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四季

【四季・秋】かえで

作者: 談儀祀

むかし、むかし、あろところに、大きなくにが2つありました。


とてもとても仲がわるくて、いがみあってばかりいました。


しかしせんそうばかりしていたので、とうとうお金がなくなってしまいました。


2つのくにはせんそうを少しだけやめました。でも、こころの中ではおたがいをうとましく思っていました。


やめたときに、こっきょうの目じるしにするために、かえでの木を、りょうがわに1本ずつうえました。


でも、うえたとたんに1本ずつがかれてしまいました。




あるとき、ひがしがわのくにの王さまが言いました。


「まじょがいるからこのくにはいつまでもびんぼうなんだ」


王さまはまじょがりをはじめました。


まじょをぐつぐつとにえたぎったかまにおとしてころすのです。


王さまはやっきになってまじょをころしていきました。


かえでの木が1本さびしくかれました。




となりのくにの王さまが言いました。


「このくににはまじょがたくさんいる。

 きっとまじょのおかげでこのくには生きていけるんだ。」


王さまはいやがるぶ下にめいれいして、まじょのほごをはじめました。


まじょをおかしの家にしょうたいするのです。


ふとって家から出られないまじょは王さまにかんしゃしてはたらきました。


かえでが1本かれました。


ひがしがわのくにの王さまはどんどんよわっていくくにをぼうぜんと見ていました。


まじょをころす力すらのこっていないほどつかれていたのです。


王さまはあるときむす子に王いをゆずることをきめました。


かえでが一本むなしくかれました。




にしがわの王さまはなやんでいました。


ほごをしたまじょがごうせいな生かつをして食べものがなくなってしまったのです。


王さまはながい間なやんでいましたが、あるとき王いをむす子にゆずることをきめました。


王さまになった王子はまじょをころしはじめました。


かえでがぽっきり一本おれました。




それからしばらくしてまたせんそうがはじまりました。


かえでのことはみんなわすれていました。




しばらくするとせんそうはおわりました。


そしてまたかえでをうえました。


でもうえるとすぐに一本かれてしまいました。




そんなことがなん回もくりかえされました。


もうくにの名まえすらかわっていましたがまだせんそうはつづいています。


かえでもうえられることがすくなくなってきました。


二つのくにはせんそうのやめかたをわすれてしまいました。




あるとき一人のこう古学しゃがかえでのけんきゅうをしていました。


そのこう古学しゃはかえでをしらべるうちにせんそうのおわらせかたに気がつきました。


学しゃはいろいろな人にそのはなしをしてみますが、だれもしんじてくれません。


学しゃは一人、かえでをうえはじめました。




40年がすぎました。


お金がなくなってきゅうせんした二つのくにはこっきょうちかくにあるかえで林を見ておどろきました。


あわててうえた人のところに王さまがむかうと、学しゃはもうしんだあとでした。


くにじゅうの人々が学しゃがやっていたことにかんめいをおぼえました。


人々はせんそうをやめるほうほうをおもいだしたのです。


二人の王さまはなきながら王いをかみさまにかえしました。


それから二つのくににせんそうはおきていません。




かえではいまもこっきょうちかくにたくさんのこっています。



作品解説

この作品【秋】を書いたときには執筆環境が大きく変わっていました。

それまでは真っ白な紙の原稿にボールペンを使って書いたものを部誌に回していたのですが、秋からはPCでの執筆です。

「ひぐらしのなく頃に」のプレイのために叔父のものを借りたことが執筆に繋がったきっかけでした。

なのでこの作品はforestというサイトにて作られた無味乾燥と言う名のホームページからの転載になります。

今では潰してしまいましたけどね。

ちなみに四季シリーズは転載時にほとんど加筆修正をしていません。ものによっては一切手を加えていないはずです。

なんだか負けたような気がして悔しい……。


四季シリーズで読みにくさ1,2を争う作品ですが、基本的にイメージは絵本です。

当時執筆していたもの(これは紙に手書き)のひとつに絵本を扱うものがあったのですが、それをより絵本に近づけたい、そういう思いから書いたはず。

小学一年生レベルの漢字のみを使っているためにより一層読みにくくなった気がします。

ひらがなだけだと、さすがにきつかったんです。


内容は絵本そのもの。難しいことは考えず、童心に戻ればそれでよし。

誰か絵を描きませんか? なんて。

それでは。

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