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三話 親友?

俺は宣言どおりM4カスタムを渚に手渡した・・・とほほ、俺が今日メインの銃にしたかったのに・・・


「やった~!M4だ~」

そんな俺を見ていないかのように、そう言いつつ顔をニヘラと歪ませ奇妙な歓喜の踊りを踊っているのは・・・俺の親友、天津風渚。


といってもラノベの主人公のように家が隣で窓から女の子が自分の家に入ってくるとかとか、田舎にいる従兄弟だとかそういうのではない。


たまたま小学校、中学校、高校とずっと同じ学校、同じクラスだっただけに過ぎない、こういうのを腐れ縁と言うのだろうか?


最初はなんとなくだったけど話しているうちに話もあってきた、それに何故か彼女も『ミリオタ』だったのだ。


俺が今日のようにサバゲーに参加しているのも彼女が教えてくれたおかげだし、今のところ彼女に感謝してる。叔父さんとの仲も実質サバゲーが関与してるしな・・・

そう感慨に耽っていると渚は俺の顔を覗き込んできた。


「勇ちゃん、熱でもあるの?ボー、としてるよ?馬鹿みたい」


いきなり覗き込まれたせいで俺はびっくりして後ずさりした。俺だって思春期盛んの男だ、そりゃあ美人(?)の顔が目の前にあったらびっくりするだろう?そうだろう?てか・・・


「てか、お前に馬鹿とかいわれたくない!学校最底辺の癖に!」


「へへーん!そんなこといいもん!渚ちゃんは本番に強い子だもん!それに馬鹿って言ったほうが馬鹿なんだもん!!」


そういいつつM4を片手に取りつつ両手を挙げ口を尖らせ『お怒り』のようなポーズをする。


学力の成績だが俺はそこそこだが渚は赤点間近の成績を取りすぎている。

その反面渚は体育なんかはすこぶる良い。小学校から通知表には『5』が付いているそうだ。なぜ渚の高校の成績を知っているかというと高校に入ってから俺が渚の勉強を教えているからだ。


ある日の放課後に机の前に来てクラスの全員がまだいる教室で『勉強教えて!!』と大声で渚は叫んできた。


まあ、そこそこ中学の時なんかは交友があったし何より俺しか頼れる奴が居なかったんだろう、まあ俺は別に快く受け入れたし俺も話し相手とかが欲しかった、まあ「win-win」の関係というやつだろう。

まあ、これで渚と親しくなったのかを分かってもらったと思う。


さて・・・残念だが馬鹿と言われて黙っておくわけも無いしさっきの固めの仕返しもしないとな・・・とりゃ!


「ん?勇ちゃん、私の頭の横に手を置いて何するの?」


「そうだなあ、悪い子には・・・こうだ!」


グリグリグリグリグリグリグリ・・・・・

俺は容赦なく渚のこめかみを両手でグリグリと押し込んでいく


「痛い!痛いよ!勇ちゃん!」


今度は渚が手をバタバタと動かす番だ。だがまだ降伏はしないみたいだ。

俺は最大パワーで渚の頭をグリグリする。俺が拳を押し込む度に「アババ」など可愛らしい様な抜けているような悲鳴を上げていた。

そのやり取りを他の人はまるで恋人かのようにニコニコと笑顔で見守っていた。


俺は渚にお仕置きをした後受付を済ませ更衣室を借りて迷彩服に着替えた。


一番気に入っているのがアメリカのレンジャー服にレンジャー装備、やっぱ映画やドラマでも取り上げられているようによく目にする一番人気の迷彩服だ。


シンプルだが装備にいたっては充実してるし、取り回しの聞くいい装備、さらに今回のフィールドは10平方キロメートルの最大アウトフィールド、下見の結果からフィールドに合うピクセルカモ迷彩を着用し隠蔽は抜群、ここでM4があれば完璧なのだが・・・残念ながら今俺の手にはM60 E3ショーティを手に取っている。機関銃手より普通の銃手がいいのだ。だがそのための相棒は先述したとおり渚に取られた・・・とほほ

話を戻そう。


これから支配人の話が始まるって言うのに渚はまだ俺のM4に満面の笑みで頬擦りをしていた。まったく・・・黙ってりゃ美人なのになぁ・・・


「えーそれではこれより第34回定例会を開催いたします!準備はいいか!?野郎共!!」


「「「ウオオーーー!!」」」


司会者の始まりの挨拶と参加者の声で俺は意識を戻した。いかんいかん、俺は何を考えているんだ。邪念を払うために自分の頬を叩く。


そこからは簡単なルール説明、ゲーム内容の提示だった。

今回は殲滅戦のようだ、この樹海の中で殲滅戦とはちょっと無理があるんじゃないかと思ったがそっちのほうがヤル気がある。だが、そこで一つの嬉しいハプニングが起きた。


「なお・・・今回は支配人の私も参加いたします!」


何だって!?参加者の中からも驚きの声が上がる。それもそのはず、此処のサバゲーフィールドの支配人はサバゲーマーの中のサバゲーマー、日本のサバゲーイベントがあるたびに顔を出しさらにサバゲー歴も長く彼を倒せる者は日本サバゲーマーには存在しないと言わしめている男なのだ。まあ、サバゲーマーのその反応は多種多様だ。逆に倒してやる!と意気込んでいる者、もはや負けを察して戦闘意欲を欠けた者など・・・まあそうなるな。

俺は勿論前者のほうだ、自分の実力を発揮する良いチャンスだ。


説明は滞りなく進み、約500名の参加者を二チームに分ける紙がホワイトボードに貼り出された。


小さいホワイトボードのため最前列に行かなければ見えなかった。ようやく最前列になって確認すると支配人とは別のチームだった。なお叔父さんは一緒のチームだった。


『よし!』と俺は心の中でガッツポーズをした。早く戦闘をしたくて体がだんだん熱くなってくるのを感じたのだが・・・その熱もすぐに消えてしまった。なぜなら・・・



Aチーム


・・・・・、菅野勇、伊藤富治、・・・・・・、天津風渚、・・・


以上がAチームメンバーとなります。蝋燭の灯をともせ! by支配人


一番一緒になりたくなかった渚の名前があったからだ・・・








後書きはまた後で投稿します。

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