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第八話『魔法習得!』

「そ、それではギルドカードをお渡ししますね。

登録したばかりなのでランクはFとなります。」


なんだかんだで登録が終了した。

フーリエさんは正気に戻った途端、ダーフに向かって土下座しだしたので逃げる様に受付へ戻ってきたという訳だ。


「分かりました。それと魔道書はどこで売ってますか?」


「それならそちらの受付でどうぞ」


受付さん、いや、沢山いるので受付さん一号と名付けよう。

一号さんが教えてくれた場所へ歩く。

そこには当然受付があり、立っていたのは身長150cmくらいのーーーよぼよぼのおばあちゃんだった。

二号の誕生である。


「えっと………ここで魔道書が売ってるって聞いたんですけど…」


「あー、どの属性の魔道書が欲しいんだい?」


属性で分かれているのか。

どうするか。かっこいいのだと聖属性とかかな?

いや、ここは実用性を選んで土属性とか?

風属性で爽やかに敵を翻弄とか…

いや、ここはやっぱりーーー


「回復属性でお願いします。」


やっぱり人間命があってなんぼだからな!


「あいよ。入門、序章、中堅、上級、修羅とあるがどれにするかい?」


修羅とかめちゃくちゃ強そうだな。

ここは無難に入門にしとくか。


「入門で。」


「あいよ。金貨3枚だよ」


「え?」


「金貨3枚。足りないのかい?」


「い、いや………足りるけど…」



こうして俺の所持金は銀貨15枚になった。

いやー、まあ強くなれたんだからこれくらいの対価は仕方ないよね?


アレを買う金は残ってるし。


取り敢えずその足で本日最後の目的地ーーー武器屋へと向かった。


店に入ると顔にでかい傷跡があるおっさんが迎えてくれた。

いかにも武器屋だ。


「いらっしゃい!」


武器を見てみると結構いい剣が………正直言ってどれも同じにしか見えないので一番安い銀貨2枚の剣にした。


「毎度あり!」


特にイベントも起きず武器を買い終えた。

まだ太陽は4時くらいの所だが、3日間森に篭っていたんだから今日は少し早めに休憩しても問題ないだろう。

俺はドグルゴさんから聞いた宿屋に足を運んだ。


「一人用の普通の部屋で頼む」


「料金は銅貨30枚だ。うちは人数じゃなくて部屋の大きさで値段決めるからその従魔込みで、だ。」


この世界では大〜貨はあまり使わないらしい。

5円玉の価値が分からないのは可哀想だな。


「此奴が従魔だって分かるのか。」


「ああ、まあな。宿屋って仕事上色んな冒険者さんと出逢うからな」


宿屋さんかっこいいなオイ。


それはさて置き、なんだかんだで宿は手に入った。

この世界の宿屋には余程の高級店でもない限り食事は付いていないらしい。


それでも前の世界の2倍くらいの大きさの部屋が三千円は安いけどな。

おっと。何でもかんでも日本円に換算してしまうのは悪い癖だ。


さて、部屋に入ればお楽しみタイムだ。

とうとう魔法を覚える。


ダーフはつまらなさそうに寝ているが俺のメンタルは鋼だ。


早速本を開く。


ほう、目次を見ると入門には3種類の魔法が載っているらしい。


最初はやっぱり定番って事で俺は初級のHP回復魔法【プチヒール】を覚えることにした。


効果は擦りむいた傷を治す程度のもので、とても戦闘に使える物ではないが、俺の頭が最初はHP回復系と訴えているのだ。


ちなみに、HPはあくまでも参考程度の値で、例えばHPを1消費する傷を1000回受けても【プチヒール】を掛けまくれば全快するが、HPを1000消費するような、大きい傷を負った場合は、【プチヒール】では申し訳程度に出血が少なくなるだけで、HPも殆ど回復しない。


でもそんなの関係ねぇ!

擦り傷が治せるだけで充分だ!

服装の乱れは心の乱れって言うしな!

ちょっと自分でも何言ってるのか分からないけども!


【プチヒール】のページを開くと、見開きの左側には大きく魔法陣が、右側には消費MPや詠唱や魔法の効果の説明などが書いてあった。

つくづく【言語理解】があって良かったと思う。


俺は恐る恐るその魔法陣に手を乗せた。


何も起きない。


指に魔力を集中させるイメージをしてみる。

なんか胸に熱い物がこみ上げてきて右手に流れ込んで行く。


出来たか?


