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第2話 異世界?

「いったいどーなってるんですか?」




 あのあと僕らはなんとかおじいちゃんを救出し、今は一階の居間で長方形のテーブルを囲んで座っています。


 ちなみに僕の横にはおじいちゃん、そして僕の向かいにマリアさん、その横にマリアさんの妹のレンちゃんが座っています。


 軽い自己紹介も終わり、本題に入ります。


「ふむ、この件についてはワシが説明しよう」


「話がややこしくなるからいいです」


 僕はでしゃばる変態を手で制し、マリアさんに話を聞きます。


「それで… いったい何がどーなってるんですか?」


「はい、それが私もよくわからなくて…」


 マリアさんは苦笑いしながら言葉をつまらせます。


 にしても本当に綺麗な人だなぁ。


 僕がマリアさんに見とれていると、変態がまたでしゃばってきました。


「やはりワシが説明をするしかないようじゃのぅ」


 おじいちゃんは偉そうに手を組みながら言いました。


 まぁ確かに僕もマリアさんも状況がわからない以上、おじいちゃんに頼るしかありません。 でもなんか悔しいです。


「さて、どこから説明すれば良いかの〜」


 おじいちゃんはあごを手でさすりながら目をつぶりました。


 考えの整理でもしてるのでしょうか。


「………」


「………」


 長い沈黙が流れ、僕とマリアさんはおじいちゃんが話しだすのをじっと待っています。


 ちなみにレンちゃんはマリアさんにもたれかかり、すやすやと眠っています。


「………」


「……おじいちゃん? まだ?」


 僕は沈黙に耐え切れず、おじいちゃんに声をかけます。


「………」


 しかしよほど集中しているのか、おじいちゃんはぴくりとも反応しま一


 ん? いや、これは…


「寝るな!!」


 スコーン! とおじいちゃんの頭をはたきます。


「んぉ!? ここはどこじゃ!?」


「寝ぼけてないで早くこの状況を説明してください!」


「ぉお、すまん。 ん〜そうじゃな… どこまで話したかの?」


「まだ何にも話してません」


 はぁ… 先が思いやられるよ。


「そうかそうか。 では簡単に説明するとじゃな、マリアさんにレンちゃんといったか? その二人は異世界人じゃ」


「異世界人!? そうなんですか!?」


 マリアさんに尋ねると、彼女は少し困ったような顔をして、


「ぅ〜ん… 確かにここは、私たちが住んでいる世界とは少し違うような気がします」


 少し首をかしげながら言うマリアさん。


 異世界って… あぁだめだ、頭が混乱してきました。


「異世界って何なんですか?」


「異世界といっても、基本はわしらの世界と同じじゃよ。 ただその世界によって何かがあったりなかったりするだけじゃ」


 お茶を片手に語り出すおじいちゃん。


「……どーゆーこと?」


 いきなりこんな話を聞かされても全く頭がついていきません。


「簡単に言うと、さっきのあの化け物じゃ」


 化け物? あぁ、研究室にでたスライムのことか。


「あのスライムが何なの?」


「わしらの世界にあんなもんは存在せん。 しかしマリアさんの住む世界にはそのスライムがいるんじゃよ。 そうじゃな?」


 おじいちゃんがマリアさんに確認をする。 急に話をふられたマリアさんは、別にびっくりするとこもなく、冷静に返事をします。


「そうですね。 確かに私たちの住む世界には、さっきのようなものは当たり前にいます」


 あんなのが当たり前にいるの!? なんて恐ろしい世界なんだ…


「それが異世界じゃ、まぁ簡単に言うと外国と一緒じゃな。 場所も違って文化も違うじゃろ」


「外国… かぁ」


 わかったようなわからないような…


「あの、一つ質問してもいいですか?」


 僕が頭の中を整理していると、マリアさんが小さく手をあげて尋ねてきた。


「なんですか?」


「私たちはなぜ違う世界に来てしまったのでしょうか?」


 マリアさんの質問に、僕は先程の記憶がリフレインしてきます。


「……それはたぶん、僕のせいです」


 いや、間違いない。 僕が押したあの赤いボタンは、異世界へと通じる道をつくることができる装置の起動スイッチだったんだ…


