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ねじれた屋敷
溶けているドアの向こうには天井がありました
私はその上を歩きました
木がありました
不合理な生え方でした
地面と木が抱き合っていました
野菜が愛し合っていました
小道は根っこを掘っていきます
私は歩き続け、後ろを見た
世界が変容していました
戸惑う私は膨らむ壁の向こう側にいた
緑の歌い手は私を誘惑しました
幸せな気分になりました
心臓が溶けていきました
危険性は私をくるんだ
闇の向こうから醜い灰色の手が襲ってきました
庭師達は地面を掘っている
逃げた私に伸びる牙
醜い老婆
世界が横倒しになり死神が笑う
牙が脳髄をすすり出す音が天井に広がっています