星
春の夕暮れ時、オレンジ色の空にブルーのグラデーションが落ちてきて、星が出始めた頃、いつもあなたを思い出すよ。
あなたが住む遠い島の澄んだ青い海と、それを見つめるあなたの横顔。
夜は星がキレイだよ。
そう言って笑ったあなたに、私は確かに恋していた。
いつか一緒に見ようね。
そう言ってくれたことが嬉しくて、私も笑った。
なのになぜ、あなたは離れていったんだろう?
離れていても私はあなたを忘れたことなんてなくて、いつも今あなたは何してるんだろう?と考えていた。
メールが来る度、電話する度、あなたが近くにいるように感じてた。だけど、そう感じていたのは私だけだったんだね。
口を開けば、自分たちはうまくいかないとあなたは言った。なぜ、と聞けば、会えないからだ、と言った。君にはもっといい人がいると、吐き捨てるように言った。
距離なんて関係ないよと私は言ったけど、そう言えば言うほどあなたは離れていった。
あなたの心には、星が一つもない、真っ暗な闇が拡がっているように見えた。私の正直な気持ちも、全て黒く塗りつぶして。
今あなたはどうしているのかな?
春の夕暮れ時、星が浮かぶ度あなたを思い出す。いつかあなたの心の闇に星は浮かぶだろうか。その星を作り出す相手はきっと私じゃない別の誰かだとしても、ただ願うだけなんだ。
叶えられなかった約束。思い出す度胸は苦しくなるけど、あなたが好きだったということだけは、今でも私の胸の中で小さな星となって輝き続ける。
あなたの胸にも、いつか星が灯りますように。




