表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/227

破滅へのカウントダウン

 俺はルスリーに引っ張られるように馬車に乗せられると、カードの書き換えもできないままに、リコとヤミンを残したままどこかに拉致られていく。

 今は馬車の中でルスリーと一対一だ。

 お付きの騎士の人は御者台のヘイワーズさんの隣に追いやられた。


「俺に特別な話でもあるんですか?」

「うむ。ちょっとばかり付き合ってもらい所があっての。」

 なんだろう?リコとヤミンを連れてこなかったってことはやっぱ転生者の俺に内密な話があるんだろうか?


「その・・・俺の教育力ってどういうことですか?」

 割と自信ないぞ。

「いわゆるパワーレベリングをして欲しくての。」

「パワーレベリング?」

 パワーレベリングってのはレベルの高い人が、レベルの低い人を連れて経験値の多いモンスターを狩ってレベル上げを手伝うことだ。

「わしの配下の第二特殊大隊を育成してほしいのだ。」


 そう言ってルスリーは状況の説明を始めた。


 ルスリーによると、ルスリー旗下の第二特殊大隊は隊長のルナと副隊長のエリーという騎士以外はあまり強くないらしい。それを早急に強くして欲しいということらしい。

 ちなみに、今、御者台に座っているのが副隊長のエリーさんだそうな。

 レベリングの場所もすでに確保してあって、コルドーバ島と言う王都から普通の馬で3、4時間ほど南に行ったところにある港町から、さらに船で2日ほど行ったところにある広めの無人島だ。

 アルファンでも30ー40レベルくらいの人たちにとってのレベル上げの穴場だったので、俺たちにちょうど良い場所だ。

 たしかに、レベリングしやすいモンスターの多いところだ。


「ルナじゃダメなんですか? ルナならもっと強いところも行けたでしょう。」

「ルナはまだ怪我が治っておらん。」

 うーん。まだ、動けないのか。

「それにエリーがのう・・・。」

 ルスリーの口調から察するに何やら他にも理由がある様子。

「なんだって急にレベル上げなんてしようと思ったんですか?」


「近々のうちに、わしの騎士隊を使えるようにしておきたいのじゃ。少数精鋭と言うやつじゃの。最近、街がなにかと慌ただしくてな。」

「王都で何かあったんですか?」

「おぬし、126って数字を知っておるか?」唐突にルスリーが尋ねてきた。

「さあ。心当たりがないです。」

 2の乗数だと128だし。

「王都の民にとってはあたりまえの数字でな。もうすぐ通りかかるからその時に話そう。」

「はあ。」


 なんだろ?


「そういえば、これってリコとヤミンには内緒にしないと駄目な話なんですか?」

 なんでリコとヤミンを連れてこない?

「うむ。そんなことはないぞ。」ルスリーは答えた。

「じゃあ、なぜ俺だけ?」


「ケーキがひとつ余っとってな。」


「ケーキ?」

「エデルガルナがまだ動けん故、お前を連れてこうと思ったのじゃ。」

「どこにですか?」

「ん? 日本人連合じゃ。お主もメンバーじゃろ?」


 え?

 あ、エイイチがカリストレムで勧誘してきたあれか!

 そう言えばケーキ作ってる日本人がいるとか言ってたような。


「お、ケーゴよ。ちょっと外を見てくれ。」

 ルスリーが唐突に窓の外を顎で示した。


 窓の外を覗くと三角形のとんがった王城が見えた。

 相変わらず、尖端についてる大きな輪っかが落ちてきそうで怖い。


「城の中腹にある数字が見えるか?」

「ああ、世界崩壊時計でしたっけ?」


 例の世界観にそぐわないデジタル時計が王城の中腹にデカデカと取りついていた。

 相変わらず、俺には小数点以下がはみ出して見える。


「あれが0になると世界が滅ぶとか聞きましたけど。」俺は答える。

「そうじゃ。先月までは126じゃった。」


 世界崩壊時計の表記を確認する。


 125.0441632*


 下一桁がめっちゃカチカチ動いてるんですけど。


「お前の出かけている間に百余年ぶりにあの数字が減ったのじゃ。まだ125ある故、世界が滅ぶには一万年以上の猶予があろうと言うにも、民の心には大きな影響があったようなのじゃ。世界の終わりが近づいてるのが目に見えてしまうのはやはり心に来るものがあるらしい。」


 現在進行系でものすごい精神にきてるんですけど。

 下一桁、めっちゃ減ってってますよ?


 明らかに前回見たときより加速してる。


「あれが125に減ってから犯罪だの、よく分からぬ宗教だのが一気に増えおった。黒羊のこともあるし、わしが頭ごなしに使える手駒を手元に揃えておきたいのじゃ。」


 言わないといけないと思って、意を決して口を開く。


「あ、あの、ルスリー殿下?」

「なんじゃ、急に改まって。」


「すごく言いにくいのですが、多分ですけど、あの数字、近日中にもう一つ減りますよ?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