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いろいろ聞きたいことはあったけど、どこか聞いてはいけない気がして聞けなかった私は、あのあとからずっとシュルト似の彼と美少女さんの話を雰囲気であわせ続けている。そしてその中でわかったことがある。シュルト似の人がシュルという名前で、ツインテールの美少女さんがルミアという名前だということ。
それから二人の名前がわかった瞬間、一人の渋いおじ様がどこからともなく現れて私をお城へと案内してくれた。
なんか知らないけど……とりあえず目の前にある綺麗で大きなお城は私のらしい。
「……」
本当になんなんだ、ここは。私の平穏な日々よ、急いで戻って来てくれ。
「あらあらまあまあ、もう見つかってしまったの? ごめんなさいね、リラちゃん。ダジルをもう少し縄できつめに縛っておけばよかったわね」
困ったように笑った後に清々しくて綺麗な笑みを浮かべるのは……私の実の母であるアスレナだった。
その姿に思わず目を擦る。そして目の前にいる母の姿を確認するためしっかり目を開き見つめると、母はふわりと柔らかい笑みを私に返した。
ん、やっぱり目の前の母と本当の母の性格は真逆である。あの人は男顔負けの強さを誇り、男よりも男らしい素晴らしく男に近い人なのだ。だからこんな風に話したりしない。
もう……止めてくれ。これ以上私に鳥肌をたたせないで。精神的なダメージで涙が出てくるから。
「リラちゃん、どうしたの? なんだか涙が零れてしまいそうだけど」
ええ。ええ、あなた方のせいで涙が零れそうなくらい溢れてきましたよ。
「リラちゃんリラちゃん」
こっちこっちと小声で呼ばれたので近づくと、耳元で爆弾発言された。
「シュルさんとキスした?」
「なっ……! なななななっ、なに言ってるんですか?! そんなことするはずないでしょ!」
「えー、してないの。ちぇ、つまんないのー」
「つまんないのー、じゃないですよ! 突然なにを言い出すのかと思ったら! 恥を知りなさいな!」
「ぶぅ、リラちゃん怖い」
……ああ、頭が痛い。とっても痛い。なんなんだ。本当にここは。泣きを通り越して呆れですよ。ボケ担当の私がツッコミになってしまうくらい酷いところだよ。本当に私を元いた場所に戻してください。お願いします。
「……」
そうでないと、私は泣いて泣いて藁人形になります。だからどうか一刻も早く私を元いた場所に戻してください。




