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ゼロコンマ8桁が激動


0.8*******


「【大絶斬】!」

「【全力攻撃】!【連斬】!」

「【スナイプ】!」

「【閃・大切り】!

「【鞭疾穿】!」


 俺たちは邪竜に持てる限りの攻撃を放ち続ける。

 邪竜の瘴気が弾け飛ぶが、このままだと間に合う気がしない。


 相手の攻撃を無視して攻撃に専念しているエイイチはすでに全身血まみれだ。

 リコも二発のブレスと竜のうろこ攻撃を食らっていてかなり危ない。


 ここまでなのか?

 世界が終わる?


 そんなの嫌だぞ。

 俺はまだ何もしてない!

 リコにも何も伝えてないっ!!


『攻撃で邪気を使わせる!』


 突然、アサルの大声が響いた!


『みんな、意地でもケーゴを守れっ!』

 最初の攻撃で吹っ飛ばされて転がっていたトーテムポールの破片からアサルの叫び声が響いてきた。


 直後、邪竜が突然のたうち回り、体を地面に縛り付けていた【アースハンド】を引きちぎった。

 そして、体を捻るかのようにしてぐるぐると巻き始める。


 最初のアレか!!

 またあのでかいのが来るってのか!?


 邪竜は再び瘴気の黒い塊と化した。


 こんなん耐えられないぞ?


「私が守る!」


0.7*******


 そう叫んだのはルナだった。

 ルナは爆発寸前の黒い瘴気の塊に向かって一歩踏みだした。


「ルナっ!!」


「【オールガード】!」


「やめろ! 無茶だ!」

 あれを5人分なんていくらルナでも死んでしまう!


 だが無情にも、黒い瘴気の塊は、ルナの眼前で再び轟音と共に爆ぜた。


0.6*******


 再び硬い壁が体の中を吹き抜けていったかのような衝撃が過ぎ去る。

 だけど俺にダメージはない。

 リコも無事だ。

 エイイチも。

 ヤミンも。


 そして、ルナ。


 ルナは口から大量の血を流しながら力なく両腕をだらりと下げて、しかし、それでもまだ立っていた。


「生きてる!」

「ルナちゃん!」

「ルナルナ!」


 あれを耐えきったのか!?


「大丈夫なの! 私には二特のみんなとルスリーちゃんがついてるの!」

 


0.5*******


「ケーゴ! リコ! ヤミン! とどめの準備をしろ!」

 エイイチが叫んで、黒い瘴気の塊から龍の姿に戻った邪竜に突撃する。


 邪竜から吹き出ていた瘴気はかなり薄くなり、鱗に覆われた体がはっきりと見えてきていた。


 邪竜は突撃してきたエイイチに向けて鱗を飛ばして応戦するが、エイイチは無視して突っ込む。

 エイイチの体中から鮮血が飛び散ったがそれでも彼は止まらない。


「【全力攻撃】! 【連斬】!」


 瘴気が弾ける!

 だが飛び散り方がさっきより薄い。

 邪竜の方もガス欠か!


 いける!


 邪竜が尻尾を振り上げてエイイチを狙った。

 強攻撃!


「エイイチ! 尻尾が狙ってる!」


「【全力攻撃】!【連斬】!」

 エイイチは巨大な邪竜の一撃を完全に無視して、捨て身の攻撃を繰り出した。


「エイイチっ!」


0.4*******


 エイイチが邪竜の攻撃を受けて倒れた。

 だが、邪竜の瘴気も完全に消え去った。


『ケーゴくん! 行けっ!』

 アサルの声が飛んできた。


 後は俺が弱点を着くだけだ!

 

 鞭を構えて邪竜の前に駆け出・・・え?


 瘴気の無くなった邪竜が空へと浮かび始めた。


 上空に逃げるつもりか!?

 それずるいだろ!!

 タイム切れはこっちの負けなんだぞ?


