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クリムマギカからの刺客

「イテッ!!」


 突然、俺の背中に激痛が走った。

 怪我した感じじゃないんだけどなんかめっちゃ痛い。


 びっくりして振り返る。


「イテッ!!」


 振り返った瞬間、上空から閃光のような攻撃が飛んできて今度は俺の肩に命中した。


「何事!?」

 リコが慌てて俺の前に立ちはだかって剣を構える。


 空中から俺めがけて攻撃を仕掛けてきたそれは、リコを回避するように旋回して俺のほうにやってきた。

 俺への射線が通ったと見るや、危ねっ!


 慌てて回避。

 なんか、ビーム飛んできた!!


 何故だか知らんが謎の飛行物体は明確に俺だけを狙ってるようだ。

 15センチのくらいの球体型の何かがトイドローンのように空中をホバリングしている。

 なんだ!? こいつ?


 って、よく見たらクリムマギカにいた時、訓練に使ってたレベル上げ用のゴーレムじゃん!

 クリムマギカ出る時に、親方に改良してくれと言って預けてきたやつだ。


「痛っ!?」


 次のビームはかわしきれず、命中。

 くそう。

 HPはぜんぜん減ってないけど、クソ痛え。


 そういや【回避】の訓練にも使えるようにしたいって親方に言った気がするけど、それでビームで攻撃してくるように改造されたん?

 いつの間に実装されたんだ?

 それ以前に、なんでこいつがここにいるのか。


 通行人が何を騒いでるんだと俺たちの方を見ながら通り過ぎていく。


「ケーゴ、狙われてる。気をつけて。」

 リコが剣を振るうが、トイドローンはリコのリーチに合わせるように上空に逃れた。

「むう!」

 ドローンに剣の届くギリギリの位置を保たれ、ピョンピョンしてたリコが魔法の集中に入った。

 ヤミンも弓を取り出して遠距離攻撃の準備をする。

 ルナは不思議そうに上空のドローンを見てる。


「待って、二人とも。大丈夫だから、俺に任せて下がって!」

 俺は二人を下がらせて鞭を構える。


 壊されてたまるか。


 あれ、スキルレベル上げに便利なんじゃ。

 ビーム実装されたんなら【回避】のスキルも上げれるし。


 目視でゴーレムの外殻の隙間に緊急停止ボタンがあることを確認。

 【クリティカル】であれを押せば良いはずだ。


 鞭を・・・あ、こっちの鞭は駄目だ。このゴーレムって俺の通常ダメージだと壊れないけど、エルダーチョイスの鞭使っちゃうと、痛いっ!


 的確な攻撃に晒されながらも、エルダーチョイスから貰ったのではないノーマルな鞭に装備変更。


 ゴーレムは緊急停止ボタンへ通じる隙間を俺から見えないように器用に向きを調整しながら浮遊し、俺の鞭が絶妙に届くかどうかの間合いを保っている。


 親方め、AIをアップグレードしてやがる。


 舐めんなよ?

 俺の【クリティカル】をいくつだと思ってやがる。【命中】だって高いんだからな?


 ゴーレムの外殻の小さな隙間めがけて、素早く鞭を振るう。


 カンッ。


 弾かれただと!?


 オーバーモースにも連発できたクリティカルだぞ?

 って痛い!


 ゴーレムは俺を嘲笑うかのようにホバリングし始めた。

 地味に痛いレーザーがマジむかつく。

 なかなか避けらんないし。


「絶対、当てる! みんなは手を出さないで!」


 もう、ムキになった。

 絶対、俺がボタン押す。


「がんばれ~。」ルナが呑気に応援し始めた。

 リコとヤミンもルナの様子を見て俺は大丈夫だと判断したのか、俺とゴーレムの戦闘から離れて、ルナと一緒に道の片隅に腰をおろした。


 速すぎて避けられないレーザーが痛い。

 それ以上に、たまに通り過ぎる街の人の視線が痛い。


 そして、10分。


 ようやく【クリティカル】発生。

 ゴーレムは地上に落ちてきた。


 うそだよな?

 HPはともかく、それ以外はオーバーモースより間違いなく強かったぞ?


「なんだったの?」リコが寄ってきて足元に落ちているゴーレムを恐る恐る覗き込んだ。

「クリムマギカで俺が修行用に作ったゴーレムなんだけど・・・改造されて俺のもとに飛んできたみたい。」

「なんでこんな所に?」

「さあ?」


 ん?

 落ちているゴーレムをよく見ると、外殻に何か書いてある。


 拾い上げて、書かれている文字を読む。


『助けてくれ。クリムマギカが襲撃されている。』


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