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番外編 可笑しなお菓子

 今日はハロウィーンの日。みんなどこかきゃっきゃっと楽しそうな雰囲気である。


 どこへ行ってもハロウィーン仕様で、魔法商店街ももちろんハロウィーン仕様になっている。


 夜になると、飾られたたくさんのかぼちゃの中から零れる淡い光が商店街を照らしている。


「綺麗だなあ」


 お店の窓から見える景色も綺麗だったけど、やっぱり外に出て見るほうがもっと綺麗に感じる。


 本当にとっても綺麗で、思わず思ったことが言葉になって外に出た。


 あったかい色の光。寒くなってきた季節に零れるその光は、ほくほくと私の心と体を暖かくする。


「ふふ」


 商店街には魔法使いが多いから不思議な雰囲気をより楽しめると多くの人で賑わっている。仮装をして商店街を歩いている人たちもいて楽しそうだ。


「もうすぐ今年も終わりか……」


 あっという間に一年が過ぎていくなあ。


「リラちゃん! トリックオアトリート!」


 言いながら、ばあっと登場したクレアは私に軽やかに近づく。そしてにこにこと楽しそうな笑みを浮かべ、かぼちゃカバンを私の前に出すクレア。


「はい。ハッピーハロウィン」


 私は今日この日のために用意をした様々なお菓子を自分のカバンから取り出し、クレアのかぼちゃカバンへ入れる。


 あれ……そういえばクレアはなんの仮装をしているのだろうか。見た目はいつもと一緒に見えるけど。


「ねえ、クレア。クレアはなんの仮装をしているの?」


「え? 魔法使いだよ」


「……」


 魔法使い、だと。もうすでに魔法使いなのに、魔法使いの仮装って……もはや仮装じゃない。いつもと変わらないよ。いやまあ、最初は私も時間がなくて魔法使いの仮装をしようと思った。思ったけど、さすがに面白くないという考えにいきついた。だからありあわせではあるがヴァンパイアの仮装をして商店街を歩き回っている。ちなみにユンさんはゾンビの仮装をしているけど、その出来が良すぎていろいろな人に捕まってしまった。それでユンさんに「リラさん。二時間後に商店街の中心にある噴水で待ち合わせしましょう」と言われたので一人でいろいろと見て回っていたところだったのだ。


「リラちゃんはヴァンパイアなんだね! とっても似合ってるよ!」


 クレアはにこにこーと笑い、私の仮装を褒めてくれる。


「へへ、ありがと」


「うふふ。さあ! リラちゃんも言って! とっておきのお菓子を準備してるんだ!」


 そう言われてめちゃくちゃ張り切って言うために息を吸う。そして。


「トリックオアトリート!」


「はい! ハッピーハロウィン!!」


 元気よくクレアが返事をしてくれる。そして差し出されたお菓子には、可笑しなお菓子と書かれていた。


「んん?」


 可笑しなお菓子とは、いったいどんなお菓子なのだろうか。

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