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第一話『相棒と契約』

「ある日〜♪森の中〜♪クマさんに〜♪」


田中君によると町の外は魔物だらけと聞いているのだが、森の中は少ないのだろうか。

気配すらない。

せっかく貰った剣が試せないじゃないか!


と思っていた時期が私にもありました。

いきなりゴブリンに周りを包囲された。


くそ!森に入った時から狙われてたのか!

いや、たまに視線を感じることはあったけどさ?

まあいい。

早速剣を試してみよう。


そう思い、俺は目の前のゴブリンにおもいきり斬りかかった。

目の前に凄い衝撃波が起きてゴブリンは木っ端微塵になり、100m程先まで地面が裂けた。


「え?」


そこまではいい。

田中君が「一撃必殺じゃ!」とか言ってたから相当強いんだろうなとは思ってた。ここまでの威力は想定外だが。


その後だ。剣に埋め込まれた宝石が光り、剣が砕けたのだ。

…田中君、もしかして一撃必殺ってこういう意味?

「一撃しか放てない必殺技」?

それを俺はゴブリンに………


ま、まあ物事は何でも前向きに考えるのが大事!

大丈夫!今の一撃でゴブリンはビビった筈…


なのだが、普通に警戒して今にも襲いかかって来そうだ。

必死で考える。


そうだ!魔法があるじゃないか!

田中君から詠唱は少しだけ教えて貰っている。

俺のステータスなら初級魔法でも一発だろう。

えっと………


「燃え盛る魂よ!今我の下僕となり、視界を燃やさん!

ファイヤーボール!」


ファイヤーボールでこのかっこよさとは。

詠唱をコレクションするのもいいかもしれない。

そして、魔法の方だが…


何かが起きる気配がない。

ゴブリン達はいきなり叫び出した俺を見て少し後ずさりした。


ありがとうございました。

召喚されてから1時間です。

亭年1時間。


田中君の嘘つき!いやだ、死にたくない。あんな斧で切られたら絶対に痛い。

せめて何か………


そうだ!アレがあった!

俺は鑑定でアレを確認する。


………ふむ、成る程。

よし、どうせ死ぬならファンタジー能力を少しでも堪能しよう。

そして、俺は叫んだ。


「おーーーーーい!!!スーラーイームー!!!出てこーい!」


するとすぐにスライムが現れた。

しかし、そいつは俺の知っているスライムとは若干違った。


見た目はゼリー状なのだが、色が黒いのだ。

もしかして闇魔法とか使えるのだろうか。

いや、着目点はそこだけではない。

彼(彼女)は颯爽と木の影から現れた。



一体だけ。



少なくね!?流石にスライムでゴブリンには勝てないだろ…

やっぱり底辺能力だったのかよ!


せめて死ぬ前にあのスライムをぷよぷよしたかった…


そんな思いはすぐに打ち砕かれた。

スライムが速いのなんの。

10秒程で30匹はいたゴブリンを倒した。

体当たりで、だ。

そしてーーー



『お前が俺を呼んだのか?』


スライムが喋った。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




改めて【スライムテイマー】の能力を確認しよう。


【スライムテイマー】

呼応(コール・オン);大声でスライムを呼び寄せる事が出来る。

数は使用者の技量・想いに影響される。


会話(おしゃべりしましょ);スライムの言語を理解し、話すことが出来る。


使役(フェロウ・スライム);スライムに許可を得る、スライムとの戦闘で勝利する、のどちらかを満たした場合、該当するスライムを従魔にすることが出来る。(従魔になったスライムに対しては、命の危険に関する命令以外の命令権が与えられ、従魔のスライムは使用者に危害を与えることが出来ない。)




さっきは咄嗟に①を見て使ってしまったが、テイムするのにも条件が必要なのか。

スライムで国を作ってウハウハとかしたかったんだけどなー。

あ、でも許可を取れば良い訳だから住みたいスライムを募集するってのもありか。


『おい、聞いてるのか?』


場所はここでいいとして、資金はどうするか。

さすがにスライムに買い物に行かせるのはダメだからやっぱり森にある物で経済を回すしかないか?


『おい!そこの人間!』


ていうかスライムに知能ってあるのか?

あ、喋ってるからゴブリンよりは知能高めって所か。

てか『会話(おしゃべりしましょ)』と『言語理解』が被ってる気がごふっ!


『貴様…殺されたいのか?』


スライムが体当たりして来た。

ゼリーのくせに俺を吹き飛ばすとは。

予想外デス!


「痛てぇな!何すんだよ!」


『……?人間語………。

我輩を呼んだのは貴様では無いのか?』


あれ?『会話(おしゃべりしましょ)』って常に発動してる訳じゃ無いのか?

話す時だけ任意とかなのかな?

