突撃!!要次のお部屋!
短い。文章力無い。
「お前ん家近いな」
「あ?うん。」
おチビさんの要次とノッポさんの雅美。凹凸の激しいコンビが線路沿いの道を行く。遠目に見ると姉弟に見えなくもない。辿り付いたのは木造のアパート。外側の階段を登り、二階の要次の部屋へ。
ガチャッ
ドアを開けて部屋に入る。
「靴は並べてね」
要次はそう言って直ぐに台所へ歩いて行った。
(神崎の部屋・・・)
目を見開いてぐるりと室内を観察する雅美。全体的に片付いた部屋だ。小さめで、本棚とテレビ、ステレオがスペースを圧迫しておりちゃぶ台が中央に据えてある。
「飲み物何が良い?」
「サイダー。」
軽い問い掛けに答えながら更に部屋の壁を睨む。さっきから部屋を妙に調べているのは、ある探し物が有るからだった。
念入り見らずとも見つかった。一部凹んだ壁。赤黒い跡も所々に残っていた。
(自傷か?)
雅美は顔をしかめる。
「おーい、東口サン、サイダーとお菓子持ってきたぞー」
「ああ、御苦労さん。」
気取られぬ様に笑みを浮かべる。今日の内に話しておこう。
※
「ハイ、駒動かした。攻撃対象装甲師団、サイコロ振って」
「僕は6、軽師団の戦闘力と合わせて9。」
「あー、私2、装甲師団の戦闘力と合わせて7。負けた。」
「退却マス無し。部隊全滅。虎師団打ち取ったり!」
「全滅した!」
かれこれ一時間位戦術ウォーゲームに没頭している二人。サイダーは炭酸が抜けていた。
「チクショウ、勝てん!!」
雅美は後ろに左手を突き、温いサイダーを胃に流す。そして急に身を起こし、盤を片付ける要次の腕を掴む。
「えっ」
要次の戸惑いはお構い無しにスルスルと服の袖を上げる。
「お前何してんだ」
アザに擦過傷。要次の左腕は傷だらけだった。
「辛くなって・・・転げ回って・・・部屋狭いからぶつかって・・・」
「薬飲んでんのか」
「最近は大丈夫かなと思って飲んでなかった。」
「大丈夫じゃねぇ、飲め。」
「うん・・・飲む。」
「分かったなオイ!あ、それと」
そう言うと要次が床に置いた盤を持ち上げちゃぶ台にドン!と置いた。
「もう一回。さっきのはお前のまぐれだ、神崎ィ!」
キョトンとした要次だったが、直ぐにニヤリと笑う。
「そうだと良いねぇ!先攻か!後攻か!」
「ジャンケンポンッッッ!!!」
※
「ホント強いなお前。また来る。次は勝つから。薬飲め!!」
「飲むよ。じゃあね。帰り気を付けて。」
要次は交差点で雅美を見送り、自分も家に戻り始める。
「東口サンに迷惑掛けらんないよ・・・」
自分がしっかりしなくてはいけないなと強く感じた。自然に歩く速度が速くなり、気合いが入ってくる。気をしっかり持って。辛い事は忘れて。
さあ夕御飯作るぞ。今夜はコロッケナリ!!とか言いながらアパートの二階へ上がって廊下を見た瞬間、彼の顔から笑顔が消えた。
「ピュッピュッピピィ~♪」
ドアの前に置いておいたゴミ袋の前にうずくまり、中身を漁る灰色のニットセーターを着た女。青いニット帽を被り、ショートヘアから毛がピンピンと飛び出ている。そして何度も繰返し使っていそうなマスクと目が見えているのかと疑う位長い前髪の間に見える目はゴミ袋を凝視しており、階段を駆け上がる音にも気付いていない様にも感じる。
「え?ええ?」
「わ、わ、パンツゲット!!・・・ああ!!」
女はグルリと目だけを動かして此方を見やり、勢いよく立ち上がった。
マスクをブチブチと無理矢理外し、とって付けたような笑みを浮かべる。
「もう帰ってきたんだ!!早いね!神崎君!!」
見覚えのある女の顔。要次の体を恐怖感が支配し、頭が混乱して頭が働かなくなる。
「アレ、逃げないの!?す、す、据え膳?君待ってんの?」
一気に捲し立て、女は勢い良く要次を床に押し倒した。
この荒廃した駄文に太陽の勇者が!とかなんないですかね。