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能無し勇者は知恵とLV1魔法でどうにかする  作者: (^ω^)わし!!!


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ドンズの話 2

面白い少女漫画を挙げる時は、昔からバナナフィッシュかBASARAを推すことにしている。

特に近年は過去作品が再度アニメになるケースが多いので、BASARAもそうならないかなと願っている。

できれば1クールとかではなく、がっつり丁寧に全部やってほしい。


習近平にも聞いたところ、彼も同じ意見だった。

やはり習近平、なかなかわかってる男だ。

 ドンズは肩を回すように少し身じろぐと、足を組み替えた。


 「俺らぁは、生まれついての奴隷だがよ、そんな暮らしが満足だったわけじゃねぇ。『こんな場所、いつか逃げ出してやる』ってのが俺らぁの口癖だった。もちろん、奴隷主の目が届かないとこでな。つっても具体的な考えや策なんかねぇから、『いつか』っていつだよってな感じだったが。


 けど不思議なもんで、その『いつか』は案外さっさと来た。ある日…俺らぁが必死こいて掘り進めてた坑道で、大きな落盤事故があったんだ。山腹は崩れ、坑道は入口まできれいさっぱり埋まっちまった。外から見れば救助なんてしようとも思わねぇほどの、絶望的な事故だな。中にいたヤツらぁは仲良くそろって生き埋めよ。


 だがよ…幸いなことに、内部には少しばかりの埋まってない空間があって、そこにはドワーフがひとり、無傷で助かってた。ついでに言やぁ、そいつが掘り出してた鉱石も、埋まらずそのまま残ってたようだ。これも神の思し召しってやつだな。


 そいつはさっき言った付与術(エンチャント)を鉱石に施し、明かりと空気を確保すると、持ってたツルハシやらなにやらで次々と仲間を救助しはじめた。俺らぁドワーフは頑丈だからな、埋まったくらいじゃ、そう簡単にくたばらねぇのよ。実際、そいつに土から引っこ抜かれた時、俺ぁピンピンしてたぜ。


 俺を助け出したそいつは、俺の弟だった。


 弟と俺はさらに手分けして仲間を掘り返すと、見慣れたヤツらぁは大体、生き延びてやがるじゃねぇか。俺らぁが喜びに沸いたのは言うまでもねぇ。


 しかしその熱も冷めやらないうちに、弟はこう言いだした。『じゃあ、帰るか』ってな。ポカーンとした俺が『どこに?』って聞くと、弟はさも当然とばかりに『奴隷主のところ』と返しやがる。


 慌てた俺らぁは皆でよってたかって弟を必死に止めた。『お前は、バカか?』ってな。…まあ、弟はもともとそういうヤツだったんだが。


 バカ正直で融通が利かないというか、奴隷に課された理不尽でしんどいだけの仕事にも、サボらず、手を抜かず、大真面目で取り組む男だった。


 だが…奴隷主はおそらく、俺らぁが儚くあの世に行っちまったと思ってやがる。なにせ外から救助するような音も気配も一切聞こえてこない。奴隷なんて、くたばったらくたばったで、新しいのを買えばいいと思ってんのさ。俺らぁとしてはムカつく事実だが、奴隷なんてそんなもんだし、なにより…これは大きな好機だった。


 『逃げよう』と最初に言いだしたのは俺だったか、ガレラだったか。もう覚えちゃいねぇが、そこからは早かった。人生であの時ほど、全身に力がみなぎった記憶はねぇ。俺らぁはかつてない集中力と力を合わせ、一気に地上へ掘り進み、見事脱出を果たすと、夜闇に紛れて駆けだした。


 それこそ、必死に走ったさ。


 死んだと思われてることは好都合だったが、逃亡奴隷は見つかればロクなことにはならねぇ。良くて斬首にて処刑。悪ければ、二度と逃げるなど考えられぬよう、自我を失うほどに強力な奴隷の呪を上書きされ、今度こそ死ぬまで賦役につけられる。…ボロ雑巾のように使い捨てられるなんてごめんだ。


 とにかく、俺らぁは人間の土地からちょっとでも遠ざかるよう、駆け抜けた。


 だがな、ただ闇雲に逃げたわけじゃねぇ。以前から、逃亡の機会(こういうこと)があれば、どこに向かうってのは、あらかじめ皆で決めてたからだ。


 その先は『ここ』、今この場所。北の果て、暴凶竜グリモアの勢力圏だ。


 1000年くらい前までは、この辺にも人間の国があったらしい。けれど、グリモアがとんでもない量の魔素を大気に放出するようになってから、木もロクに生えず、誰も住まない不毛の大地になっちまったってのは、俺らぁですら知ってる有名な話だ。


 そんな不毛な大地まで、たかが奴隷を追ってくるヤツがいるか?


 しみったれた不毛な大地も、俺らぁにしてみれば、理想郷になりうる土地ってわけよ。


 たったそれだけの希望を胸に、俺らぁは昼に身を隠し、夜をひた走った。何年も、何年もだ。楽な道中だったとは言えねえが、足が止まることは無かったな。



 …ちょうどそんな頃だ、アイツと出会ったのは。



 あの…淫魔の女と」

TIPS:ドンズの話はたぶん次で終わり。まあ、目論見通りいかなくとも、次の次くらいにはまとまるけど。

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