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班替え

 コルドーバに上陸した騎士たちはテントを張って拠点を確保するとすぐ、OLルナの説明した通りの班に分かれて探索に挑み始めた。


 最初のうちは上陸地の周りのクリアリングだ。

 強めのモンスターが出現しない辺りを上陸地に選んである。

 まずはその周辺で戦いに慣れてもらう予定だ。

 ここの辺りの出現モンスターは推奨20レベル程度、いずれも単体で出るものばかりだ。


 マーガレットの件についてはエルマルシェと大揉めしたが、連れて行かせることに成功した。

 そもそも拠点が安全っていうわけでもないし。

 ヤミンとリコについてはやや不安のある班にこっそりついていってもらって、いざという時にサポートに入ってもらうようにお願いした。

 俺は、念の為に拠点で待機。


 とりあえず、探索自体は大きな問題もなく進んだ。

 そもそも騎士たちがあまり無茶をしない。

 騎士たちにはわざわざ実戦でレベル上げをするという概念がないので、訓練用の体力を残して探索をとっとと終えてしまう。


 ここは実戦形式の訓練に最高の島なんだけど、今はそんなこと言っても誰も俺の話を聞いてくれないだろう。

 殆どの騎士たちは俺たちを避けている。

 得にエルマルシェとカサンを中心とした何名かは目も合わせてくれない。


 昨日今日で初めて会った冒険者の言葉になんて何の意味もない。

 俺はまだ彼女たちにとっては異分子。俺は彼女たちにとって頼れるスペシャリストになっていかないといけない。


 実は、すでに俺たちのことをただの冒険者ではなく、レベル上げの先生として見てくれている騎士が二人居る。


 マーガレットとサリアだ。

 サリアは弓を教えてもらえるのがヤミンしかいないので、探索とは別に弓を習いに来ている。

 そして、マーガレットには俺のもとで魔法を一つ憶えてもらっている。

 正確には俺というかリコが教えてる。俺、魔法使えないし。


 マーガレットは素直でいい娘なので、そして【魔法の素質】が高いので、めちゃくちゃ憶えが速い。

 彼女は二日目の夜には目的の魔法を憶えてしまった。

 魔法の素質が高いとこんな簡単に憶えれちゃうんだなぁ・・・。

 妬ましい。嫉ましい。


 というわけで、明けて、3日目の朝。

 朝の打ち合わせでマーガレットのための指示を出す。


「ケイティとマーガレットを交代してください。」


「な! なんですって!」

「ちょっと! ケイティは私達の班のアタッカーだ。せっかくそれぞれの戦い方が分かってきたところなのに抜けられては困まる!」

「それにマーガレットはサポート中のサポートですわ。私達のところにはサポートにはすでにフレイアがが居ますのよ!?」

 マーガレットを入れようとしている班の騎士たちが驚いて叫んだ。

「うん。マーガレットにアタッカーさせてみて?」俺はにっこり笑って提案する。

「アタッカーなんてさせたらマーガレットが死んでしまいます。マーガレットはレベルも低いですし、そのレベルにしてもまともに戦えませんのよ?」マーガレットの入る班のリーダー、ステルシアが文句を言う。

「彼女は騎士隊の底支えだ。戦闘では役に立たなくても大事な存在だ。だから、エデルは私達の班に彼女を入れたのだ。マーガレットは騎士隊全体を支えるのが役目だ。本来、班に加えずとも陣で我々の帰りを待っていれば良いのだぞ。」エルマルシェも反論する。

 マーガレットは自分のことで揉めごとが始まったので申し訳なさそうに小さくなっている。

「マーガレットさんは大丈夫ですよ。皆さん騎士なんでしょう? だったらマーガレットさんと足並みを合わせて見せてください。それよりも、エルマルシェさんの班からサポートが居なくなりますが大丈夫ですか? 俺としてはそちらの班の方を心配してます。」

「サポートがないといっても兵站が必要な戦争ではない! 貴様のごとき素人が我々の心配などするな!」

「それは良かった。じゃあ、今回はこれでお願いします。マーガレットさんにも前線のことを知る機会を与えてくださいね。ルスリー殿下もチームの底上げがしたいって言ってたでしょ? それは理解できますよね?」


 ちょっとずるいけど断れないような論調で押し通す。

 ロジハラ系上司の下も経験しとくもんだな。


「なに、大丈夫ですよ。それとも二特の皆さんじゃ、マーガレットさん一人守れないって言うんですか?」


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