ストーカー滅すべし。
待っていたぜ!この瞬間をよォォォォォォォォォォォォ!!
...汚い女が彼の上に覆いかぶさっている。夢中なんだろう。後ろに付いたというのに気付きもしない。女の襟にスプレイのノズルを差し込んでそっと押す。
冷却スプレイを素肌に浴びた繭樹はもごもご声ともつかぬものを出して口を放した。相当驚いてるんだろうな。
「.....お前」
わたしを睨んで隠しもせずガリガリ歯を鳴らしている。唸るな、気持ち悪い。口を開けた。こいつ、喋るのか。
「直接しゃべるのは久しぶりね、東口さん。」
「歯軋り治せよお前、長持ちしないぞ」
「はっ。」
何か振りかぶる。警棒か。よっと。大振りだな、振った後もちょっと止まるし。コレ当たんの?
「えっ?嘘?」
「おそい」
無視してマイハニーの傍にしゃがんだ。口からめっさ血出てますやん。コレは頂けない。赤は似合わないよ君には。
「う"う"っ...ヒガシグチ=サン...」
「ドーモ、カンザキ=サン。ちょっと横になってろ」
うりうり。頭を撫でてから繭樹に向き直った。
「要次が、世話になったっぽいな。赦さんぞ」
「傍観者が何言ってんの?凄い丁度良く出て来たよね?」
「虫の知らせで来てみれば愛するあの人がピンチ!」
柄にも無くお目メをクリクリっとさせて見せまーす。
「あんた、考え様によっちゃ私よりも」
「悪いかもよー?」
繭樹ちゃんてば警棒頭目掛けてビュッと回して来ます。へっ。オセエんだよ。躱してすれ違いざまに右頬に拳を見舞う。良い音がした。少し笑う。
「痛った...あんた女?」
又来る警棒を腕で受けて続いて来る拳を首捻を捻り避ける。そして鳩尾に一撃、食らって身体を曲げた所に背中に手を回し膝蹴り。
声も出なくなった繭樹。フラフラで厭戦ムードが漂いますね。でももっと身に刻んでやろう。
「こ、降参、降参!!」
ホールドアップは意味無えぞ。愛に交戦規定は無い。




