任される事になり、益々忙しくなりました。
この後、サクラがコスモスに、「もし、私が雪崩を止める事に失敗した場合、何に化けて、泉一家を助けるつもりだったの?」
と念の為に確認しました。
コスモスは、「それはアレッキャないでしょう!雪景色の中、車ごと乗せる事が可能な乗り物といったら、サンタさんのソリで
しょう!」と返答しました。
サクラは、「サンタサンのソリってそんなに大きかったかしら。」と確認しました。
コスモスは、「まあまあ、そんな細かい事はあんまり気にしない!」と軽く考えている様子でした。
サクラは呆れて、「あのね。あなたのそのような所が、いけないのよ!今回、サンタさんの出番がなかったから良かったような
ものの、もし、コスモスがサンタに化けて、ソリに車を乗せれば、サンタのソリは車を乗せる事ができる大きさだって事になる
でしょう!童話が変わっちゃうでしょう!現にあなたが雪女に化けて空を飛んだ為に、雪女は空を飛べるってことに変わったと
陽子さんも怒っていたでしょう!どうするのよ!童話を勝手に変えちゃって!」と怒っていました。
コスモスは、「あれは違うよ、雪崩が発生したので、雪山登山のメンバーを助けたのだよ。」と説明しました。
サクラは、「ふ~ん、雪女の姿でね。悪戯するつもりで雪女の姿になっていたのじゃないの?その姿のままで助けたので、やや
こしい事になるのでしょう!」と問題点を指摘しました。
コスモスは、「あの時は確かに悪戯しようと思ったけれども、気が変わって人命救助したのだから良いじゃないの。」と自分を
正当化しようとしました。
サクラは、「だから、そういう事じゃなくて、雪女の姿で助けたから、童話がかわっちゃうのでしょう!」と問題点を説明しま
した。
警察の捜査により、逮捕された業界の前元締めが、特定の政治家に多額の政治献金をしていて、その見返りに色々と便宜を図っ
て貰っていた事が判明しました。
その政治家は、「事件とは無関係で、業界の前元締めとは会った事もない。」と証言しましたが、会っている所を泉の主人が以
前目撃していて、その事を思い出す前に何とかしなければならないと思った政治家に狙われている事を泉一家は知りませんでし
た。
サクラは、その事を事前に調査して、警察より早く事実関係を掴んでいました。
予めコスモスに伝えて、注意するように指示して、サクラは政治家を見張っていました。
その政治家は、自衛隊の特殊隊員の弱みを握っていて、特殊隊員に殺害を依頼しました。
その情報を掴んだサクラは、コスモスに伝え、特殊隊員から目を離さないようにしました。
そんな中、サクラから、「特殊隊員が狙撃しようとしている。」とコスモスに連絡して、コスモスも狙撃手を確認し、狙撃手と
泉の主人との間に立ち狙撃を阻止していました。
そしてサクラが、銃を持った人がいる事を警察に通報し、特殊隊員は駆け付けたパトカー警官二名を射殺して逃亡しました。
特殊隊員は自衛隊で使用している銃ではなく、独自ルートで入手したライフルを使用しましたが、警察の追及が厳しく、海外へ
逃亡させて欲しいと依頼しました。
政治家は、「手配しておくので、それまでに奴を確実に殺せ!海外逃亡と引き換えだ!」と条件を出しました。
特殊隊員は警官二名を射殺してしまい、もう後戻りできず、焼糞で深夜自宅に忍び込みました。
コスモスは睡眠しない為に侵入者に気付いて、いくら暗闇で黒い服を着ていても、目の構造が違うコスモスからは丸見えでした
ので、取り押さえて警察に通報し、特殊隊員の証言で、泉の主人も政治家と逮捕された業界の前元締めが会っていた事を思い出
して、政治家も逮捕されました。
これで泉の主人も狙われる事がなくなり、ホッとしたのもつかの間、再び泉に扱き使われる生活が始まりました。
コスモスは先日、泉に言っても勘弁してくれなかった為に今度はサクラに、「私はいつ迄、扱き使われたら良いの?元々填めら
れたのだから、いい加減、勘弁して欲しいわよ。」と助けを求めました。
サクラは、「填められただなんて、人聞きの悪い事を言わないでよ。あなたの為にした事よ。地球人に比べ、テレジア星人の寿
命は何十倍も長いのだから、泉が亡くなるまで、ずっと扱き使われなさい!それに誰よ泉の近くにいて力になりたいと言ってい
た人は。希望が叶って良かったわね。」と笑っていました。
それを聞いたコスモスは、「えっ?私を罠に填めた張本人は母ちゃんではなく、サクラ小母さんだったの?」と確認しました。
サクラは、「小母さん言うな!罠に填めたのではなく女神ちゃんに、“例えば、こういう方法もある。”と提案しただけよ!最
終的な判断は女神ちゃんよ。」と返答しました。
コスモスは不満そうに仕事に励んでいました。サクラはそれを確認すると、コスモスに、「それじゃ、頑張ってね。何か困った
事があればいつでも呼んでね。女神ちゃんの親友の私が、お母さんには内緒で助けに来ますからね。」とテレジア星に帰って行
きました。
次回投稿予定日は、5月1日です。




