僕は、泣きたい訳じゃない。
これは、ちょっと変わっている僕のお話。
僕は、泣きたい訳じゃない。なのに、怒られるとすぐ泣く。僕は、何にも思ってないのに。悲しいとか、悔しいとか、そんなんじゃないのに、すぐに泣く。どうでもいいって思うのに、なんでか、どうしてか、すぐに泣く。
僕は、泣きたい訳じゃない。あるとき僕は、責められた。責められたから、惚けた。「これ、貴方がやったのよね?」全くと言っていいほど記憶になかった。そういうときは、たいてい僕がやってることにされる。違う。そう言っても無視されるだけ。正直に言ったら怒らないから。それ、怒る人が言う言葉なんだよ。
僕は、泣きたい訳じゃない。そう言っても信じてくれない。怒られて泣いたら、必ずと言っていいほど言われる言葉がある。「泣いたら許されるとでも思ってるの?」本当に酷い。誰もそんなこと思ってない。それなのに、責められる。こんな理不尽、あるだろうか。許されたいから泣いてるなんて、そんな都合のいい解釈、本当にやめて欲しい。
僕は、泣きたい訳じゃない。本当は泣きたくなんてない。いつも笑って楽しく生きたい。でも、僕は泣き虫だから、きっといつでも泣いてしまう。そんなんだから、僕は自分を許せない。
僕は、泣きたい訳じゃない。そんなことを言い続けて、僕は泣けなくなっちゃった。
僕は、泣きたい訳じゃない。だから、僕は自分を守るために、ほかの誰かを傷つけないように、ひっそりひっそり生きていく。もしも自分に自信を持てたなら。
そのとききっと、僕は、心の底から笑顔をみせる。
僕は、泣きたい訳じゃない。でも、今は、泣くことを許して欲しい。そして、いつの日か、心の底から笑えるようになりたい。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。