やってみるか。


「むむむ………『会話(おしゃべりしましょ)』!!!」


あ、なんか脳の中身がすり替えられた感覚。


『や、やあ。ご機嫌いかが?』


『!…やはり貴様か。

もちろん我輩を呼んだと云うことは我に勝てる自信があるのだろうな?』


『いや、無い!

多分体当たり10回ぐらいで死ぬ!』


実際、それくらいの威力だ。

今だって頭が痛くて死にそう。


『…ふ、ふは、フハハハハ!』


なんだ、こいつ?

さっきからの喋り方と言い、笑い方と言い、次期魔王でも目指してるのか?

流石にその100立方センチメートルくらいの体じゃ無理があると思うぞ?


『そうか!なるほど!貴様!面白いな!』


何がなるほどなのか分からないし、何にも面白くない。


『いいだろう!元から我に勝つことなど期待しておらん!久し振りの人間だから喰おうと思っていたが、なってやるぞ!』


『えっと……何に?』


『従魔に決まっておろう!』


何だかよく分からんが、こいつが俺の知っているようなスライムじゃない事だけは分かった。



『お断りします。』


『…え?』


スライムが変な声をあげる。

だってこいつ怖いもん!

その内『契約条件として貴様の魂を貰おう!』とか言って来そうだもん!


こいつが特別なスライムなのかそれともスライムはみんな魔王志向なのかは知らないけどこいつには関わらない方がいい。


前者なら普通のスライムをプニプニすればいいし、後者なら『好感』以外のスキル2つで頑張るまでだ。


『ちょ、ちょっと待った!

分かった!魂は奪わん!

そうだな…一日3000MPで我慢してやる!』


『元々魂奪う気だったのかよ!

やっぱり信用ならん!

大体お前強いからって威張りすぎだ!』


『ぐぬぬ…』


あれ?怒ると思ってたんだが…。

意外とこいつ、根はいい奴なのかもしれない。

まあ騙そうとして来たのには変わりはないが…

ていうか3000って丁度俺の最大MPじゃねえか!

流石に魔法を使えなくなってまでスライムを仲間にはしたくないぞ?


『わ、分かった!一日100MPでどうだ!』


『うーん…もう少し少なくならない?』


『いいや、ダメだ!むしろ少なすぎるぞ!代わりに飯はたくさん食わせろよ!』


なんかスーパーの値引き交渉みたいになってきたな…

というか従魔になる前提なんだな。


『分かった。一日50MPで手を打とう。』


『よし!………む?さっきより減ってるではないか!』


『いいや、減ってない。

考えてみろ。1000個の肉を100人で分けると一人10個しか肉がもらえないが、50人で分けると一人20個も貰える。』


『おお!素晴らしいではないか!』


うん、こいつ馬鹿だ。


『分かった!一日50MPだな?さあ、契約を頼む!』


『え?』


契約とか知らされてないんだけど?


『どうした?まさか我の主人ともあろう者が契約もできないわけが無いよな?』


『も、もちろん!

えっと…

な、汝、我と契約を結べ!』


適当に詠唱してみたら俺とスライムの間に光の線ができた。

これが契約だろうか。


【スライムの名前を決めてください】


いきなり脳内に声が!?

名前か…こいつ黒いし…


『ダークフレイムマスターで』


【ダークフレイムマスター。で登録しました。】


あ、適当にふざけて名前決めたら本当にダークフレイムマスターになってしまった。

スライムが「え?」みたいな顔をしてるけどまあいい。

しばらくすると光が消えた。


『よろしくな、ダークフレイムマスター!』


『我は闇の炎など使わんのだが』


あ、やばい。

静かに怒ってる感じだ、これ。


『じ、じゃあ略してダーフレ…いや、ダーフってのは?』


『おお!それがいい!ダーフか!いい名前だ!』


相変わらず単純だ。

ともあれ、これで心細い俺にも仲間が増えたというわけだ。


そういえば、こいつってどれくらい強いんだ?

『鑑定』してみよう。




名前:ダーフ=エルロンド

レベル:90571

称号:スライムの覇者

所属:ーー

種族:スライム

職業:流浪人

ジョブレベル:957

加護:魔神の加護 (闇属性攻撃力2倍・闇属性耐性2倍・最大MP3倍)

能力:【王の可能性】

スキル:『吸収』、『溶解』、『超高速移動』、『物理攻撃特化』、『魔法攻撃特化』、『闇属性特化』、『物理耐性特化』、『魔法耐性特化』、『無詠唱魔法』

ジョブスキル:『生活の極み』、『無尽蔵』、『天候無視』、『地形無視』

最大HP:9994327

最大MP:9995761

攻撃力:134669

防御力:105396

魔法攻撃力:99995

魔法防御力:99996




うん、予想以上(異常)にチートでした。

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