 その瞬間、俺の足元の飾りっ気のない大地が大きく盛り上がり始めた。


 ルナの魔法! 【アースデヴァ】!


 リコが俺の隣に素早く飛び乗り、駆けつけてきてヤミンに手を差し伸べて引き上げた。

 俺たちを乗せた大地が上空の邪竜に向けて盛り上がっていく。


「リコリコ、ヤミン姉! ケーゴを頼んだの。」下からルナの声が聞こえた。


0.3*******


 俺たちを乗せた大地が、邪竜を追いかけるように伸びていく。


「【スナイプ】!」


 ヤミンが動き続ける不安定な足場にも関わらず、邪竜を的確に射ぬいた。

 少し戻り始めていた瘴気が再び消え去った。


 ヤミンの矢で俺たちが追いかけてきたことに気づいた邪竜が俺たちのほうを向いた。


 「【ウィークポイント】!」


 ヤミンがいつもの呪文を唱える。

 今までこれにどれだけ助けられたか。

 今回もあてにさせて貰う。

 

 邪竜の額にいつもの印が現れた。

 小さい。

 でも、当てる自信はある。

 

「リコ! ケーゴをたのんだよ!」

 ヤミンはそう言ってアースデヴァで伸びた岩から滑り降りていく。


 ヤミンが滑り降り始めた瞬間、邪竜が少し首をもたげた。


 ブレスの初動!?

 ここでかよっ!


 リコが俺の前に立ちふさがった。


0.2*******


「リコっ!無茶だ!」

「【ガード】!」


 邪竜の眼前に居た俺たちをブレスが直撃する。

 アースデヴァの上じゃ避けようもない。


 だが、俺にダメージはこない。


 俺の分のダメージを全て引き受けて、リコが膝から崩れ落ちた。


「リコっ!」

「大丈夫・・・聞くまで死なない! だから行って!」

 虫の息で、それでも大声で俺を鼓舞するリコ。


「絶対に答えるから! まだきちんと応えられてないから! だから絶対に死なないで!」


 俺はリコを後ろに残して、細くなって邪竜に向かって伸びていくアースデヴァの先端へと駆け上がった。


0.1*******


 邪竜に向かって伸びた岩の先端に到着すると、目の前にはブレスをうち終わった邪竜の無防備な顔。


 ようやく鞭の範囲内!

 でも、まだだ!


 竜の額に【ウィークポイント】の印。

 巨大な顔のくせに、印はものすごく小さい。

 てか、さっきよりも小さく、その代わりに濃くなっている。

 

 焦点が合っていってるのか?


0.01******


 【ウィークポイント】の印はどんどん小さく濃くなっていっていく。


 これをコンマ8桁目がゼロになるまで合わせるんだ!

 もっとひきつけろ!


0.001*****


 ふと、竜の顔面の鱗にたくさんの文字が流れているのが見えた。

 昔のSF映画のように、数字やアルファベットが上から下に滝のように流れている。

 顔だけじゃない。

 全身の鱗に文字が流れている。


0.0001****


 よく見れば、文字は竜の表側と裏側にあって表裏で文字列がズレている。そして、ちょっとずつ流れるスピードも違う。

 もう少しで表裏の文字列が合いそうだ。


 もしかして、向こう側の文字とこっち側の文字を合わせればいいのか?


 これの文字列って、もしかして・・・


0.00001***


 表裏の文字列がほんの少しのピンぼけを残してほぼ重なり合う。

 俺は鞭を振りかぶった。


0.000001**


 俺の鞭は一度、大きく俺の後ろで湾曲し、俺の腕の動きに合わせて邪竜に向かって突き進む。

 邪竜の表裏を流れていた文字が重なった。


0.0000001*


 鞭の先端は速度を増し、邪竜の額へと伸びていく。


0.00000001


 当たれっ!!


0.00000000


 鞭の先はたったひとつの点となった青い印をつらぬいた。

 まさに会心の一撃だった。


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