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能無し勇者は知恵とLV1魔法でどうにかする  作者: (^ω^)わし!!!


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天高くそびえたるはドワーフの塔なり

バイオハザード9のレオンがポルシェのカイエンに乗っていた。

あれは本来、ハンカチ王子が乗りたかった車のはずだ。

ハンカチ王子がバイオ9をやったらどんな気分になるだろうか。


ちなみにわしにとってカイエンと言えばFF6の方なのだが、FF6はどうしていまいち人気がないのだろう。

序盤から畳みかけるようにイベントストーリーが流れて、お城が砂漠に沈んだところとか最高にわくわくするのに。


まあ、カイエンはあんまり強くないけども。


わし、いつかFF6がリメイクされたら、

ロックか誰かを習近平に変えて

習近平にドリル装備させるんだ…

 「ほんとに…やるのかい?あんちゃん」


 朱色にほてった体に腰布を巻きつけただけのドンズが、気まずそうにつぶやく。


 「もちろんですー。そのために身を清めていただいたわけですからー」


 どこかそわそわと不安気に立ち尽くすドンズに対し、公太郎は椅子に腰かけたまま決然と言い放った。


 今、ドンズと公太郎は客間で二人、向き合っている。これから行う作業の内容を考え、ガレラには席を外してもらった。


 「風呂なんて何年振りだろうなぁ。久々に入ると、いいモンだけどよぉ。ちゃんと清められてんのかね、俺ぁ?」


 ドンズがまだ湿り気を帯びた顎髭を指で(けず)ると、あたりにどこか場違いなフローラルな香りが広がる。イリスが野営用にと持たせてくれた貴重な石鹸の香りだ。


 公太郎は解呪にあたり、ドンズへ石鹼を渡し、風呂で徹底的に体をきれいにすることを求めていた。なにしろこれからドンズのドンズに直でいくことになる。せめてそうでもないとやってられない。…おかげでイリスの石鹸はずいぶんとちびてしまったが、明日にでも謝っておこう。


 「垢と脂があっては、解呪の魔法が通りにくくなるかもしれませんー。特に…股間は念入りにやっていただけましたねー?」


 公太郎はゴルゴ13のような険しい顔で問いかけた…が、もちろん嘘である。単に気分の問題である。


 「そのつもりだけどよぉ…」


 「では、早速始めましょうー。出してくださいー」


 公太郎の要求に、しかしドンズはすぐには動かなかった。恥ずかしいのかなんなのか、もじもじと緩慢な動きで腰布をつまみ、止まっている。


 だが、いい歳をしたおっさんが、土壇場で乙女のように恥じらうのは中々に厳しい。


 「わ、わかったよ。他人に見せるなんて…もう何十年と無かったからよ。ちっと気が引けただけだ。そんな顔するなよ、あんちゃん」


 どうやら知らず知らずの内で、ゴルゴ13が狙撃する時のようなオーラを纏いだしていたらしい。公太郎の剣幕にドンズが諦めたように腰布を落とした。


 ぽろん。


 途端に、さらなる濃厚なフローラルが広がる。顎髭の毛量が、誰もかれも三国志の関羽のようなドワーフは、「下」も相当に茂っているものらしい。


 一方、肝心のドンズのお宝の方は……まあ、普通だった。


 「いきますー。解呪の魔法…直列起動ー!!」


 ともかく、そんなものを呑気に観察してる場合ではない。公太郎は両手に解呪の魔法を帯びさせると、ドンズのドンズに襲いかかった。


 ふにゃり。


 「うぉっ!!」


 一片の遠慮もなく棒と玉をむんずとつかまれたドンズが、たまらず呻く。その声に触発されたわけではないが、公太郎は目玉が飛び出そうになるほど目を見開いていた。


 手の中のぐねぐねとした、ふにゃふにゃした、こりこりとした感触が────



 ────つらい。



 リュナの肌に触れた時よりもつらい。呪熱のように痛くはないが、とにかくつらい。心がしおれてしまいそうだ。


 ────『もしかしたら キミの心は 壊れてしまうかも しれない』────


 出発前のゼナの言葉が、脳内にフラッシュバックする。夢見の真意とは、これだったのだ。


 公太郎は、自分は今…ちくわとがんもどきを握っているのだと言い聞かせながら、そっと涙した。


 しかし、次の瞬間。


 ジュウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!


  派手な音を立てて、公太郎の手の中から、蒸気のような煙が立ちのぼる。


 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!」


 部屋の空気どころか家屋全体をを震わすような雄叫びが、ドンズの口から放たれた。


 「ド、ドンズさんー!?」


 「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」


 蒸気は魔法の作用する局部からだけではない。ドンズは白目をむきながらゆでだこのように顔を真っ赤にし、立ったまま痙攣する全身から、特に禿頭のてっぺんからもくもくと機関車のように煙を上げている。


 ────だ、大丈夫か…これ?


 どう見てもオーバーヒートした様子に、術者である公太郎も、ひどく不安になってきた。まるでアミバに木偶にされた憐れな村人だ。すさまじい熱か電気のようなものが彼の体を駆け巡っているのだろうか。こんな有様では、ドンズの脳が焼き切れるのも時間の問題に思える。


 だが奇妙なことに、ドンズのドンズを握った公太郎の手はまったく熱くない。鉄板焼きのような音が響くのに、変わらず、生温かいだけだ。


 「ちょっと、一体なんの声だい!?」


 その時、ドンズの叫びを聞きつけて、外にいたはずのガレラが、たまらず部屋に飛び込んできた。


 「あ…あんた、真っ赤じゃないか。だ…大丈夫…なのかい?」


 「……ガ…レラ…」


 夫の異様な風体に、思わず立ち尽くしてしまったガレラを、ドンズのうつろな瞳が捉える。


 『ドクンッ!!!』


 刹那、ちくわを握る公太郎の手に、伸ばしたホースに水が通った時のような手ごたえが(はし)った。

 

 「うおおー!?」


 突然ずっしりと重量感を増し、体積を膨張させたしたちくわに、今度は公太郎が叫ぶ。がんもどきも脈を打ったかと思うと、ゆでたまごのようなハリと弾力を持ち始める。怒涛のような血流が、体の中心…やや下に流れ込みだしていた。


 ドンズのドンズにまとわりついていたらしい黒い霧のようなものが、蒸気に混じりながら中空へと消え去っていく。


 「これはー…」


 本人よりも間近で、その変貌を目にした公太郎が息を呑んだ。手の中にあったはずのちくわは、もはやはみ出し、指を力強く押し開きつつある。


 今や確固たる芯の入ったドンズのちくわは塔となり、メキメキと音を立て、雄々しく、隆々と、見事に、立派に、堂々と、天に向かってそそり立っていた。




TIPS:直接触れれば、解除は1分程度で完了する。


TIPS:魔法の並列起動とは、同時に「数」を用意する起動方法であり、最大5連から10連の連射が可能。直列起動は並列で起動した魔法をひとまとめにするため、威力は高くなるが、連射はできない。

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