6
「どおおおりゃああああっ!」
私はありったけの力を込めてジャンプする。そしてぶら下がっているパンをとることに成功した。
え、跳び箱はって。もちろんクリアしたよ。みんなからかなり遅れをとったけど。そのせいでめちゃくちゃ焦りながら必死に走ってみんながパンをとるのに苦戦してるところに合流したのだ。
私は華麗にパンを咥えてもぐもぐと美味しく食べる。
「……」
いまだ苦戦してる人たちを置いて走り出す私。
うん……このジャムパン美味しい。この味は商店街で人気のパン屋さんのパンかな。そうだとしたら朝早くからパンをありがとうございます。とっても美味しいです。
そういえば次の関門はマシュマロ探しだったかな……あれ、大玉転がしだっけ。うーん。それにしても最終ランナーの人の障害物が多い気がする。でも他のランナーに比べたら、障害物のレベルは低めにしてくれてるし。だからって多いのはちょっと辛い。
そう思いながらも引き続きジャムパンを美味しく食べていた。
「ん、ぐ……」
水……水がほしい。美味しいパンと走っているせいで口の水分が奪われてなくなっている気がする。
「お水どうぞー!」
耳に水という潤いの音が届く。ちょうど水がほしいと思い始めていたから嬉しい。走りながら机の上に水の入った大量のコップが置いてあるのを見て、明るく元気で笑顔の素敵な係りの人を見る。私も笑顔を浮かべて……素通りする。
さっき水がほしいと思ったけど、ここでは受け取らない。なぜなら今は障害物競走の途中だからだ。
私は水を無視して走り続ける。
「……あー、やっぱり」
しばらく走ったところで、後ろからたくさんの叫び声が聞こえてきた。私は遠い目をしながら足を動かし続ける。
うん。やっぱりみんな引っかかったんだね。障害物競争中は気をつけないとなにがあるかわからないんだよ。
「よかった。飲まなくて本当によかった」
ただ、あの優しい人が引っかかっていないことを祈る。