「それは、どーゆーことですか?」


 真剣な表情のマリアさん。


「はい。 ついさっき、うちのおじいちゃんが異世界への道をつくれる装置を作ったらしいんです」


 僕は机の上に置かれた、もうぬるくなってしまったお茶を見つめながら話します。


「それで… 勝手に僕がその装置の起動スイッチを押してしまったんです。 そしたら急にマリアさんとスライムが現れたんです」


「そうだったんですか。 それで、もう一度その装置を使えば元の世界に帰れるんですね?」


 スッキリ、といった感じのマリアさん。


「そうじゃ。 もう一度使えば元の世界に帰れるはずじゃ」


 おじいちゃんが答えます。


 よかったぁ。 まったく、一次はどーなることかと思いました。


「まぁ装置が無事なら、の話じゃが」


 後から意味深げにつけ加えるおじいちゃん。


 ってことは…


「もし装置が壊れてたら、マリアさんたちは帰れないってこと?」


「そーゆーことじゃな。 一度使って壊れとるかもしれんし、さっきの化け物が暴れて壊しとるかもしれん」


 そ、そんなのあまりにもひどすぎるじゃないですか!


「新しいのは作れないの!?」


「無理じゃ、設計図がないんじゃよ。 勘で作ったから」


「そ、そんなぁ…」


 もしマリアさんたちが帰れなかったら僕はどー責任をとればいいんだ…


「大丈夫ですよコウジさん。 まだ帰れないと決まったわけでもないんですし、元気を出して下さい」


 天使の笑顔で元気づけてくれるマリアさん。


 そうですね! 確かにまだマリアさんたちが帰れなくなったと決まったわけじゃないんだ!


「行きましょう! 研究室に!」


 僕は立ち上がり、グッと拳をにぎりしめます。


「しかし…」


 なぜかマリアさんは暗い顔になります。


「どーかしたんですか?」


「さっきの所にはまだスライムがいます… あれを倒さないことには装置の確認なんてできないのでは?」


「なら倒しましょう!」


 さっきは驚きましたが、よくよく考えればしょせんはスライムです。 何も恐がる必要なんてありません。


「本当に、本当に言っているのですか!?」


 あれ、マリアさんは何をそんなにびっくりしているのでしょうか? …まさか僕の勇気ある発言に驚いているのか!? これは… チャンス!! ここはカッコイイところを見せて、マリアさんをメロメロに…


「ふふ… 任せてください! あんな化け物、ささっと片付けてみせましょう」


「それは頼もしいですね! まさかスライムに自分から挑んで行くなんて」


 …なんか、大袈裟すぎやしませんか?


 僕は目をキラキラと輝かすマリアさんに一つ聞いてみました。


「ところで、スライムってどれくらい強いんですか?」


「そうですね〜 スライムは神獣として恐れられ、鍛え抜かれた屈強な戦士でさえ一人では闘おうとはしません」


 …ぁ、あれぇ〜 スライム、ですよね? あのゲームだと始めにでてくるやられキャラですよね? 神獣? あいつ神なんですか? あは、あはははは…


「あの、大丈夫ですか? 足が震えてますよ?」


 心配そうに僕を見上げるマリアさん。


「ふふふ、武者震いとゆーやつですよ」


 僕のばかぁ! なにが『ささっと倒してみせましょう』だよ! あぁ、カッコつけて変なこと言わなきゃよかった…


 しかし一度言ってしまった以上、もう後戻りはできません。


「頼もしいですね。 頑張って下さい!」


 マリアさん。 そんな期待をこめた目で見ないで下さい…


「さ、さあ! 行きましょう! もうやけくそだ! ははははは…」






 こーして僕の命懸けの闘いが始まりました。



コウジ「ってかこないだの伏線はどーなったの!?」


作者「ん? なんのことだい?」


コ「僕が何かに気付いていなかった! みたいな」


作「ぁあ、それは次ね。 思ったより話が進まなかったから」


コ「気になるなぁ〜 やっぱり、今教えてくれない? どーせ次の更新も遅くなるんでしょ?」


作「でわみなさんまた次で会いましょう! さいなら〜」


コ「ぇえ!? また無視!? しかもこのタイミングで!? 嘘でしょ? まだ終わらないよね? 冗談だよね? ねぇなんか言ってよぉぉぉ!!!」


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