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2014年/短編まとめ

貴方といると月が綺麗ですね

作者: 文崎 美生

「遅いっ!」


はぁーっと白い息が吐き出される。


マフラーに顔をうずめた彼女が可愛くて、怒られている筈なのに顔がにやける。


そしてそんな俺を見て、彼女はさらに激怒。


「どんだけ待たせんのよ!」


部活で遅くなるから帰っててもいいと言った俺に、待つと言って帰ろうとしなかったのは彼女の方なのだが。


内心苦笑するが、そんな彼女が愛しくて仕方がない。


「ごめん、送ってくから帰ろう?」


グイッと彼女の手を引くと、彼女は渋々と言った様子で歩き出した。


今日は一段と寒い。


そろそろ雪が降るのではないだろうか。


ひんやりしている彼女の手を強く握り、上着のポケットに入れた。


「絆されないんだからね…」


むーっと上目遣いに俺を睨み上げても、正直なところ可愛いだけなんだけどね。


「んー、あ、ホラ。何か飲む?」


帰路にある公園の自販機を指差すと、マフラーに口元を埋めて「ミルクセーキ」と答える彼女。


小銭を自販機に入れて、ミルクセーキのボタンを押す。


ガコンと質量のある音と共にミルクセーキが出てくる。


それを彼女に渡せば顔をほころばせた。


それを横目に自分のコーヒーを買い、近くのベンチに腰を下ろす。


「甘いの好きだよなー」


俺が彼女にそう言うと「だって、美味しいよ?」と小首をかしげる。


その温もりを確かめるように缶を両手で持つのも可愛い。


我ながら親バカならぬ彼女バカだ。


「あ、星綺麗だよ」


俺の心中を知ってか知らずか無邪気な声を上げる彼女。


その声に釣らるようにして、俺も空を見上げた。


暗闇の中、これでもかと言う程の輝きを放つ星と月。


ふと頭に浮かんだ言葉。


「貴方といると月が綺麗ですね」


声に出しているつもりなんてなかったが、彼女が飲みかけのミルクセーキを落としたのでハッとする。


真っ赤になった彼女の顔。


あわあわとしたその様子。


俺も恥ずかしさで死にたくなる。


何をこんなに恥ずかしくてくさいセリフを吐いているんだ。


「もう!帰るよっ!!」


真っ赤になった彼女が俺の手を取り駆け出す。


俺の体は自然と前へ進む。


後ろから見てもわかる位耳が赤い彼女を、俺はこれまでになく愛しく思った。


季節感ゼロスイマセン…


初夏だというとに冬って!


まぁ、こっちのが書きやすかった…


解説


貴方といると月が綺麗ですね


これは隠語で意味は愛しています


大和言葉と言う奴ですね


よく月が綺麗ですねと言われますが


貴方といるとが重要だったりするんですよ

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― 新着の感想 ―
[一言] 僕もこの『月が綺麗ですね』という言葉が好きです。そうですね。『あなたといると』ってとても重要ですね。『あなたといると』何気ない月や日常の一場面でさえも特別なものと感じてしまう。何気ないものを…
[一言] 二人のやりとりが可愛いなぁ、と思いながら読んでいました。 月が綺麗ですね、という言葉好きです! 奥ゆかしくて、遠まわしに伝えるところがいいですよね。
2014/06/10 22:30 退会済み
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