7
あの日から数日過ぎた今日、私とミランダ先生は先にクリエスタルへと月光華を荷台に積み向かった。ルーディは、あとで完成した装飾品を持って追いかけてくる予定である。
とまあ、先にクリエスタルへと向かい歩き出した私たちは半日という時間をかけ到着した。
「うっ、わあ……!」
初めて訪れたクリエスタルに、そして目の前に広がる光景に私の心は踊る。
色彩豊かに光輝く数多くのクリスタル。
リィン――。
リィン――。
風に乗って聴こえてくる柔らかな音。
ここクリエスタルは、クリスタルの採掘加工の技術が素晴らしいと有名な国だ。でも私は一度も訪れたことはなくて、ずっといつかって思っていた。
想像していた以上に美しいところで、胸が高鳴るのを感じる。
「きれい」
もう、本当に言葉にできないくらい綺麗。こんなにもすごい光景は、滅多に見られるものじゃない。
私はくるくると踊ってしまいそうになるのを我慢しながら、景色を見回す。
「先生! すごいです。まだ入口なのに、こんなにも繊細で美しい装飾になったクリスタルが飾られているんですね。触ったら崩れてしまいそう……」
壊してしまわないよう注意して近づき、じっとクリスタルを見つめる。
すごいなあ。クリスタルの美しさを知っている加工技術。わっ、すっごく小さな花の模様になってる。遠くから見たときは一輪の花に見えたのに、近づくと小さな花なんだ。すごく勉強になる。
「リラ」
「はい」
「あとでクリスタルの加工を見学しに行こうか」
ミランダ先生の顔を見ると、顔が優しく緩められていた。
「はい! お願いします!」
ミランダ先生の優しさに、胸がぽかぽかと温かくなる。
「ふふっ」
ミランダ先生に突然笑ってどうしたって顔をされたけど、私は気にせず笑顔で先生の手を引いた。
「さー、ミランダ先生! 行きましょ!」
「そんなに引っ張らなくても、私は逃げないよ」
「はい! でも先生! 私は嬉しくてたまらないんです!」
だって先生がとても嬉しそうなんですもの。手を握っていたら幸せ二倍ですよ。もしかしたらもっとかもです。
そう言ったら、先生は繋いでいない方の手で私の頭を撫でた。
「まったくお前は……」
「え? なんですか?」
「ふっ、いいや。なんでもないよ。さ、行くんだろう?」
「はい!」
歩き出したミランダ先生に着いていく。
もちろん、幸せ二倍。それと私が迷子にならないようミランダ先生の手を握ったままで。
私たちの後ろを、ミランダ先生が魔法をかけた荷台がちゃんと月光華を持ってきてくれていた。
私一人だったら、月光華を忘れていた。絶対に。忘れてはいけない大切な物なのにね。よかった。ミランダ先生が一緒にいてくれて。




