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魔女のアナ  作者: takayuki
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大切な人

 【第四の魔法】大切な人


  アナは魔法をかける事でルークの気持ちを自分に向ける事に成功しましたが、魔法を使う家系に生まれてきたアナなのにどうしてもルークの心を操り、ルークだけではなくミシェルまで傷つけてしまった事を悲しんでしまうのでした。


 そんなアナに気付いたのか、ルークから昨日デートしようと言われました。アナはそれも魔法で心を変えてしまったからだとは、分ってはいたのですが、ルークから誘ってくれた事をとても嬉しく感じました。


 土曜日の朝、ルークはアナの家の前でアナを待ってくれていました。アナが玄関を出るとルークは片手を前に出して


「アナ。今日はずっと一緒にいられるね」


と、優しい笑顔で迎えてくれたのです。そんなルークを見るとアナはあの夏の事を思い出して胸の奥が苦しくなりながらルークの差し出された手を握りました。すこし、涙が出たのですが、ルークに気付かれないように顔を横に向けてサッとその涙を拭きとり笑顔をルークに見せるのでした。


 夏にこの町の小学生が遊ぶと言えばプールしかありませんでした。川の近くのプールです。その途中大きな橋を渡り二人は歩き向かいました。


 プールで楽しみながら、アナはこのパラレルワールドのルークも変わらず優しくて頼りがいのある男の子だったことにとても嬉しく思いました。でも、そんなアナの心の中ではルークに起こる出来事の理由をどれだけ自分の水晶玉で占っても見えないことへの不安が消えずにいたのでした。頼りは水晶玉の青い光の知らせだけだったからです。

 二人が十分プールで楽しんだぐらいの時にアナはサレナに気付いてびっくりしました。


 「サレナ。あなたもプールに来てたの ?」


 ほこらしげな顔でサレナはアナに話してきました。


 「どう ?アナ。ルークとは楽しめてる ?わたしに感謝しなさいよね。あなたが落ち込んでるから、ルークを使ってあなたを励ましてあげたんだから」


 それを聞いて驚いたアナは、すこし考え込んだ後、サレナの腕をつかんで怒りました。


 「どうして・・・どうしてなの?サレナ・・・サレナあなたはいつになっても人の気持ちがわからないのね!わたしは今日はルークが私の為に誘ってくれてると信じてたのよ!今日全部あなたの魔法のまやかしだったの?」


 ショックを受けたアナはサレナに向かって怒りながら泣いてしまいました。そんなアナをみて引きつった顔でサレナが


 「ごめん・・・アナが喜んでくれると思ってやったことなの・・・どうして怒るのよ ?・・・わたし、アナと出逢う前よりはずっと、ひとの気持わかるようになったでしょ ?それを教えてくれたあなたの事、ずっと心配してるの。友達だと思ってるの。ごめん。ゆるしてよ・・・」


 アナはプールの水を自分の顔にかけて涙を洗い落としました。サレナにもルークにも何も言わずにアナは無言で帰って行ってしまったのでした。


 【第四の魔法】おわり


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