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全部隠さずに話したら気持ちが落ち着いた。そしてルミアちゃんを見ると優しい笑みを浮かべて私を見ていた。
まるで子供を見守る母親のような、優しくて暖かい笑みだ。
「ふふ、リラさんって不器用なのね」
「へ?」
「あ、今のは悪い意味じゃないよ。えっとリラさんは頑張ろうとすると、その頑張りが空回っちゃう感じ」
「空回る……?」
「そう、空回ってしまうの。リラさんは素のままが一番素敵なのに、頑張るとその素敵な部分が消えてしまう」
「……」
「だからね、リラさんは頑張らなくていいんだよ。なにも飾らなくていいの。そのままが一番素敵だから」
「ルミアちゃん……」
「リラさん、明日は頑張らずにいこう。そしたらね、シュルも心から笑ってくれるから」
「ル……ルミアちゃあああん! ありがとう! 大好き!」
「っ……! うん。私もリラさんのこと好きだよ」
……そっか。そうだったんだ。私の無理な頑張りがシュルさんに伝わったから、笑顔に違和感があったんだ。ルミアちゃんに話してよかった。おかげで理由がわかった。
落ち込んでいた気持ちが浮上して、もやもやとしたわだかまりも綺麗に消えた。
うん、なんかとってもすっきりした。明日は無理せずにいこう。私は素が一番素敵だってルミアちゃんが言ってくれたんだから。
***
翌朝、鳥の可愛らしい鳴き声で目を覚ました。気持ちは……うん、とっても清々しい。
「んー……よし、行くか!」
まず今から美味しい朝食を食べに庭園に行く。そしてシュルさんには自然体で話しかけて、楽しい時間を過ごせたらいいなと思ってる。
そう考えていると、部屋の扉が小さな音を鳴らした。その音に続いてルミアちゃんの声が聞こえてきたので、私は慌てて部屋の扉を開けた。
「ルミアちゃんどうしたの?」
「あ、一緒に庭園に行きたくて迎えに来たの。だめ、だったかな……?」
「え……? 駄目じゃないよ! 駄目じゃない! とっても嬉しい!」
身振り手振りで伝えれば、口元に手を添えて笑うルミアちゃんの姿があった。
「ふふっ、喜んでもらえてよかった」
「あ、えっと庭園に行こっか」
ちょっぴり恥ずかしくて、それを誤魔化すようにルミアちゃんの手を握り歩き出す。するとルミアちゃんは嬉しそうに笑い声を溢した。
そのあと庭園まで着いた私はシュルさんの後ろ姿を見つけ、その場で立ち止まり小さく深呼吸をする。
「……」
少し前の私なら飛びつく勢いで話しかけるところだけど、今日の私は違う。なにも飾らず自然体で。
「シュルさん、おはようございます」
「……おはようございます」
驚いたように目は見開かれたけど、悲しそうな笑みは浮かべなかった。
よかった。そう内心すごく安心しながら私はひっそり安堵の息を吐いた。




