第二百四十九章 コスモス内緒で地球へ
月日は流れ、陽子達はテレジア星人のアヤメの血を引いていてコスモスは親戚になるので、偶に地球に様子を見に来ていた事を陽子達は知りませんでした。
そんなある日、コスモスが密輸絡みの事件に巻込まれました。
いつもは、ヴィツール号で寝泊りしていましたが、偶には地球で寝泊りしようと人気のない船に寝泊りした所、それは密輸船で、麻薬取引の現場を目撃してしまいました。
コスモスは、からかいたくなり少し離れた所から、「見~ちゃった、見~ちゃった。」とからかうと犯罪組織のメンバーは拳銃を発砲しながら追い駆けて来ました。
コスモスは体を液状にして移動した為に、全然捕まらず、「こっちだよ!アッカンベ~」と逃げていました。
犯罪組織のメンバーは頭に来て、マシンガンを乱射しましたが命中しなかった為に、「下手糞!全然当たらないじゃないか!」と仲間割れを始めました。
実際は数発命中していましたが、いくら銃弾を受けてもコスモスは平気でした。
銃声を聞いた人の一一〇番通報で駆け付けた警察官と銃撃戦の末、全員逮捕されました。
現場で事情を聞いた刑事は、「そんな女性は何処にもいなかったぞ!何を隠しているんだ?」と問い詰めていました。
船の上から、「ここにいるわよ!刑事さん。」とコスモスは笑顔で刑事に手を振っていました。
刑事は、「お前、そこを動くな!」と急いて船に駆け上がりましたが、コスモスの姿は何処にもありませんでした。
刑事が捜しているとコスモスが、「何処を捜しているの?こっちだよ。じゃね!バイバイ」と海に飛び込むと全身に激痛が走って痺れた為に、慌てて見付からないように、別の船に乗り移りました。
陽子はテレジア星人の弱点は塩だとフジコに確認していましたが、テレジア星には塩が存在せず極秘事項でしたので、殆どのテレジア星人は知りませんでした。
コスモスは、この海には得体の知れない何かがいると判断して、透視で確認しましたが、発見できませんでした。
コスモスは今回の事が面白かった為に、ヴィツール号から、麻薬だけではなく、拳銃などの取引現場もスキャンして、発見次第、近距離用小型UFOに透明シールドを張り、取引現場の近くに着陸させて、同様の事をして楽しんでいました。
警察もコスモスの事を謎の女性として捜査していましたが、同様の事件は連続して発生して、目的も解らずに、焦っていました。まさか目的が遊びだとは警察も犯罪組織も夢にも思っていませんでした。
この一連の事件をテレビニュースで知った渚は、まさかとは思いましたが、念の為にテレジア星のアヤメに確認しました。
アヤメは、「博士が、“謎の帝国が地球を狙っている。“と言っていた事と関係あるかも知れないわ。私が地球に行って調べるわ。」と返答して、モミジに連絡の上、秘密調査官専用宇宙戦艦で地球に向かいました。
犯罪組織は、コスモスの事を警察のスパイだと判断して、担当の女刑事である白山詩織を拉致しました。
コスモスは取引現場をスキャンしていた為に、拉致には気付きませんでした。
犯罪組織は詩織を拷問してコスモスの事を聞き出そうとしましたが、詩織も知らなかった為に、答えようがありませんでした。
犯罪組織は、「どうやら苦痛を与える拷問では駄目なようだな。刑事さんよ、拷問には、色んな拷問があり、体が元に戻らないような足や手の指を切断する拷問もあります。これは大量の出血を伴い死ぬ可能性がある為に、最後にしましょう。あなたも少しでも長生きしたいでしょう?その他には精神的な拷問もあります。おい野郎ども、この女刑事を素っ裸にして大の字に縛り付けろ。あとはお前達の好きなように楽しめ!今日は、これからここで麻薬の取引があります。例の女が現れたら、お前を人質にして例の女を始末する。」と取引の準備をしていました。
やがて麻薬取引が始まり、そこでコスモスは拉致に気付いて、拉致されている詩織を救い出す事にしました。
配管の中を、体を液状にして移動し、詩織の真上で配管に穴を開けて、壁伝いに詩織の後ろに行き、手を刃物に変えて詩織を縛っているロープを切りました。
刑事の見張役が気付いて、銃を取り出しましたが、コスモスが腕を槍のように伸ばして一瞬にして犯罪組織のメンバーを突き刺しました。
詩織は驚いて、「あなたは何者なの?」とコスモスの正体を知ろうとしました。