そしてその時は訪れた。


突如、魔法陣が紫色に光る。


そしてその魔法陣がぐるぐる回って行き、最後に光の粒子になって右手に流れ込んでいった。


成功したのか?

試しにナイフで指先を少し切ってみる。痛い。


そして【プチヒール】を詠唱する。



詠唱が終わった頃には淡い光が指を包んで一瞬強く光った。


そして気がつけば傷は治っていた。

こうして俺は回復魔法【プチヒール】を覚えた。


「うおおおおお!!すげえ!ダーフ見たか!?光が光って指が!?」


『………大人気ないな。』



人を回復魔法で回復して無限に戦わせようとしてた奴がよく言う。


まあしかし、一度覚えればあとはコツを掴むことができ、簡単に魔法を覚えて行く事が出来た。


今覚えば、この時に魔道書の最初のページにある注意書きを読んでいれば、或いは【プチヒール】の右ページを最後まで読み切っていれば、あんな事は起きなかったかもしれない。


そしてもし、あんな事が起きなければ、俺はあのトラウマに囚われたままだっただろう。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



異変は2つ目の魔法を覚えた時に始まった。


最初は少し目眩を感じた。


森に篭って疲れたのだろうと無視していると、吐き気も感じ始めた。


さっさと終わらせて寝ようと思いながら、3つ目を覚えようと魔力を注いだ時だった。


世界が反転した。


ーーー否、()()が反転した。


そして、次の瞬間、俺は意識を失った。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




『…ター。…スター。マスター。』


目を覚ますとダーフが腹の上に乗っていた。


『あれ?俺………気絶したんだっけ?』


『やっと気付いたか。』


しかし、何故だ?


この3日間、きちんと食事も取ってきた。

倒れる程の疲労は無い筈だ。


その答えは、ダーフが教えてくれた。


『こんな魔法の習得で魔力枯渇とは………次からは気をつけるのだぞ。』


魔力枯渇?俺は【鑑定】を自分のMP残()()に意識を傾けながら自分にかけた。




名前:エイジス=エルロンド

レベル:0

称号:異世界の訪問者

所属:ドーラ魔術師ギルド

種族:人族

職業:テイマー

ジョブレベル:17

加護:ーー

能力:【スライムテイマー】

スキル:【好感】、【鑑定】、【言語理解】

ジョブスキル:【指揮(リーダー)LV1】

最大HP:52

最大MP:24/3000

攻撃力:31

防御力:19

魔法攻撃力:7500

魔法防御力:7500




どういうことだ。

MPが本来の100分の1までに減っている。


俺は慌てて魔道書の最初のページを開く。


そこには色々な注意書きが書いてあったのだが、その中には………


・【注意】魔法習得には大量のMPを消費します!本来の消費MPの200倍ぐらいと思っておいてください!


『我の魔力を分け与えねば死んでおったぞ?』


『マジか…』


『折角我を従魔に出来る人間を見つけたのだ。

簡単に死なれては困る。』


流石ダーフさん、男前。


しかし、ここまで負担がかかるとは…


五つ目の魔法は覚えていないが明日にしよう。


そう思い、眠りにつ………

こうとしたのだが……






なんか寝れない。


森で寝るのに慣れすぎてベッドが逆に慣れないっていうか…


3日で人って変わるんだな。


そう思いつつ、寝てしまったダーフを置いて外の空気でも吸いに外に出た。


そして俺は、宿の前で見た。


一人の女の子が数人の男に囲まれているのを。






名前:エイジス=エルロンド

レベル:0

称号:異世界の訪問者

所属:ドーラ魔術師ギルド

種族:人族

職業:テイマー

ジョブレベル:17

加護:ーー

能力:【スライムテイマー】

スキル:【好感】、【鑑定】、【言語理解】

ジョブスキル:【指揮(リーダー)LV1】

最大HP:52

最大MP:3000

攻撃力:31

防御力:19

魔法攻撃力:7500

魔法防御力:7500

====================

[魔法スキル]

火:

水:

風:

土:

雷:

回復:【プチヒール】、【???】、【???】

聖:

闇:

無:

====================

[今話新習得スキル・魔法]

【プチヒール】;傷を少し治癒する魔法。

少しなので、擦り傷程度しか治せない。

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