番外編 そろこそ団
黒を身にまとう人たちは、月明かりに照らされながら私の店先で変な動きをしていた。
「……」
たまたま外の空気を吸いに外に出た私は、その光景を見て驚き固まった。
んー。疲れが溜まってるのかな、私。
「ソロ。あそこにいる人が俺たちを見ているぜ」
「コソ。馬鹿を言うな。俺たちは夜の闇にまぎれている。気づかれることはない」
「そうか。なら、あの人は幽霊でも見てるんだな」
あの……聞こえてるよ。二人の会話聞こえてる。それから見えてるよ、ばっちり。だからね、幽霊が見えてるわけじゃないよ。
「ではではもう一度」
「お宝あるところソロっと現れ、コソっと去る! 我らソロコソ団!」
びしっとポーズを決め、背後から爆発音がするような勢いだが……声大きいし、響いてるしで目立ってるよ。
まあ、この場にいるのは私だけだけど。この商店街が夜でも騒がしかったりするから、みんないつものことかくらいに思って出てこないのかもしれない。
私のところは作業上の理由で防音にしてるから、ユンさんとルカくんの睡眠は邪魔されないけど。それでもけっこうな感じ目立ってる。
「ソロ。あそこにいる人、やっぱり俺たちのことを見てないか?」
「コソ。幽霊だ。あの人が見ているのは幽霊以外いない」
「いや、見えてますよ。ばっちり」
「「っ……!!」」
「やっぱり……! 俺たちが見えていたのか」
「俺たちは今まで誰にも見つかることはなかった……なぜ見える! お前、まさか……」
いやいやいやいや、そんなに驚くことじゃないから。
全身黒タイツにしてるから夜にまぎれると目立たないかもしれないけど。月明かりに照らされてるところを歩いてたら、さすがに見えるよ。それに動きが目立つから。なぜ決め台詞とポーズを決めた。見つけてくださいと言わんばかりではないか。今までよく見つからなかったね。
「コソ。きっとあいつは俺たちの仲間だ……!」
「ソロ。そうか。仲間だから見えるんだな」
「いやいやいやいや、仲間じゃないから」
「仲間以外に俺たちの姿を見ることはできない!」
「つまりお前は俺たちの仲間だ!」
「お前の名前はなんだ!」
「名乗らないよ」
「んー? 突風で聞こえなかった! はい、もう一度!」
「名乗らないよ」
「んー? また突風で聞こえなかった! はい、もう一度!」
「いや、だから名乗らないよ」
これ、なんなんだ。新手の勧誘かなにかか。なぜ何度も繰り返す。