コスモスは、「今はそんな事、どうでも良いでしょう!それより、あなた、素っ裸で外に逃げ出す気?いつまでも興奮してないで早く服を着て。取り敢えずここから逃げましょう。」と逃げながら詩織に何と説明しようかと考えていました。
何とか逃げ切った所で、詩織はコスモスに、「助けてくれて有難う。でも、あなたは一体何者なの?あんな事ができるだなんて普通の人じゃないわよね。」とコスモスの事を知ろうとしていました。
コスモスは、「私はマジシャンです。」と何処かで消えようと考えていました。
その時に背後から、「何がマジシャンよ。コスモスさん、あなたいつからマジシャンになったの?」と聞こえました。
振り返ると、渚がいたのでコスモスは、「私がここにいる事が何故解ったの?」と不思議そうでした。
渚は、「今、私の家にアヤメさんが来ています。と言えば説明しなくても解るわよね!」とコスモスを睨みました。
コスモスは、「うわっ!まず!ばれた。」と渚と反対方向に逃げようとしていました。
そこへアヤメが現れて、「ヴィツール号をスキャンして、あなたの考えている事は先刻お見通しよ。さ!いらっしゃい!」とアヤメは猫を捕まえるように、コスモスの首の後ろを掴んで、渚が乗って来た、丸東組の黒塗りのベンツに乗せました。
詩織は、「一寸待って!その女性に聞きたい事があります。」と駆け寄りました。
渚は、「人の事より自分の事を考えなさい。」と詩織の腕を掴むと、詩織は激痛の為、悲鳴を上げました。
渚は、「腕の骨が折れていますよ。応急手当しておくので直ぐに何処かの外科医院に行きなさい。この近くにはそこに芹沢外科医院があるので、今直ぐ行きなさい。」と言い残してベンツに乗り、走り去って行きました。
芹沢外科医院で診察の結果、確かに腕は骨折していましたが、応急手当が良かった為に、暫く固定していれば治るとの事でした。ただ内臓からの出血がみられ、手術の必要があるとの診断でした。
詩織は菊枝から、「手術スタッフの関係上、ここでは予定された手術しかできません。大日本医療大学第一外科の内田教授に連絡しておきました。但し出血の影響で移動途中、気が遠くなる可能性もある為に、救急車を呼びました。救急車で向かって下さい。」と指示されました。
詩織は芹沢外科医院から預かって来た検査資料を内田教授の診察室の看護師に渡しました。
内田教授はその資料を見ながら、「そこに横になって下さい。」と指示しました。
詩織が看護師の誘導で診察室のベッドに横になると内田教授は、「今朝と違い、素直ですね。」と詩織の方に振り向きました。
詩織は教授を見ると驚いて、「えっ、あなたは今朝の・・・」と起き上がろうとしました。
渚は、「死にたくなければ大人しくして!」と診察しました。
渚は、「直ぐに手術が必要です。」と看護師に指示して緊急手術の準備を始めました。
手術終了後、詩織は麻酔から覚めると、看護師に、執刀医の内田教授の話を聞きたいと伝えた為に、看護師は渚を呼びました。
渚が詩織の病室を訪れて、手術の結果や今後の治療について説明しました。最後に詩織はコスモスの事を聞きました。
渚は詳しい説明を避けて、「コスモスは、からかっていただけらしいですが、“あなたを巻き添えにして申し訳ない。犯罪組織に目を着けられたようなので、暫く護衛します。”と言っています。」と返答しました。
詩織は同僚の刑事も呼んでいた為に、同僚の刑事が、「警備は我々がする!それに面白かったという事だが、コスモスは何者なのだ?目的は本当にそれだけか?」と事情を聞いていると渚は緊急呼び出しされて、「患者が急変したので失礼します。」と告げて急いで病室を出て行きました。
同僚の刑事は、「本当に医学部の教授がやくざと一緒だったのか?」と信じられない様子でした。
詩織は、「私も信じられませんが、この目ではっきりと見ました。」と自分の目を疑っているようでした。
同僚の刑事は、「解った。一旦署に戻り上司に報告して、明日また来るよ。」と帰ろうとしました。
詩織は、「私の護衛をしてくれるのではないの?」と心配そうにしていました。
同僚の刑事は、「病院スタッフも大勢いる中で、まさか刑事を襲わないだろう。大丈夫だよ。」と帰って行きました。
同僚の刑事は一旦本署に戻り、今の話を上司に報告しました。
上司は、「今日は緊急呼び出しされて事情を聞けなかった為に、明日もう一度内田教授の話を聞きに行きましょう。」と今日は帰りました。
次回投稿予定日は、2月16日です。




