永遠散歩
外へ出るとシトシトの雨
やさしいと感じればいい
傘の上にもサクサクの雨
芳ばしいと思えたりする
住宅街をとっとこ歩く
バス停を通過
すぐ右に駄菓子屋さん
まだ開いていない
おばあちゃんおはよっ
ココロの中で言う
十字路を突っ切る
左手に出前専門のラーメン屋さん
いや、本当は違うけど
店内に人がいるの見たことない
そこから少し登り坂
ハフハフ息切れなんてしない
いや、してても知らんぷり
負けやしない とにかく
ちっちゃい橋を渡る
そしたら下り坂
つんのめって転んだりしない
クタクタ軽快に足がダンス
コンビニを通り越して
まっすぐまっすぐ
紫陽花の色がシブい
某英会話教室の看板が見えた
グッドモーニング
右に曲がればすぐ小学校
同じ敷地内の保育園から
いっつも聞こえるピアノの音
何とも言えないせわしなさ
そんなに焦らないでよ
春には藤のアーチが出来る
今は葉っぱだけの棚の下を潜り抜け
やっと大きな道路にぶつかる
信号待ち 振り返れば無人の交番
歩行者信号が青に変わると
カッコウが鳴く
スマホ見てたらすぐにチカチカ
進め進めとにかく進め
二十四時間スーパーの駐車場
斜め歩き 近道完了
もうすぐ着く
最後の信号 ここは無視……あ、ダメ?
商店街の花壇はキレイ
誰がお世話しているの?
ショーウィンドウに映る私はキレイ?
姿勢が悪い 視線が不味い
人波が怖い 上手く乗れない
溺れそうになりながら
それでも辿りつく きょうの岸へ
永遠散歩 きっと永遠カナヅチ
進歩も退歩もシンクロしてる
気分次第で白黒決める
一歩、二歩、散歩
ハプニングあり
サプライズ起き
ねぇ、キミはどこに向かってる?
あっ、手を振って振り返して
おはよっ