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第三話『遂に、町へ!』

「ん?ジョブレベルが上がってるぞ?」


異変に気付いたのは3日目の夜だった。

金稼ぎを終え、寝る前になんとなくステータスを確認したらジョブレベルが9になっていた。


指揮(リーダー)】に変わりはない。

10レベルごとに効果が変わるとかだろうか。


ダーフによるとジョブレベルはジョブスキルを使用することでジョブ経験値が溜まり、レベルアップする仕様らしい。


指揮(リーダー)】は常時発動スキルなのでもしかして時間経過で経験値が貰えるのかと期待していたが、実験してみた所、自分がテイムした魔物が得た経験値と同じだけ、ジョブ経験値が入るらしい。


今の【テイマー】のジョブレベルは13だが、【指揮(リーダー)】はまだパワーアップしない。


ダーフもさすがに【テイマー】についてはあまり詳しくないらしい。

今日調べてみるか。


どうやって調べるかって?

もちろん町で、に決まってるじゃないか。

2日間ただひたすら【変換(コンバート)】を続けた結果、所持金が3金貨と23銀貨、50銅貨だ。


日本円でどのくらいかは知らないが、入国料が食費より高いということはない筈だからかなり稼げたのではないだろうか。

そして、俺は門の前に立った。


「おい、そこの貴様!ここはドーラの……おや?貴様は2日前の………金は溜まったのか?」


門番がニヤリと笑う。

勤務中にこんな猟奇的な笑みを浮かべていいのだろうか。


「ええ、おかげで。確か3銀貨ですよね?」


俺が袋から銀貨を3つ取り出すと門番が凄く驚いていた。


もしかして金ってそんなに早く溜まらないもんなのかな?

それの10倍以上残ってるんだけど…


「き、貴様、いや、お前。」


言い直した意味があまり感じられない。


「ドーラ騎士団に入らないか?」


「………へ?」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





門番さん改めドグルゴさんはドーラ騎士団の第12騎士団に所属しているらしい。

ちなみにドーラ騎士団は実力順に1〜12まであるらしい。


つまりこいつは下っ端の下っ端なくせに俺にあんな大きい態度をとっていたのか。

いや、お仕事だから恨んでる訳じゃないよ?


「いえ、その…この国に来たばかりでまだ常識すら持ってなくて…これからはしばらくこの町で過ごします。」


「そうか…いや、呼び止めて悪かったな。

お詫びと言ってはなんだが、この町と生きていく最低限の常識を教えよう。」


あれ?もしかしてこの人意外と良い人?

少し見直したぞ。


『おい、マスター。こいつはなんと言ってるんだ?』


『ああ、この人に常識を教えてもらう。

ほら、肉やるから大人しくしてて』


『む、我輩は賢いスライムだ。

肉には釣られんぞ。少し齧るだけだ。』


おもいきりかぶり付いたダーフをドグルゴさんが見つめる。


「ほう、スライムか。お前、テイマーか?」


「ええ、まあ」


「中が良さそうで微笑ましいな。

しかし、スライムというのは戦力には使えんだろう?」


「いえいえ、とんでもない。

こいつは優秀で、俺なんて何もしなくても勝手に倒してくれるんですよ。」


「フッ。冗談を。

さて、この町だが、まずはギルド。

此処、ドーラの町には3種類ある。

冒険者ギルド、魔術師ギルド、戦士ギルドだ。

どのギルドでもそのギルドに見合った依頼が用意されている。

冒険者ギルドなら迷宮の探索、魔術師ギルドなら魔法を使った仕事だ。

そこで金を払って手続きを済ませればギルドカードを作ってもらえるぞ。

ギルドカードについて詳しくはギルドの人に聞いてくれ。

次に、役所だ。

ここではまあドーラの国に籍を置いたり、…あとお前、【ステータスカード】を持ってないだろ?

役所で作ってもらえるぞ。

あれがなきゃ、何処へ行っても不利だ。

あとは食べ物やら装備やら……あと、おすすめはしないが奴隷商店もある。

もし騎士団に入りたくなったらドーラ城を訪ねるといい。

俺が紹介状を書いて置いてやろう。

使わないなら焼いて貰って構わん。

なにか聞きたいことはあるか?」


ドグルゴさんの説明長いな…

しかし、なんかテンプレな町だな。

ザ・異世界転移っていうか…

ファンタジーとRPGが混ざってるのも面白い。


「魔法スキルってのは魔術師ギルドでどうにかなるのか?」


「ああ、魔法は魔術師ギルドで使い捨ての本が売ってるが…入門でも金貨3枚だ。

とてもじゃないが買えないだろ?」


「いや、買え………いや、買えないな。」


買えると言いたかったが、自分の力を誇示して厄介な輩に狙われるというのは異世界あるあるだ。


「聞きたいのはそれくらいか?

そろそろ勤務に戻らないといけない。」


「ああ、ありがとう、ドグルゴさん。

また会えるといいな。」


「ああ。金がなくなったらまた来いよ?

特別に銅貨3枚で外に出してやるぜ?」


「ありがとう。

…そこの張り紙に銅貨1枚で外に出れるって書いてあったけどな。」


「しまった!?」



こうしてなんだかんだで門番とも友情を築けた(?)し、情報も手に入った。


さて、とうとう始まった!

ここからが本当の異世界だ!!

やってやるぜ!




「そこの君、迷惑だからいきなり変な動きをするのはやめなさい。」




こうして俺の異世界転移生活は衛兵さんの注意で始まった。

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